「このままだと、やばいかも」と思っていた。でも、誰にも言えなかった

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会社が厳しくなっていた頃。

僕は、そのことをほとんど人に話していませんでした。

経営者仲間にも、知り合いにも、取引先にも。

隠していました。

人と会えば、普通に話す。

仕事の話もする。

でも、頭の中では、

「このままだと、やばいかも」

と思っていました。

会社が危ないなんて、言えなかった

なぜ相談しなかったのか。

今振り返っても、理由は一つではありません。

まず、恥ずかしかった。

会社を経営しているのに、

「会社が危ないんだ」

なんて言いたくなかった。

経営者なんだから、自分で何とかしなきゃいけない。

そんな気持ちもありました。

誰かに相談したところで、その人を困らせるだけじゃないかとも思った。

取引先や経営者仲間に知られたら、

「この会社、大丈夫なのか?」

と思われるかもしれない。

それも怖かった。

だから、言えない。

本当の数字なんて、もっと言えない

「最近、仕事どう?」

そんな話ならできます。

「コロナで厳しいよ」

それくらいなら言える。

でも、本当の会社の数字は別です。

会社にいくらお金が残っているのか。

銀行からいくら借りているのか。

毎月どれくらいお金が減っているのか。

返済はどうするのか。

そんな話をできる相手なんて、ほとんどいませんでした。

会社には約2億円の銀行借入がありました。

それを友人や経営者仲間に、

「実はさ……」

と話せるか。

僕には無理でした。

外から見える僕と、本当の僕

余計に言いづらかった理由もあったと思います。

僕は、それまで本を出したり、テレビに出たり、講演をしたりしていました。

看板のことや仕事のことを、人前で話すこともありました。

外から見れば、

「うまくやっている人」

に見えていたかもしれません。

でも実際の会社は厳しかった。

その落差を知られるのが嫌だったんだと思います。

あれだけ偉そうに仕事のことを話していたのに。

結局、自分の会社はダメなんじゃないか。

そう思われたくなかった。

だから、ますます隠しました。

隠していると、一人になる

人と会っているときは普通にしている。

でも、会社に戻ると現実があります。

通帳がある。

借金がある。

毎月出ていくお金がある。

仕事が決まるかどうかわからない。

広告も出しました。

問い合わせを待ちました。

大きな仕事が来れば何とかなるかもしれない。

そんなことを考えながら、

「このままだと、やばいかも」

と思っていました。

でも、それを誰にも言わない。

今思うと、かなり孤独だったと思います。

僕が欲しかったのは、答えだけじゃなかった

もちろん、最終的には専門家に相談する必要があります。

僕も弁護士や中小企業活性化協議会に助けてもらいました。

法律や手続きのことは、専門家でなければわかりません。

でも、その前の段階で、

「会社を畳むかもしれない」

「借金がこれだけある」

「家はどうなるんだろう」

「家族にどう話せばいいんだろう」

そんな格好悪い話を、そのままできる相手がいたら。

少し違ったかもしれないな、とは思います。

僕自身、会社を畳んだ経験のある知人にZoomで話を聞いてもらったことがあります。

たった一時間くらいでした。

それでも、経験した人に「自分の場合はこうだった」と話してもらえることには意味がありました。

今になって、そのことがよくわかります。

経営者は、会社の中では一番上です。

だからこそ、

「このままだと、やばいかも」

という一番言いたいことを、意外と誰にも言えない。

僕も、そうでした。
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