忘れられない人を、少しずつ手放すまで(第7話)
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コラム
「戻りたい」のか、「寂しいだけ」なのか分からない
あの人に戻りたい。
そう思う日がある。
もう一度、前みたいに話したい。
もう一度、名前を呼んでほしい。
もう一度、
何でもない会話で笑い合いたい。
別れる前のふたりに戻れたら、
この苦しさは消えるのかな。
そんなふうに考えてしまう。
でも、ふとした瞬間に思う。
私は本当に、
あの人に戻りたいのだろうか。
それとも、
ひとりになった寂しさが苦しいだけなのだろうか。
その答えが分からなくなる。
夜、ひとりでいると、
急に胸が苦しくなる。
誰かに話したい。
誰かに分かってほしい。
今日あったことを、
ただ聞いてほしい。
そんな時、
一番に思い浮かぶのは、やっぱりあの人だった。
前は、何かあるとすぐに連絡していた。
嬉しいことがあった日も。
落ち込んだ日も。
何もない普通の日も。
あの人に話したいと思っていた。
だから今、
何かを話したくなった時に、
心が自然とあの人を探してしまう。
でも、それは愛なのか。
寂しさなのか。
習慣なのか。
自分でも分からない。
あの人じゃなきゃダメなのか。
それとも、
あの人がいなくなった空白が苦しいのか。
その違いが分からなくて、
また心が揺れる。
復縁したいのかもしれない。
でも、戻ったとして、
本当に幸せになれるのだろうか。
前と同じことで、
また傷つかないだろうか。
同じ寂しさを、
また繰り返すことにならないだろうか。
戻りたいと思うたびに、
楽しかった思い出が浮かぶ。
優しかった言葉。
安心した夜。
笑い合った時間。
でも同時に、
苦しかった日もあった。
待っていた時間。
不安だった夜。
言えなかった本音。
分かってもらえなかった寂しさ。
戻りたいと思う時、
心はどうしても、
幸せだった場面だけを見ようとする。
あの頃に戻れたら。
もう一度やり直せたら。
今度はうまくできるかもしれない。
そう思いたくなる。
でも、戻りたい場所には、
楽しかった時間だけでなく、
苦しかった時間も一緒にある。
そこを忘れたまま戻ろうとすると、
また同じところで傷ついてしまうかもしれない。
だから、
「戻りたい」と思った時こそ、
少しだけ自分に聞いてあげたい。
私は、あの人自身に戻りたいのかな。
それとも、
愛されていたと感じた時間に戻りたいのかな。
私は、あの人ともう一度向き合いたいのかな。
それとも、
ひとりの寂しさから逃げたいのかな。
私は、あの人といる自分が好きだったのかな。
それとも、
誰かに必要とされている自分でいたかったのかな。
すぐに答えが出なくてもいい。
むしろ、すぐに分からなくて当たり前です。
失恋のあと、
心はとても混乱しています。
好き。
寂しい。
悔しい。
戻りたい。
忘れたい。
分かってほしい。
もう傷つきたくない。
いろいろな気持ちが一緒になって、
自分でも何を望んでいるのか
分からなくなることがあります。
「戻りたい」と思う気持ちの中には、
本当にまだ愛情が残っていることもあります。
でも、その中に
寂しさや不安が混ざっていることもあります。
もう一度愛されたい。
もう一度選ばれたい。
ひとりじゃないと思いたい。
あの人に必要とされる自分に戻りたい。
そんな気持ちが、
復縁したい気持ちの中に隠れていることもあります。
だからといって、
その気持ちが悪いわけではありません。
寂しいから戻りたいと思うこともある。
ひとりが苦しいから、
あの人を思い出してしまうこともある。
それは弱さではありません。
大切な人を失ったあとに、
心が安心できる場所を探しているだけです。
ただ、その寂しさを
「やっぱりあの人しかいない」
とすぐに決めてしまう前に、
少しだけ立ち止まってもいい。
あの人と戻ったら、
私は本当に安心できるだろうか。
前より素直に話し合えるだろうか。
また同じ我慢をしないでいられるだろうか。
私の気持ちは、
ちゃんと大切にされるだろうか。
そうやって、
過去の思い出だけではなく、
これからの自分の心も見てあげる。
それがとても大切なのだと思います。
本当に戻りたいのか、
寂しいだけなのか。
今すぐ白黒つけなくても大丈夫です。
今日は戻りたいと思ってもいい。
明日は、もう戻らないほうがいいと思ってもいい。
朝は平気だったのに、
夜になるとまた寂しくなる日があってもいい。
心は揺れながら、
少しずつ整理されていきます。
大切なのは、
揺れている自分を責めないこと。
戻りたいと思った自分を、
弱いと決めつけないこと。
寂しいだけかもしれないと思った自分を、
冷たいと責めないこと。
どちらも、
今のあなたの正直な気持ちです。
あの人をまだ好きなのかもしれない。
でも、ひとりが寂しいだけなのかもしれない。
愛なのかもしれない。
執着なのかもしれない。
未練なのかもしれない。
その全部を、
急いで一つの答えにしなくてもいい。
ただ、ひとつだけ覚えておいてほしいのです。
寂しさで戻る恋は、
一瞬だけ心をあたためてくれるかもしれません。
でも、同じ苦しさが残ったままなら、
またあなたの心を疲れさせてしまうことがあります。
だからこそ、
戻るかどうかを決める前に、
あなた自身の心を少し休ませてあげてください。
寂しい夜を、
あの人への連絡だけで埋めようとしなくていい。
苦しい気持ちを、
すぐ復縁という答えにしなくてもいい。
まずは、
「私は今、寂しいんだ」
と認めてあげる。
「まだあの人を思い出すんだ」
と受け止めてあげる。
「でも、また傷つきたくない気持ちもあるんだ」
と分かってあげる。
その上で、
少しずつ考えていけばいいのです。
戻りたい気持ちがあるあなたも、
戻ったらまた苦しいかもしれないと感じるあなたも、
どちらも本当です。
どちらかを消さなくていい。
どちらかだけを正解にしなくていい。
今はまだ、
自分の心を丁寧に見ていく時間です。
あの人に戻ることより先に、
自分の心に戻ること。
寂しさの中で、
自分を置き去りにしないこと。
それが、
忘れられない恋を少しずつ手放していくための
大切な一歩なのだと思います。
心葉(ここは)では、
忘れられない恋の気持ちを否定せずにお聞きしています。