こんにちは。中級食品表示診断士のRiilyです。
市販のお菓子の原材料名で、「小麦粉(国内製造)」という書き方を見たことはありませんか。これは「原料原産地表示」というルールによるものです。
2022年4月から、国内で作られる加工食品には、この表示が必要になりました。手作りのお菓子やジャムも同じです。この記事では、どの原材料に、何を書けばいいのかを整理します。
書くのは「いちばん重い原材料」
原料原産地を書くのは、原材料の中でいちばん重いもの(重さの割合が1位の原材料)です。クッキーなら小麦粉、いちごジャムならいちご、ということが多いと思います。
・水と、ベーキングパウダーなどの添加物は数えません。それ以外の原材料の中で、いちばん重いものに書きます
・1位の原材料が同じ重さで2つ以上あるときは、その全部に書きます
・2位以下の原材料に書くのは自由です(書かなくてもかまいません)
「そのままの原材料」か「加工品」かで書き方が変わる
いちばん重い原材料が何かによって、書く内容が変わります。
・いちご、りんご、さつまいもなど、そのままの原材料のとき
→ とれた場所(産地)を書きます。国産なら「国産」、輸入なら国の名前です。国産は都道府県名などでも書けます。
例:いちご(国産)、りんご(青森県)
・小麦粉、砂糖、バター、チョコレートなど、加工品の原材料のとき
→ その原材料が作られた国を「○○製造」と書きます。
例:小麦粉(国内製造)、バター(国内製造)
「国内製造」は、小麦の産地ではない
ここがいちばんまちがえやすいところです。「小麦粉(国内製造)」は、「小麦粉を日本の工場で作った」という意味です。小麦が日本でとれた、という意味ではありません。
そのため、加工品に「小麦粉(国産)」と国の名前だけを書くのは不適切とされています。小麦がとれた場所だと受け取られてしまうからです。また、「国内加工」のように「加工」という言葉も使えません。
小麦粉の袋の表示などで、小麦の産地まで客観的に確かめられる場合は、「小麦粉(小麦(国産))」のように、元の原材料の産地を書くこともできます。
2か国以上のものを混ぜたとき
産地や製造地が2か国以上あるときは、重い順に並べて書きます。3か国以上なら、重い順に2か国以上を書いて、残りを「その他」とすることもできます。
例:りんご(ニュージーランド、国産)
どこを見れば分かる?
仕入れた原材料の袋や、業務用の材料なら規格書で確かめます。輸入品の食品には「原産国名」が書かれているので、市販の小麦粉の袋に原産国名がなければ、国内で作られた小麦粉です。袋に小麦の産地まで書かれていれば、それを使って小麦の産地を書くこともできます。分からないときは、仕入れ先に聞いてみてください。
仕入れ先や産地が変わったら、ラベルも書き直します。「A国又はB国」のような書き方は、1年分の使用記録などの条件がそろったときだけ使える例外です。
書き方の例
・クッキー
原材料名:小麦粉(国内製造)、バター、砂糖、卵/ベーキングパウダー、(一部に小麦・卵・乳成分を含む)
・いちごジャム
原材料名:いちご(国産)、砂糖、レモン果汁
いちごより砂糖のほうが多いレシピなら、原産地を書くのはいちごではなく砂糖です。砂糖は加工品なので、「○○製造」と書きます。
原材料名の欄に括弧で書くほか、「原料原産地名」という欄を別に作って書く方法もあります。
書かなくていい場合
・作った場所でそのまま売る(工房やお店の店頭など、同じ施設・敷地の中で作って売る)
・包装しないで売る
・ラベルを貼れる面積が30平方センチメートル以下の小さな包装
マルシェやイベントのように、作った場所とは別の場所で売るときは、「作った場所で売る」には当たりません。
まとめ
・原料原産地は、いちばん重い原材料に書く(水・添加物は数えない)
・そのままの原材料は産地を、加工品は「○○製造」を書く
・「小麦粉(国内製造)」は小麦粉を日本で作ったという意味で、小麦の産地ではない
・2か国以上なら重い順に書く
・作った場所で売る、包装しない、30平方センチメートル以下の包装なら書かなくてよい
原料原産地は、仕入れた材料によって答えが変わるので、迷いやすいところです。ラベルの作成やチェックのときに、材料の袋の写真を送っていただければ、あわせて確認します。購入前の相談は無料です。
作ったラベルを確認してほしい方は、こちらもどうぞ。