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弁護士検索・法律Q&A(法律相談)

───エピジェネティクスって、なんですか?
聞いたことがない言葉なので、分かりやすく教えてください。
困ったなあ。エピジェネティクスを皆さんに分かりやすく説明するのは、とてもたいへんです。まぁ精一杯がんばって、説明してみましょうか。
私たちのからだは、精子と卵子でつくられる受精卵が分化して、眼や腕や心臓などの細胞が形づくられていて、どんな細胞をつくるかは遺伝子によって決まります。どの細胞も基本的には同じ遺伝情報を持っているのに、それぞれ別々の細胞になるのはなぜか。それぞれの細胞で使われる遺伝子と使われない遺伝子が決まっているからです。そして、それぞれの細胞には、使われる遺伝子と使われない遺伝子に、ある種の目印がついています。これが「エピジェネティクス制御」です。
───その目印ってどのようなものなんですか?
エピジェネティクス制御には2種類あって、DNAを核の中に巻き取っているヒストンというタンパク質に目印をつける場合と、DNAをメチル化することによって目印をつける場合がある
───エピジェネティクスによって遺伝子の働きが制御されるということは、どんな意味を持つのですか。
DNAのメチル化は、不必要な遺伝子を働かせないようにして、それぞれの細胞をつくり出し、私たちのからだを正常に保つ働きをしています。けれども、DNAのメチル化が異常を起こすと、それぞれの細胞にとって必要な遺伝子の働きを阻害したり、抑制されなければならない遺伝子を促進してしまう場合が出てきます。
たとえば、がんの細胞を採取するとDNAのメチル化に異常があることが分かっています。がんはがんを抑制する遺伝子の働きによって防がれているのですが、たとえば、メチル化の異常によってがん抑制遺伝子が働かなくなり、発がんするケースもあります。このような場合は、エピジェネティクス状態を制御する薬剤によってDNAのメチル化を正常化することができれば、がんを治療することも可能になると考えられているのです。
このほか、先天性疾患や統合失調症、生活習慣病などの後天性疾患、老化の制御などでもエピジェネティクス制御がかかわっているとの報告があります。ただ、まだエピジェネティクスに関しては、その輪郭と重要性は分かっていて、そこに大きな科学的な意味のある大陸が横たわっていることは間違いないのですが、その大陸の内部に何があるのか分からない、そんな状況なんですね。
エピジェネティクス状態を制御する薬剤によってDNAのメチル化を正常化することができれば、がんを治療することも可能になる