「縫い代1cm」を英語でどう伝える?海外工場に通じる仕様書の書き方

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海外の縫製工場に仕様書を送るとき、「縫い代1cm」をそのまま「sewing margin 1cm」と書いてしまうケースをよく見ます。意味は何となく伝わるかもしれませんが、現場の職人は首をかしげます。正しくは「seam allowance」。「1cm seam allowance」または「S/A 1cm」と書けば、どの国の工場でも一発で通じます。
私はアパレル製造会社(東京・OEM/ODM)を経営しており、海外工場とのやり取りを30年近く続けてきました。最近は自社の翻訳や仕様書作成をAIで下訳し、人が全文検品する形で実運用しています。その中で「日本語の縫製用語は、直訳すると通じない」ことを何度も痛感してきました。
■ よくある誤訳
・「縫い代」→ sewing margin(×)/ seam allowance(○)
・「縫い代を割る」→ open the margin(×)/ press the seam open(○)
・「縫い代を片側に倒す」→ fold to one side(△)/ press the seam allowance to one side(○)
・「縫い代の始末」→ finish the margin(×)/ seam finishing(○)。ロック始末なら overlock(英)/ serge(米)と使い分けます。
特に「割る」「倒す」は、日本語では動作をイメージしやすい言葉ですが、英語では「press」を軸にした言い回しが標準です。ここを「fold」「open」で書くと、縫った後にアイロンで割るのか、縫い方そのものを変えるのか、工場側は判断に迷います。
■ 伝わる書き方のコツ
1. 数値は必ず単位付きで(1cm / 3/8")。海外ではインチ指定の工場も多いので、cmで統一するなら「All measurements in cm」を冒頭に一行入れます。
2. 縫い代の幅が場所で変わるなら、パーツごとに列挙する。「裾は3cm、他は1cm」なら「Hem: 3cm S/A, all other seams: 1cm S/A」。
3. 略語は初回に正式名称を添える。「S/A (seam allowance)」と一度書いておけば、以降はS/Aで通じます。
■ 締めに
仕様書の英語は「上手な英語」である必要はありません。工場の職人が迷わず手を動かせる、誤解の余地がない英語であることがすべてです。逆に言えば、辞書的に正しい単語でも現場で使われていなければ意味がありません。
製造業・アパレルの英文仕様書や工場とのやり取りの翻訳は、プロフィールの出品サービスから承っています。次回は「Made in Japanと書く前に確認すること」を書く予定です。
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