ADHDの方々と会話していてよくある質問が
・タスクの優先順位付けがわからない
・全てのタスクが重要に見える
というのがあります。
筆者はもともと陸上自衛隊の幹部のキャリアを積んでおりまして、熊本大地震などの災害派遣に従事したこともあります。
災害派遣の現場では、瞬時にタスクを見出し、優先順位をつけ、適時適切に指示命令を出す必要があります。
約、20万人いる大組織を瞬時に運用できる態勢を365日・24時間維持しているのが「自衛隊」という組織です。
この記事では、私が陸上自衛隊幹部として勤務して学んだ、
「タスクの生み出し方」「タスクの優先順位付け方」
などを中心に述べていきたいと思います。
「優先度 = 緊急度 + 重要度」
結論、仕事の優先度というのは
優先度 = 緊急度 + 重要度
の式で表せるかなと考えています。
つまり、緊急度と重要度を適切に評価ができれば、タスクの優先度がわかるようになる、ということです。
この緊急度と重要度ってわりと曖昧な言葉だと思うので、しっかり定義していきます。
緊急度とは、「〆切の近さ」のこと。
逆説的にいえば、「タスクの〆切がわかってなければならない」ということです。
つまり、緊急度を評価するためには、達成すべき目標とそこに向かうタスクと〆切がセットになった計画が必要ということになります。
私は当然のことをはなしているかもしれませんが、
仕事の優先度がわからない状態に陥っている人は、この計画がない場合が多い印象にあります。
次に、重要度についてです。
重要度とは、「自分の役割・存在意義の価値の度合い」のこと。
例えば、時計を直せない時計修理店に存在意義はあるでしょうか?
残念ながら、ないですよね。
これも当たり前の話をしていると思いますが、意外と自分の役割をスラスラと言語化している人は稀です。
重要度の評価をするためには、自己の役割を言語化できるレベルで明確にしておく必要があります。
フレームワーク
ここまで、タスクの優先順位付けの理論の話をしました。
ここからは、私が考える使えるフレームワークを紹介したいと思います。
以下にフレームワークを示します。
1. 役割の言語化
2. 役割を満たす目標設定
3. 目標分割による計画作成
これらを順に説明します。
役割の言語化
役割とは組織や周囲があなたに期待するものを意味します。
先の例のように時計修理店を例にお話をしましょう。
あなたは店主です。
その場合の役割は何でしょうか?
・客にサービス(時計の修理)を提供すること
・店の売り上げを伸ばすこと
・店がつぶれないように施策を立案・実行すること
役割はこのようなものになるかもしれませんね。
このように、思いつく役割を出来る限り列挙します。
列挙した役割は、手帳やノートに書き出してもいいですし、スマホのアプリに記録していてもよいかもしれません。
この役割が、次のフェーズ2、目標設定に効いてきます。
役割を満たす目標設定
目標設定では、役割を満たすための具体的な行動を書き出します。
これを行動目標といいます。
行動目標は、
・達成可能性:無茶な目標ではなく、達成は可能な行動であること
・実行可能性:自分の能力でできる行動であること
・計測可能性:行動の進捗を数字で図ることができる行動であること
・期限付き:具体的なリミットを設けること
が必須条件です。
行動目標は、自己の役割を満たすために必要十分なものでなければなりません。
時計修理店を例に考えてみます。
役割の一つ、「店の売り上げを伸ばすこと」の役割から目標を案出してみましょう。
時計修理店の売り上げを伸ばす方法はどのようなものがあるかを考えます。
そこでこの店主は
従業員を増やし、キャパを拡張する
というアイデアを思いついたとします。
ここで、行動目標の必須条件に照らしてアイデアを目標まで昇華させます。
そこで考えた目標は、
半年後の8月31日までに、ウェブ求人・地元求人広告などを行い従業員を1名増やす
としたとします。
この目標は、
まず無茶ではなさそうということで達成可能性があります。
店主の能力でできるものなので、実行可能性もあります。
雇いたい従業員の人数が具体化されており、計測可能性もあります。
そして半年後という期限が設定されています。
よって行動目標の立て方として良い気がしますね。
目標分割による計画作成
目標まで立てられたらあとは計画を作ります。
計画立案とは、目標を達成するための行動(つまりタスク)を期限付きで列挙する作業です。
半年後の8月31日までに、ウェブ求人・地元求人広告などを行い従業員を1名増やす
これを達成させるための行動はなにがあるでしょうか?
ロードマップを書き出してみます。
・ウェブ求人・地元求人広告はどのようなサービスがあるのか調査する
・求人にかけられる経費額を割り出す
・求人サービスを1つ選ぶ
・求人したい人物像を決める
・求人サービスに発注する
・人材を選定する
・人材を雇用する
ざっとこれくらいでしょうか?
目標には半年後というタイムリミットがあるのでした。
このタイムリミット以内に目標を達成できるようそれぞれの行動に期限を設けましょう。
・ウェブ求人・地元求人広告はどのようなサービスがあるのか調査する(~2月15日)
・求人にかけられる経費額を割り出す(~2月28日)
・求人サービスを1つ選ぶ(~3月15日)
・求人したい人物像を決める(~3月31日)
・求人サービスに発注する(~4月1日)
・人材を選定する(~6月30日)
・人材を雇用する(~7月1日)
この時のポイントは、目標で定めた期限よりバッファ(予備)を持たせることです。
また、終わりから順に期日を決めると決めやすいです。
ここまでくれば計画は完成です!
この計画があれば、タスクの〆切がわかるので緊急度の把握が簡単です。
ここまでワークすれば理解いただけると思いますが、タスクは役割から生まれました。
当然ですが、お医者さんはホストクラブで接客しません。
それは医者はホストの役割はないからです。
つまりタスクは自分のどの役割から派生したものであり、タスクの源泉となる役割が自分の存在意義にどれだけ致命的であるか、でタスクの重要度を決めます。
時計修理店の店主の役割は以下のものでした。
・客にサービス(時計の修理)を提供すること
・店の売り上げを伸ばすこと
・店がつぶれないように施策を立案・実行すること
事業がうまくいかず、売り上げが不振である場合は3つ目の役割が重要でしょうし、
そもそも駆け出しで技量に自信がない場合は1つ目の役割のまっとうが重要でしょう。
つまり、これらの役割の重要性は状況によって大きく変わります。
おわりに
今日は仕事の優先度がつけられなくて困っている人向けに、システマティックに優先度をつける方法を説明しました。
これらの思考フレームワークはビジネスシーンだけではなく、普段の生活でも生かせるはずです。
弊社サービスは、ADHDにお困りの方のみならず、更年期などで思考にまとまりが無くなった方などが相談いただいております。
是非、お気軽にご相談ください。