心理学で読み解く「自分の心の動き」

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コラム

何気ない言葉が、行動を変えることがある。

先日、私は自分のnoteに、温泉旅行を夢見る一人の女性の物語を書きました。

きっかけは、何気なく頭に浮かんだ「五臓六腑にしみわたる」という言葉。

温泉に浸かって「ああ、極楽、極楽……」とため息をつく。

おいしい日本酒を味わう。

そんな情景を想像しているうちに、私はすっかり温泉旅行に行きたくなってしまったのです。

ところが、現実はそう甘くありません。

引っ越しをしたばかりで、自由に使えるお金には限りがあります。今すぐ旅行に出かけるのは難しい状況でした。

それでも、温泉について調べたり、銘酒を探したり、旅行先を想像したりする時間は楽しい。

そして最後には、旅行資金を貯めるために貯金箱を買おうと思い立ちました。

……旅行に行きたいと思った結果、まず貯金箱を買いに行こうとしているのです(笑)。

この一連の出来事を振り返ってみると、私自身の心の動きについて、いくつかの心理学的な視点から考えることができました。

1.言葉が感情を動かし、想像が広がる


私の行動の始まりは、温泉でも日本酒でもありませんでした。

たった一つの言葉です。

「五臓六腑にしみわたる」という表現から、温泉の心地よさや、おいしいお酒を味わう幸福感を想像しました。

心理学では、言葉や記憶、イメージなどが感情に影響を与えることがあります。

例えば、好きな音楽を聴いて懐かしい記憶がよみがえったり、旅行の写真を見て自分も出かけたくなったりする経験はないでしょうか。

実際にその場にいなくても、私たちは想像を通して感情を動かされることがあります。

私の場合、言葉から温泉旅行の情景が広がり、その情景が「行ってみたい」という気持ちにつながりました。

ここで大切なのは、同じ言葉を見聞きしても、心の動き方は人によって違うということです。

その人が何に魅力を感じ、どんな経験をしてきたのかによって、思い浮かぶ情景も感情も変わります。

自分がどんな言葉に心を動かされるのかを知ることは、自分の価値観を理解する手がかりになるのかもしれません。

2.「できない」で終わらず、楽しみ方を見つける


温泉旅行に行きたい。

でも、今すぐには行けない。

この二つは、私にとってどちらも現実です。

そこで私は、旅行を諦める代わりに、インターネットで温泉や日本酒について調べることにしました。

すると、実際に旅行をしていなくても、行き先を探したり、銘酒を知ったりする時間そのものが楽しくなってきたのです。

心理学には、状況に応じて考え方や行動を切り替える「認知的柔軟性」という概念があります。

目標を持ちながらも、現在の状況に合わせて方法を変えていく力です。

もちろん、すべての願望に対して別の楽しみ方が見つかるわけではありません。

また、現実を変えるために行動することが必要な場面もあります。

それでも、すぐには実現できないことに対して、「今の自分にできることは何だろう?」と考えることは、行動の選択肢を増やすきっかけになります。

私の場合は、旅行そのものを楽しむ未来だけでなく、旅行について調べる現在にも楽しみを見つけることができました。

目標に向かう道のりにも、自分なりの楽しみを見つけられる。

それも一つの大切な視点だと感じています。

3.楽しさが、次の行動につながる


最初は、ただ温泉旅行を想像していただけでした。

しかし、調べているうちに、行きたい場所が見つかり、飲んでみたいお酒が見つかり、いつか実現したいという気持ちが具体的になっていきました。

そして、旅行資金を貯めるという行動につながりました。

ここでは、目標設定と動機づけの視点から考えることができます。

「いつか旅行に行きたい」という漠然とした願望だけでは、具体的に何をすればよいのかが見えにくいことがあります。

一方で、行き先を調べる、必要な費用を考える、少しずつお金を貯めるといった行動に分けると、実現までの道筋が見えやすくなります。

大きな目標を小さな行動に分けることで、最初の一歩を踏み出しやすくなるのです。

私の場合、その一歩が貯金箱を買うことだったわけです。

旅行に行くという目標から考えると、小さな行動かもしれません。

でも、目標に向けて自分ができることを考え、実際の行動に移そうとしている点には意味があります。

自分の心が何を求めているのかを知り、それを実現するために何ができるのかを考える。

自己理解は、自分の気持ちを知るだけでなく、次の行動を考えることにもつながるのではないでしょうか。

4.自分を分析するときは、決めつけない


今回の出来事から、私は「自分は想像することが好きなのだな」「目標に向かって調べる過程も楽しめるのだな」と振り返ることができました。

ただし、ここで気をつけたいことがあります。

一つの出来事だけで、その人の性格や心理を断定することはできません。

例えば、旅行について調べることが楽しいからといって、必ずしも計画的な性格だとは限りません。

貯金箱を買おうと思ったからといって、必ず目標達成が得意だとも言い切れません。

心理学的な自己分析は、誰かに性格を判定してもらい、その結果を自分のすべてだと思い込むことではないと私は考えています。

大切なのは、自分の行動や感情を振り返り、そこにどのような傾向があるのかを考えること。

そして、別の場面でも同じ傾向が見られるのか、自分にとって役立つ部分はどこなのかを確かめていくことです。

自分を理解することは、自分を一つの型にはめることではありません。

自分のことを知りながら、新しい一面にも気づいていくことなのだと思います。

5.あなたは、自分の心の動きを知っていますか?


何かをしたくなったとき。

嬉しかったとき。

思いどおりにならなかったとき。

そんな日常の出来事の中にも、自分を知るヒントは隠れています。

例えば、こんなことを考えてみてはいかがでしょうか。

* どんな言葉や出来事に心を動かされるのか。
* 何をしているときに、時間を忘れるほど夢中になるのか。
* 思いどおりにならないとき、どのように考え、行動するのか。
* 自分にとって、本当に大切なものは何なのか。
* 今の自分にできることは何なのか。

すぐに答えが出なくても構いません。

自分の心の動きを振り返ること自体が、自己理解の第一歩になります。

私は、心理学を通して人の心について学ぶと同時に、自分自身の考え方や行動についても振り返っています。

人の心は複雑です。

だからこそ、簡単に決めつけず、一つひとつの出来事を丁寧に見つめていきたいと思っています。

そして、いつか本当に温泉に浸かり、おいしい日本酒を味わいながら、あのとき思い描いた幸福を実感したいものです。

その日まで、まずは貯金箱から。

……さて、どんな貯金箱を買おうかな(笑)。

自分の心の動きを知ることは、自分らしい選択を考えるための手がかりになります。

あなた自身の考え方や行動について、少し立ち止まって振り返ってみませんか。

参考エッセイ(noteより pimenyanmix おりちゃ)
【実録】五臓六腑にしみわたるような名湯に浸かりたい女の物語

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