営業中に電話が鳴り、接客の手を止めて受話器を取る。
小さなお店や事務所では、よくある光景ではないでしょうか。最近は、電話の一次受けをAIに任せる「AI電話応対」を検討する事業者さまが増えています。この記事では、AI電話応対の基本と、導入前に押さえておきたいポイントをまとめます。
1. AI電話応対でできること
AI電話応対は、かかってきた電話にAIが音声で応答し、用件を聞き取る仕組みです。営業時間や場所などのよくある質問に答えたり、予約の希望や折り返しの依頼を記録したりできます。通話の内容を文字にして要約し、担当者に共有できるツールもあります。どこまで対応できるかはツールごとに異なるため、まずはお使いの、または検討中のツールの機能を確認することが大切です。
2. 任せる電話と、人が受ける電話を分ける
すべての電話をAIに任せる必要はありません。営業時間の確認や道順の案内のように、答えが決まっている用件はAIに向いています。一方で、クレームや料金の交渉、医療・法律に関わる相談などは、人が対応したほうが安心です。導入前に「AIが答える用件」と「担当者に回す用件」を書き出しておくと、設定がスムーズに進みます。
3. 導入前に準備しておきたいこと
準備しておきたいのは、よくかかってくる電話の内容、営業時間や定休日、予約の受け方、取り次ぎ先の一覧です。これらをもとに、あいさつから用件の確認、回答、取り次ぎまでの流れ(応対シナリオ)を作ります。シナリオがあいまいなままだと、AIの答え方がぶれやすくなります。最初に流れを整理しておくことが、使いやすいAI電話への近道です。
手順:AI電話を検討するときの5ステップ
STEP1 電話の記録を取る:1週間、受けた電話を「時刻・用件・対応にかかった時間」の3列でメモします。
STEP2 AI向きの用件に印:答えが毎回同じ用件(営業時間・道順・駐車場)に◯を付けます。
STEP3 ツールの機能を確かめる:候補のツールの説明で、要約・転送・営業時間外の応答ができるかを表にします。
STEP4 試す範囲を決める:最初は営業時間外だけ、など範囲を1つに絞ります。
STEP5 お客様への伝え方:店頭やホームページで「お電話は自動応答が受ける場合があります」と案内します。
画面のイメージ:電話の記録表
ノートや表計算ソフトで、このような記録を1週間つけてみましょう。
・10:12 予約の確認 2分
・11:40 駐車場の場所 1分 ◯
・13:05 営業時間 1分 ◯
・15:30 商品の取り置き 4分
・17:55 道順 2分 ◯
比べてみる:留守番電話とAI電話
・項目:営業時間の案内/留守番電話:録音の案内のみ/AI電話:質問に合わせて回答
・項目:用件の記録/留守番電話:録音を聞き直す/AI電話:文字の要約が届く
・項目:かけた人の負担/留守番電話:伝言を残す必要/AI電話:会話で用件を伝える
もう一歩踏み込むなら:記録を「件数」と「時間」で見る
電話の件数が少なくても、1件あたりの時間が長い用件は負担が大きくなります。記録の「対応にかかった時間」を用件ごとに合計してみると、件数では見えなかった負担がわかります。たとえば道順の案内は件数が少なくても、説明に時間がかかりやすい用件です。件数と時間の両方で上位に入る用件から、AIに任せるかどうかを考えると判断しやすくなります。記録は手書きのメモでも十分です。大切なのは、同じ形で1週間続けることです。
よくある失敗
× 記録を取らずに導入し、AI向きの用件が少ないと後でわかる
× 最初から全時間帯をAIにして、混乱が起きる
× 自動応答であることをお客様に伝えていない
例:こんな場面で(架空の例です)
夫婦で営む小さな雑貨店。1週間の記録で、電話の半分ほどが営業時間と駐車場の質問だとわかりました。まず営業時間外だけAIに任せることにしました。
Before:「電話の中身を把握しないまま、導入するか迷っている」
After:「記録から、AIに任せる用件と時間帯が決まっている」
チェックリスト
□ 1週間の電話の記録を取った
□ AI向きの用件に印を付けた
□ ツールの機能を表で比べた
□ 試す時間帯を1つに決めた
□ お客様への案内文を用意した
よくある質問
Q. 記録は1週間で足りますか?
A. 曜日による違いがある業種なら2週間あると安心です。月末だけ忙しい業種は、その時期も含めましょう。
Q. 小さなお店でも使う意味はありますか?
A. 少人数で接客と電話を兼ねているお店ほど、一次受けを任せる意味が出やすいといえます。
Q. ツールはすぐ切り替えられますか?
A. 契約の条件はツールごとに異なります。試用の有無や解約の条件を事前に確かめましょう。
まとめ
AI電話応対は、まず自店の電話の中身を知ることから始まります。記録を取り、AI向きの用件と試す時間帯を1つ決めれば、導入するかどうかを落ち着いて判断できます。
自社で進めるのが難しいときは
準備や設定に手が回らないときは、Freeborn株式会社の「AI電話応対の初期設定とシナリオ作成をします」もご覧ください。
お使いのAI電話ツールに、応対シナリオとFAQを作成して設定する1回きりのサービスです。
気になったことや自社の場合の疑問は、ココナラのメッセージから気軽にご質問ください。