元社長の僕が、深夜のコンビニで働いて思うこと

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コラム
会社員になって、考えなくてよくなったことがあります。

会社全体の売上です。

今月はいくら売った。

粗利はいくらある。

黒字なのか。

赤字なのか。

来月の売上はどうなる。

社長だった頃は、こういう数字がずっと頭にありました。

特に会社の経営が厳しくなってからは、数字を見ても楽しくありません。

「今月も赤字か」

「またお金が減るな」

そんなことばかり考えていました。

会社員になった今は、会社全体の黒字、赤字まで自分が背負う必要はありません。

これは、正直かなり違います。

でも、一つの数字から解放されたら、今度は別の数字が気になるようになりました。

自分の給料です。

「給料、少ないなぁ」

会社員になって最初に思ったのは、

「給料、少ないなぁ」

でした。

もちろん、雇ってもらえたことには感謝しています。

僕は50代まで、よその会社に就職した経験がありませんでした。

しかも会社を畳んでいる最中で、心の状態もかなり悪かった。

そんな僕を雇ってもらい、仕事に空白期間ができなかった。

これは本当にありがたかったです。

ただ、ありがたいものはありがたい。

少ないものは少ない。

給料だけでは生活できませんでした。

そこで会社から特別に副業の許可をもらい、コンビニでアルバイトを始めました。

金曜日と土曜日。

夜10時から朝6時まで。

平日は会社員。

週末の夜は、コンビニ店員です。

元社長が、深夜のコンビニで働く

少し前まで、僕は会社の社長でした。

年間売上が2億円を超えた時期もあります。

テレビにも出ました。

本も出しました。

それが今、深夜にコンビニのレジに立っている。

正直に言います。

惨めだな、と思うことがあります。

「俺、何やってるんだろう」

と思うこともある。

できれば早く辞めたい。

これは本音です。

だからといって、

「こんな仕事、やってられるか」

と思っているわけでもありません。

むしろ逆の気持ちもあります。

働かせてもらえることは、ありがたい。

この二つが、僕の中に同時にあるんです。

働いた分だけ、お金がもらえる

経営者をやっていた頃は、働いたからといって、その分だけ自分のお金が増えるわけではありませんでした。

売上があっても、会社からはいろいろなお金が出ていきます。

給料。

家賃。

仕入れ。

外注費。

リース。

銀行への返済。

税金。

自分がどれだけ働いても、会社が赤字ならお金は減っていく。

でも、アルバイトは違います。

働いた時間に対して、給料がもらえる。

当たり前のことなんですけどね。

経営者を長くやった僕には、この当たり前が新鮮でした。

夜10時から朝6時まで働けば、その分のお金が入ってくる。

確実にお金がもらえる。

これはありがたいです。

でも、朝6時に仕事を終えると、

「いつまでこれを続けるんだろうな」

と思うこともあります。

やっぱり、早く辞めたい。

どっちが本当の気持ちなのかと言われたら、

どっちも本当です。

社長を辞めれば、全部楽になるわけじゃない

会社を畳む前の僕は、その後の生活が怖くて仕方ありませんでした。

仕事は見つかるのか。

給料はいくらになるのか。

家族を養っていけるのか。

社会から孤立するんじゃないか。

実際に会社員になってみると、社長時代とは違う意味で楽になった部分はあります。

毎月、会社全体の黒字や赤字を背負わなくていい。

銀行への返済を自分一人で心配することもない。

会社全体の売上を見て、

「今月どうしよう」

と考えることもなくなりました。

これは楽です。

一方で、収入は大きく減った。

だから僕は、副業で深夜のコンビニでも働いている。

人生って、そんなに都合よくできていませんね。

一つの悩みがなくなったら、全部の悩みがなくなるわけじゃない。

悩みの種類が変わっただけなのかもしれません。

それでも、会社を畳んだことを後悔しているわけではない

ここは誤解されたくありません。

「会社を畳んだから、こんな惨めな生活になった」

と言いたいわけではないんです。

もし無理して会社を続けていたら、どうなっていたか分かりません。

もっとお金を失っていたかもしれない。

心の状態も、さらに悪くなっていたかもしれない。

今の僕には、会社員としての仕事があります。

コンビニでも働かせてもらっています。

給料も入る。

生活も続いている。

だから、ありがたい。

でも、

「これが僕の理想の生活です」

と言ったら嘘になります。

できればコンビニのアルバイトは辞めたい。

もっと違う形で収入をつくりたい。

本を書いたり、自分の経験を誰かの役に立てたりすることも、その一つです。

まだ途中なんですよね。

「会社を畳んだ後、生活はどうなりますか?」

もし今、会社を畳むことを考えている人から、

「会社を畳んだ後、生活はどうなりました?」

と聞かれたら、僕はこういう話もします。

会社員になれた。

会社全体の赤字を考えなくてよくなった。

そこは楽になった。

でも給料は減った。

僕の場合、それだけでは生活できなくて、深夜のコンビニでも働くようになった。

惨めだと思うこともある。

「俺、何やってるんだろう」と思う夜もある。

でも、働けることはありがたい。

全部、本当です。

会社を畳んだ後の人生を、きれいな成功物語にして話すつもりはありません。

僕自身、まだ立て直している途中だからです。

だからこそ、

「会社を畳んだら、本当のところどうなるんですか?」

と聞かれたら、格好つけずに話せる。

僕に相談してもらう意味があるとしたら、案外、そういうところなのかもしれません。
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