キャリアの歩み方|ロマンの、在り処

キャリアの歩み方|ロマンの、在り処

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おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「ロマンの、在り処」についてです。

「これって、どういうことだろう」。そんな疑問が浮かんだとき、今は、生成AIに尋ねれば、ほとんどの場合、すぐに答えが返ってきます。けれど、その答えに出会うまでの時間を、あえて引き延ばしたくなることもあります。じっくり粘り強く考察して、謎が解けた瞬間の閃き、あの「ロマン」という感覚は、今どこに行ってしまったのでしょうか。

ウォーラスが見つけた、創造の順路

皆様、何かを創造するときには一連の流れのようなものがあることをご存じですか?イギリスの社会心理学者グレアム・ウォーラスは、1926年の著書『思考の技法』の中で、創造のプロセスを、準備・培養・発現・検証という4つの段階として示しました。準備とは、問題をあらゆる角度から検討し、必要な材料を集める、意識的な段階です。培養とは、その問題から、いったん意識的に離れる段階を指します。ウォーラスは、この間も、無意識のうちに何かが働き続けていると述べています。そして、発現とは、一連の連想を経て、考えが突然ひらめく段階です。ウォーラスは、この発現を、意志の力で直接起こすことはできないとも述べています。最後の検証では、ひらめいた考えを、規律や注意、意志をもって、実際に確かな形へと仕上げていきます。

生成AIが短縮してくれる時間とは?

一方で、生成AIは、私たちが時間をかけて探していた答えを、すぐに提示してくれます。創造のプロセスに照らしてみると、生成AIは、答えを探すための準備にかかる時間を、大きく短縮してくれる存在だと言えるかもしれません。だとすれば、その先にあったはずの培養や発現の時間は、私たちにとって、もう必要のないものになったのでしょうか。

ウォーラスのいう培養は、問題から意識的に離れている時間のことでした。ただ、私自身がロマンを感じるのは、その培養の時間だけでなく、答えが出ないまま、問いをそっと抱え続けている時間にもあるのだと思っています。

おわりに

生成AIは、この培養の時間を飛び越えて、答えをすぐに差し出してくれます。その速さに、時としてこれからも助けられることはあるでしょう。けれど、便利さを受け入れながらも、私は「答えを得ること」だけをゴールにしたくありません。AIから答えをもらった後もあえて立ち止まり、自分で考え続ける時間を大切にしたいのです。

目に見えない試行錯誤のプロセスにこそ価値があり、その過程で生まれる葛藤やひらめきを、これからも人生の中で大切に育んでいきたいと思います。そして、自分の人生に「ロマン」という灯をずっと灯し続けていこうと思います。

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出典
・Wallas, G. (1926). The Art of Thought. London: Jonathan Cape.
・グレアム・ウォーラス(松本剛史訳)『思考の技法』筑摩書房(ちくま学芸文庫)
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