他社で社会保険に加入している人を採用したら?二以上事業所勤務の手続きを整理

記事
法律・税務・士業全般
「採用する人は、別の会社ですでに社会保険に加入している。それなら自社では加入手続きをしなくてよい?」

他社で加入済みという理由だけで、自社の手続きが不要になるとは限りません。ここでは、健康保険・厚生年金保険の二以上事業所勤務について、依頼前に整理したい点を紹介します。

1.加入要件は、それぞれの事業所で確認する


まず、各勤務先の勤務条件や事業所の状況を確認します。複数の会社で働いているという事実だけで、一律に二以上事業所勤務の手続きが必要になるわけではありません。

それぞれの事業所で社会保険の加入要件を満たす場合は、両方の勤務先で加入する扱いとなり、主たる事業所を選ぶ手続きが必要です。加入要件の判定と、加入後の保険料計算を分けて考えましょう。

2.資格取得届と二以上事業所勤務届は別の届出


新たに被保険者となる事業所では、資格取得届の提出が前提となります。そのうえで、本人が主たる事業所を選び、「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出します。

二以上事業所勤務届の提出時期は、事実発生から10日以内です。この届出をすれば勤務先の資格取得届も済む、という仕組みではありません。どの届出を誰が行うか、会社と本人で確認しておきましょう。

3.保険料は、報酬を合算したうえで按分する


各事業所の報酬月額を合計して標準報酬月額を決め、それを基に計算した保険料を各事業所の報酬額に応じて按分します。

例えば、A社の報酬月額が30万円、B社が10万円なら、合計40万円を基に標準報酬月額を決定し、保険料を原則3対1の割合で按分するイメージです。40万円がそのまま標準報酬月額になるとは限らず、等級や適用する料率等による確認が必要です。

選択した事業所を管轄する事務センターから各事業所に通知される標準報酬月額・保険料額を確認し、給与計算へ反映します。

4.健康保険組合・70歳以上の方は分けて確認


健康保険組合に加入している事業所を選択する場合は、加入先の健康保険組合への手続きも確認します。共済組合が関係する場合にも、選択や届出の取扱いに分岐があります。

70歳以上では、対象となる方について「70歳以上被用者所属選択・二以上事業所勤務届」等を確認します。健康保険の被保険者となる場合の届出も別途確認し、通常の資格取得と同じ書類だけで済むと決めつけないことが大切です。

5.見積り前に整理しておきたいこと


・採用予定日と対象者の年齢
・それぞれの勤務先での勤務条件・報酬
・現在加入している健康保険の種類
・各勤務先の資格取得手続きの状況

最初の相談では、個人番号や給与明細等を一括送付する必要はありません。分かる範囲の状況を伝え、必要な資料と依頼範囲を確認しましょう。

【入社に伴う保険手続きのご依頼について】


当事務所では、入社に伴う社会保険・雇用保険の資格取得手続きを代行しています。他社で加入中の場合は、購入前の見積り時にその旨をお知らせください。

二以上事業所勤務届等の追加手続きについては、対象手続き・対応可否・料金を事前に確認します。入社サービスの基本料金に自動的に含まれるものではありません。個別の制度判断や具体的な対応方法のご相談は有料です。




【出典・確認日】


日本年金機構
・「複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」
・「兼業・副業等により2カ所以上の事業所で勤務する皆さまへ」
・「70歳以上で複数の事業所に雇用されるようになったときの手続き」

2026年10月29日時点の公表資料に基づく一般解説です。必要な手続きは、勤務条件・年齢・加入先等によって異なります。
サービス数100万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す