「絵の具」って聞くと、皆さんはどんな絵具を思い浮かべますか?
多分、小学生の頃に使っていた水彩絵の具のチューブを思い浮かべられるのではないでしょうか?
もしくは、色鉛筆、クレヨンでしょうか。
あなたが絵を描かれている方だったら、もっと詳しくご存じですよね。
油、水彩、アクリル、パステル等々。
今では、アルコールインクなるものまで出現しています。
いやはや、凄い時代になったものです。
さて、これらの絵の具の色の元って何だか分かりますか?
それは、天然の砂や鉱物を砕いたもの、科学的に合成したもの等々です。
これを「顔料」といいます。
この顔料はさらさらで、そのままではキャンバスや紙にくっつきません。
なので、この顔料に糊を混ぜ合わせます。
これが絵の具です。
油絵の具は顔料に油を練り込んだもの。
水彩絵の具は、顔料にアラビアゴムを練り込んだもの。
日本画で使われる岩絵の具は顔料そのままですので、膠を定着材として都度混ぜ合わせて使用します。
現代の私たちは、絵の具といえばチューブ入りを想像しますが、その昔は画家自身やその弟子たちが顔料と糊を練って絵具をその都度作っていました。
大変な作業です。
錫(すず)製のチューブが発明されたのが、1841年。
それまでは絵具の保存容器として、豚の膀胱を使っていたりしていました。
昔は、絵を描くのも一苦労だったんですね。
さて私はといえば、水彩画を中心に制作していますが、油絵具でもアクリル絵の具でも描いたりします。
油の重厚さやアクリルの強固性も好きなのですが、私には水彩が向いているのでしょう。
厚めの水彩紙に水をたっぷりと引き、絵具を流し込んでいくときの高揚感。
隣り合った絵具が混ざり合う瞬間。
乾いた後の下の色が透ける透明感。
上書き不可で失敗のできない画材ゆえの緊張感。
それやこれやが、私の性格に合っているんでしょう。
なので、私の描く肖像画や風景も水彩画がメインとなっています。
まあ、絵画というものは、どんな絵具を使うかでその良し悪しが決まるものではなく、技術が優れているから良いというものではありませんね。
作家の思いが一枚の絵にどれだけ込められているか、これが大事なんだと思うのです。
と、自分に言い聞かせて、一枚一枚、思いを込めて制作しています。
2024年8月31日