都合のいい情報しか聞かない私・・・

都合のいい情報しか聞かない私・・・

記事
小説
タイトル: 便利な情報だけを求めて

ある日のことである。普段から私は、都合のいい情報しか耳にしないタイプだった。この癖はちょっとした注意力不足から来ているのかもしれないが、自分自身でもちょっと情けなく思ったりする。

「ねえ、今日の天気はどう?」と友人から聞かれた。私は完全に無意識のうちにこたえた。「うん、晴れって聞いたよ!」難しいことは考えたくなかった。



その後、ふと外を見ると、厚い雲に覆われた空が目に入った。「あれ、晴れてなかったかな?」思わず自分の耳を疑った。

次の日、また友人と話していると、政治についての話題になった。「最近のニュース、知ってる?」と質問されたが、私の頭の中には「聞きたいのは楽しいことだけ」というフィルターがかかっていた。



「う~ん、あんまり見てないけど、○○が面白いって聞いたよ!」心の中では、実際の問題を避けたい気持ちがぬぐえない。その時、友人が「でも、大事なことを知っておかないと後で困るよ」と教えてくれた。その言葉は、一瞬だけ頭に響く。しかし、数分後には、すっかり忘れてしまう。

そんな調子で過ごしていると、やがて日常生活は当たり障りのない情報だけで満ちていた。SNSでは「友達が旅行に行った」とか「この新しいカフェがオープンした」といった、気軽に楽しめる情報ばかりが流れてくる。私のフィルターは息を吹き返したかのように、興味の赴くままに情報を選り好みしていた。



ある日、ふとした瞬間に気づいた。この選択的な情報受信が、自分をますます狭い世界に閉じ込めているかもしれないと。それからの私は、少しずつですが、耳を傾ける範囲を広げることにした。難しい話に挑戦し、知らないことを学ぼうとする努力を始めた。

もちろん、すべての情報が楽しいものではない。しかし、その中に隠れた宝物のような価値のある情報に出会えることを知ってしまった。我を忘れていたあのころより、ずいぶんと新しい発見があったのだ。



そう気づいた今、それでもまだ私のフィルターは完全に取れていないけれど、少しずつ心のドアを開けていこうと思う。都合のいい情報だけではなく、人生の全ての色に触れてみたいのだ。

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