「自社には、求人票に書けるような特別な魅力がない」
「仕事内容は説明できても、会社の強みをうまく言葉にできない」
「他社の求人と比べると、どうしても同じような内容になってしまう」
求人票を作るとき、このような悩みを持つ経営者や採用担当者は少なくありません。
でも、最初からきれいな言葉を用意する必要はありません。
私が採用相談や求人票作成をするときも、
「御社の強みは何ですか?」
と聞いて、一言で答えてもらうだけでは終わりません。
・仕事内容。
・現在働いている社員。
・仕事の教え方。
・お客様との関係。
・評価の仕方。
・会社が大切にしていること。
・実際の職場で起きていること。
こうした事実を一つずつヒアリングしていくことで、求人票に使える材料を整理していきます。
HR業界で20年以上、人事責任者・事業部長・現役面接官として採用に携わってきた経験から、今回は「自社の魅力を言語化できない」ときに、どのような質問から求人の材料を見つけていくのかを解説します。
【30秒でわかる!自社の魅力を言語化する採用ヒアリングのポイント】
・最初から「強み」を考えなくていい
「御社の強みは?」では答えにくくても、実際の仕事や社員のエピソードなら話せることがあります。まず事実を集めます。
・「当たり前」を具体的に聞く
会社では普通だと思っている教育方法や仕事の進め方が、求職者にとって重要な情報になることがあります。
・採用ターゲットと照らし合わせる
見つけた特徴をすべて求人票へ書くのではなく、「今回採用したい人に何を伝えるべきか」を考えて整理します。
📢 監修:KM3 Creative Studio
HR業界20年・人事責任者として採用や求人制作に携わってきた経験をもとに、企業へのヒアリングから求人票に必要な情報を整理します。
■ 私、ケマナラは何者か?なぜ、ココナラにいるのか?
私はこれまで、事業部長、人事責任者としてHR業界を20年経験してきました。
現在は独立し「KM3 Creative Studio」の代表として、採用代行(RPO)や人事コンサルタントとして企業の採用支援を行いながら、現役面接官として採用にも携わっています。
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企業の方から採用について話を聞いていると、
「うちは普通の会社ですよ」
「特別な福利厚生もありません」
「求人に書けるような強みなんてありません」
と言われることがあります。
ところが、さらに話を聞いてみると、
「新人には最初の○カ月、先輩が一緒についています」
「社長がお客様から直接届いた感謝の声を社員へ共有しています」
「未経験で入社した社員が、今は○○を担当しています」
といった具体的な話が出てくることがあります。会社の中では当たり前でも、
求職者が「入社後の働き方」を判断するために知りたい情報である可能性があります。
だから私は、「魅力を作る」というより、「すでに会社の中にある事実を見つけ、求人で伝わる形に整理する」という考え方を大切にしています。
■ 「自社の強みは?」と聞くだけでは魅力を言語化しにくい
いきなり、
「御社の強みを3つ教えてください」
と聞かれても、答えるのは難しいものです。
すると、
「アットホーム」
「風通しがいい」
「成長できる」
「やりがいがある」
といった抽象的な言葉になりやすくなります。
そこで採用ヒアリングでは、
「強みそのもの」ではなく、「強みの材料になる事実」
を確認していきます。
たとえば、
「新しく入社した人は、最初に誰から仕事を教わりますか?」
「一人で仕事を任せられるまで、どのように教育しますか?」
「今活躍している社員は、なぜこの会社に入社しましたか?」
「社員から会社について評価されていることはありますか?」
「仕事で困ったとき、誰に相談しますか?」
こうした質問です。
答えを並べていくと、その会社らしい特徴が少しずつ見えてきます。
■ 採用ヒアリング① 「今いる社員」から魅力を探す
自社の魅力を探すとき、最初に確認したいのが現在働いている社員です。
たとえば、
「なぜ入社したのか?」
「入社前に魅力だと感じたことは?」
「入社してから良かったと感じたことは?」
「なぜ今も働き続けているのか?」
「この会社を友人へ紹介するとしたら何を伝えるか?」
こうした質問です。
経営者が考える会社の魅力と、社員が実際に感じている魅力は一致するとは限りません。
社員から、
「上司に相談しやすい」
「仕事を任せてもらえる」
「お客様と長く関われる」
「家庭の事情に理解がある」
といった話が出てくれば、それも求人票を考える材料になります。
もちろん、一人の社員の意見だけで会社全体を断定することはできません。
複数の事実を確認しながら、
「この会社では実際に何が行われているのか」
を整理します。
■ 採用ヒアリング② 「仕事の1日」を具体的に聞く
求人票では、
「営業業務」
「顧客対応」
「事務作業」
など、仕事内容を短くまとめてしまうことがあります。
しかし求職者が知りたいのは、
「実際に入社したら、自分は何をするのか?」
です。
そこで、
・何時ごろ出社する?
・朝一番に何をする?
・一日に何件くらい顧客と話す?
・社内では誰と仕事をする?
・一人で進める仕事とチームで進める仕事は?
・困ったときは誰に聞く?
・どんな瞬間に仕事の面白さを感じる?
・といった形で、仕事を具体化します。
すると、
仕事内容そのものが「その会社で働くリアルな情報」
に変わっていきます。
■ 採用ヒアリング③ 「入社後どう育てるのか」を聞く
特に未経験者や経験の浅い人材を採用する場合、
「未経験歓迎」
と書くだけでは、求職者の不安は十分に解消できないことがあります。
そこで確認したいのが、
・入社初日は何をする?
・最初の1週間は?
・誰が教える?
・研修はある?
・いつごろ一人で仕事を担当する?
・わからないことがあったら誰に相談する?
という具体的な内容です。
たとえば、
「未経験歓迎。丁寧に教えます」
よりも、
実際に行っている教育方法を具体的に説明できた方が、入社後をイメージしやすくなります。
「教育制度があります」と書くのではなく、「実際にどう教えているのか」を聞く。
これも採用ヒアリングで重要なポイントです。
■ 採用ヒアリング④ 「会社の弱み」も確認する
私は、魅力だけを聞けばいいとは考えていません。
たとえば、
・少人数なので担当範囲が広い。
・仕組みがまだ整っていない。
・繁忙期がある。
・新しい事業なので決まっていないことが多い。
こうした情報も確認します。
なぜなら、
ある人にとっての弱みが、別の人にとっては働く魅力になることもある
からです。
「担当範囲が広い」
↓
一つの仕事だけを担当したい人には合わないかもしれない。
しかし、幅広い経験を積みたい人には合う可能性がある。
「仕組みが整っていない」
↓
決められた仕事をしたい人には不安かもしれない。
一方、仕組みづくりから参加したい人には魅力になる可能性がある。
無理に弱みを「強み」に言い換えるのではありません。
会社の現実と採用ターゲットを照らし合わせ、
「どんな人なら、この環境で力を発揮できるか」
を考えます。
■ 採用ヒアリング⑤ 最後に「誰に伝えるか」を決める
会社の魅力をたくさん見つけても、全部を求人票へ書けばよいわけではありません。
今回採用したい人は、
・何を重視して転職するのか。
・どんな仕事をしたいのか。
・どんな経験を持っているのか。
・何に不安を感じているのか。
・入社後に何を任せたいのか。
を考えます。
そのうえで、
「今回の採用ターゲットに伝えるべき情報」
を選びます。
たとえば、
・教育体制を重視する未経験者。
・裁量を求める経験者。
・仕事と家庭の両立を重視する人。
・将来的に管理職を目指したい人。
同じ会社でも、ターゲットによって強調すべき内容は変わります。
■ 「求人プロファイル」は、格好いいキャッチコピーを作ることではありません
私は求人を作るとき、
・会社情報
・募集背景
・仕事内容
・採用ターゲット
・必要な経験
・入社後の役割
・教育方法
・働く環境
・会社の特徴
・求職者へ伝えたいこと
などを整理します。
ここで大切なのは、
格好いい言葉を作ることではなく、求人票を書くために必要な「事実」を整理すること
です。
この土台があれば、求人媒体が変わったとしても、何を伝えるべきなのかを判断しやすくなります。
■ 自社の強みが見つからないなら、まず「書く材料」を集める
「自社の強み」というテーマについては、求人票への書き方も重要です。
ただ、そもそも、
「書く材料自体が見つからない」
という会社もあります。
その場合、文章表現を工夫する前に、
ヒアリングによって求人の材料を集める
ところから始めます。
・自社の魅力は何か。
・誰に来てほしいのか。
・入社後に何を任せるのか。
・どんな環境なのか。
・この土台を整理してから求人原稿へ落とし込みます。
■ 自社だけでヒアリングする方法もあります
外部の採用コンサルタントへ依頼しなくても、まず自社でできることがあります。
・経営者
・採用担当者
・現場責任者
・現在働いている社員
それぞれに、
「この会社で働く理由は?」
「他社と違うと思うところは?」
「新人へ最初に伝えたいことは?」
「どんな人なら活躍しやすい?」
と聞いてみてください。
回答が違っていても問題ありません。
むしろ、
その違い自体が「採用で何を整理する必要があるのか」を見つける材料
になります。
■ 自社の魅力を言語化できないときは、無理に作らない
求人票を書こうとして、
「何か魅力的なことを書かなければ」
と考える必要はありません。
実際にはない制度。
実際とは違う働き方。
大げさな仕事内容。
こうした表現で応募を増やしても、入社後にギャップが生まれる可能性があります。
私が大切にしているのは、
「魅力を作る」のではなく、「会社にある事実を見つけて、採用ターゲットへ伝わる言葉にする」
ことです。
それでも、
「何を聞けばいいかわからない」
「社内では当たり前すぎて特徴がわからない」
「情報はあるけれど、求人票にまとめられない」
という場合は、第三者と一緒に整理する方法があります。
【まず、自社の魅力や採用課題を整理したい方へ】
「自社の強みがわからない」
「求人票に何を書けばいいかわからない」
「そもそも採用ターゲットも整理できていない」
という段階なら、現在の採用状況から一緒に整理します。
【ヒアリングから求人票そのものを作ってほしい方へ】
「求人票がまだない」
「新しい職種を初めて募集する」
「自社の魅力を整理するところから原稿作成まで任せたい」
という場合は、ヒアリングした情報をもとに求人票を作成します。
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