「うちの商材を、知り合いの企業が紹介してくれるって。でも…ちゃんと契約書作った方がいいのかな?」
そんな相談から始まった、今回のご依頼。
事業が広がるとともに「人にお願いする場面」が増えますが、その“お願い”が後々トラブルにならないための土台が契約書です。
📚 ご相談内容:「紹介の仕組みをつくる契約書が必要です」
今回のご相談者様は、自社で提供しているさまざまなサービスを「パートナーに紹介してもらう仕組み」を整備しようとしていました。
扱っていたのはこんな商品群です:
ホームページ制作と保守管理
LINE予約システムの初期設定
チラシ・看板などのデザイン・印刷
店舗の内装・外観の施工
口コミ促進ツールの導入支援 など
これらの商材を、パートナー企業(以下「乙」)が第三者に紹介し、成約に至った場合に紹介手数料を支払う──そんな流れを、業務委託契約としてきちんと明文化したいというご希望でした。
💡 たとえば、こんな事業者様に…
地域密着型の工務店さんが、他業種と連携して施工案件を紹介し合いたい
デザイン会社が、自社の顧客に他社のITサービスを紹介して成約すると報酬を得られる仕組みにしたい
店舗経営者が、知人経由で新規顧客を獲得する場合に「条件をしっかり決めておきたい」
こういったケースに、今回の契約書はぴったりです。
✍️ ポイント①:業務の範囲と対象商品は“分けて”管理
まず大切なのは、「何を委託するのか」と「どの商品が対象なのか」を、きっちり分けて整理すること。
本件では以下のように設計しました:
第1条:「申込手続きに関する業務」を乙に委託
第2条:対象商品は別紙(条件表)で管理し、都度更新可
これにより、「契約書は1つで使い回しができる」「商品が変わっても契約書を書き直さなくてよい」など、運用性の高い構成になっています。
💬 会話風の補足: 「新しい商材を増やしたときって、また契約書つくるの?」
→いいえ、条件表だけ差し替えればOKなように設計できます!
💰 ポイント②:紹介報酬が発生する“ルール”を明文化
報酬が絡む契約で最も重要なのは、「何をもって対象となるか」「いつ・どう報告すればいいか」。
本件ではこんな風に整理しました:
報酬が発生するのは、獲得月中に所定の方法で報告された案件のみ
月をまたいだ報告、遅延した案件は対象外
条件表の発行後、20日以上紹介がなければ条件は失効
このように、時間と手続きのルールをはっきり決めておくことが、双方にとっての安心につながります。
📝 補足: 「紹介はしたけど、報告忘れてて…それでも報酬もらえますよね?」 →こういう曖昧さを防ぐのが、契約書の役割なんです。
❌ ポイント③:トラブル防止の“禁止行為”を明文化
紹介者が問題のある説明や行動をすると、提供元である「甲」の信用が傷つく可能性も。
そのため、以下のような禁止行為を第6条でしっかり明記しました:
虚偽・誤解を招く説明での勧誘
許可のない街頭イベント・ブース販売
苦情が発生し、甲の信用を損なうような行為
顧客情報の第三者提供
再委託の原則禁止(第9条)
📌 注意: 情報漏洩や不適切な営業が発生した際には、甲は損害を受けます。 そのリスクを事前に契約書でコントロールすることが必要です。
⛔ ポイント④:終了・解除のルールは柔軟かつ公正に
契約は、始まるときだけでなく「終わるときのルール」も重要です。
この契約書では、以下の点を丁寧に整理しました:
3か月前の書面通知で解約可(第13条)
3か月間の実績なしで契約終了の可能性あり
契約違反・信用毀損があれば、予告なし解除が可能
終了時は相互に債務精算を行う
💬 会話風補足: 「紹介がしばらく止まっていて…契約どうなる?」 →実績がない期間が続いた場合、自然と終了できるようになっています。
🧱 その他の重要ポイント(要チェック!)
契約書の安全性を高めるため、以下の点も整備済みです:
守秘義務条項(終了後も10年間)
損害賠償責任の明記(弁護士費用含む)
契約期間と自動更新ルール
反社会的勢力の排除条項
合意管轄の明記(万が一の訴訟時の場所)
✅ まとめ:紹介は信頼、信頼は契約で守る
紹介ビジネスは、信頼がすべて。
その信頼を守るためには、最初に「ルール」を明確にしておくことが何より大切です。
今回の契約では、業務範囲、報酬条件、情報管理、契約終了ルールに至るまで、「実務で本当に使える内容」に整理されており、まさに“安心の型”が完成したといえるでしょう。
アトラス行政書士法人では、紹介ビジネス・パートナーシップ契約のように「関係性が大切な契約」の整備を多数手がけています。
「お願いベース」で進んでいる紹介や提携を、“トラブルにならない形”に整えたい。
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。