“実家に帰ると、なぜか昔の自分に戻ってしまう”あなたへ。心理学が教える“家族の中の役割”との付き合い方

“実家に帰ると、なぜか昔の自分に戻ってしまう”あなたへ。心理学が教える“家族の中の役割”との付き合い方

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コラム

大人になったはずなのに、親の前ではうまく話せない

仕事では自分で判断しているのに、実家に帰ると、母親の「それで大丈夫なの?」という一言が妙に気になる。
反論したいのに、「うん、まあね」と笑って済ませてしまう。
あるいは、ほんの些細な注意に、子どもの頃のようにむきになってしまう。
帰り道で「どうしてあんな態度になったんだろう」と考える。
何年も一人で暮らし、自分なりの生活をつくってきたはずなのに。
家族といるときだけ、昔の自分がひょっこり顔を出すことがあります。

家族の中には、長い時間をかけてできた関係がある

家族には、知らず知らずのうちに定着した関わり方があります。
心配する親と、心配をかけまいとする子ども。
意見を言う人と、波風を立てないように黙る人。
大人になっても、顔を合わせるとそのやり取りが始まることがあります。
臨床心理学では、今の反応を、その場の出来事だけでなく、これまでの関係の積み重ねから理解することがあります。
昔と同じ言葉を聞けば、昔と似た気持ちが動くこともあるのです。
それは、成長していないという意味ではありません。

「またこうなった」と気づくだけでもいい

親と話していて急に苦しくなったら、「今、私は何歳の自分みたいに感じているんだろう」と考えてみてください。
叱られたくない子どもなのか。
分かってもらえず、腹を立てていた頃の自分なのか。
理由が分からなくても構いません。
昔の役割に気づいたからといって、すぐに親に言い返す必要もありません。
話題を変えたり、少し席を外したり、会う時間を短くしたりすることもできます。
今の自分には、昔は持てなかった選択肢があるのです。

今の自分と、昔の自分を一緒に話してみる

「親の前だと、どうしても素直に話せない」と誰かに話してみてもよいでしょう。
話しているうちに、言えなかったことだけでなく、ずっと言ってほしかった言葉に気づくことがあります。
親を責めたいわけでも、関係を切りたいわけでもない。
ただ、大人になった今の自分として、もう少し楽に会えたらいい。
そう願うこと自体を大切にしてよいのだと思います。
家族の前で昔の自分が顔を出しても、帰り道まで、その役を演じ続ける必要はありません。

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