父の法定相続情報一覧図を長女が申出。母と兄の委任状は必要?

父の法定相続情報一覧図を長女が申出。母と兄の委任状は必要?

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法律・税務・士業全般
「父の相続手続きは、近くに住んでいる私が進めようと思います。母と兄から委任状をもらっておけばよいのでしょうか」

家族の中で手続きを担当する人が決まっても、その人が「申出人」になるのか「代理人」になるのかで、準備する書類は変わります。

今回は、父を亡くした長女が法定相続情報一覧図を準備する場面を考えてみます。

※以下は制度を説明するための架空のモデルケースです。実際のご相談事例ではありません。

【今回の家族】
亡くなった父の相続人は、母と長男・長女の3人。
母は長女の近くに暮らし、長男は遠方に住んでいます。
遺言書はなく、これから家族で遺産の分け方を話し合う予定です。

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■ 1.兄に委任状を送る前に、申出人を決める

父の書類を整理していた長女は、複数の銀行の通帳を見つけました。相続関係を示す書類として使える法定相続情報一覧図を用意しようと考えます。

母は窓口へ出向くことに負担を感じています。兄もすぐには帰省できません。

「二人の代わりに私が動くのだから、まずは委任状を送らないと」

ここで確認したいのは、長女自身も父の相続人だという点です。

法定相続情報一覧図の申出は、相続人の一人からできます。長女が自分を申出人として手続きをするなら、この申出のために母と兄の委任状を集める必要はありません。

この場合、申出書の「申出人」は長女です。長女が自分で手続きをするため、代理人を立てる必要もありません。

家族の手続きを担当することが、そのまま「家族全員の代理人になること」を意味するわけではないのです。

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■ 2.長女が申出人でも、母と兄の戸籍は確認する

申出人が決まり、長女は手元の戸籍を並べました。

「私が申出人なら、父と私の戸籍だけで足りる?」

ここは委任状と分けて考えます。法定相続情報一覧図には、戸籍から確認できる父の相続関係を記載します。この家族では、母と兄も確認する必要があります。

基本となる資料は次のとおりです。

・父の出生から死亡までつながる戸籍謄本・除籍謄本等
・父の住民票の除票
・母と長男・長女の現在の戸籍謄本または抄本
・申出人である長女の氏名と住所を確認できる公的書類

相続人の戸籍は、父が亡くなった日以後の証明日のものを用意します。複数の相続人が同じ戸籍に記載されている場合、同じ戸籍を人数分そろえる必要はありません。

父の住民票の除票が取得できない場合や、法定相続情報一覧図に相続人の住所も記載する場合などは、追加で必要となる資料を確認します。

長女はまず「今ある戸籍で分かること」と「まだ確認できないこと」を分けて整理することにしました。委任状が不要でも、相続関係を確認する資料は必要です。

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■ 3.母を申出人にするなら、長女は代理人になる

一方、母を申出人とし、母から依頼を受けて長女が手続きをする方法もあります。

申出人:母
代理人:長女

この方法では、母から長女への委任状が必要です。親族として代理するため、母と長女の親族関係を確認できる戸籍も必要ですが、ほかの提出戸籍で確認できる場合は追加する必要はありません。

「配偶者である母が申出人にならなければならない」という決まりはありません。

長女自身を申出人にするのか、母を申出人にして長女が代理するのか。先にここを決めると、誰から何の書類を用意してもらうかが整理できます。

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■ 4.書類を準備する担当者と、遺産の分け方を決める人は別

長女は母と兄に、次のように伝えることにしました。

「私の名前で法定相続情報一覧図の申出を進めるね。これは相続人が誰かを示す書類だから、預金をどう分けるかは3人で相談しよう」

長女が申出人になっても、父の預金を一人で分けたり、母と兄の代わりに遺産分割の内容を決めたりする権限が生じるわけではありません。

この事例で遺産分割協議をする場合は、母と長男・長女の3人で話し合います。銀行での払戻しに必要な書類も、申出とは別に確認します。

最初に家族へ「今は相続関係を示す書類を整える段階」と伝えておくと、手続きの担当と財産の分け方を混同せずに進められます。

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■ 誰を申出人にするか迷ったら

当事務所では、法定相続情報一覧図の作成と法務局への申出をお引き受けしています。

書類作成のご依頼を受けて相続人を確認し、必要な戸籍を調べます。不足がある場合は、受任した書類作成業務に必要な範囲で取り寄せを進めます。

「自分が申出人になれるのか」
「手元の戸籍で足りるのか」

準備の段階からご相談いただけます。亡くなった方とのご関係、手続きを担当する予定の方、現在そろっている書類をココナラのメッセージでお知らせください。

ことぶき行政書士事務所
行政書士 堀部 晶子
東京都行政書士会所属 登録番号 第18081890号

※相続登記の申請は司法書士、相続税の申告は税理士にご相談ください。相続人間の争いに関する交渉や紛争対応は弁護士にご相談ください。
※令和8年9月時点の制度に基づく一般的な説明です。個別の状況により必要な手続きや書類は異なります。

参考:法務局「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」「STEP1 必要書類の収集」、札幌法務局「法定相続情報証明制度」について。

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