カウンセリングをしていると、
「この人はものすごく頑張ってきたんだな」と
思うことがよくあります。
親から十分愛されてこなかったのに、一生懸命親を理解し、愛そうとしている人。
自分の今の感情も分からなくなってしまうほど、いろんなことを我慢して、耐えてきた人。
身体を壊すほどハードワークをしてきているのに、尚も働き続けようとする人。
「カウンセリングは、もともと真面目な人がもっと真面目になろうとして来る場所」
なんて言葉もあるぐらい、まじめで一生懸命な努力家が多いです。
「自分はすごく頑張ってきて、今ヘトヘトです」
という自覚がある人はいいのですが、
自分がどれほどがんばっているか、自覚がない人たちも沢山います。
擦り切れそうなぐらいがんばってきて、でも自覚がないので、
「なんだか調子が悪い」
「最近何をしても楽しくない」
といった理由でいらっしゃることが多いです。
がんばっている自覚があるかないかを見分ける質問として、
「とても頑張ってこられたんですね」
と聞くときがあります。
我ながら頑張ってきた!
頑張ってきたことをそろそろ認めても良いのかも。
こう感じている人は、
「(少し照れた様子や、うれしそうに)そうなんですかね…」
「ありがとうございます」
と言いながら、ほっとした様子で笑顔を見せられることが多いと感じます。
こちらの承認(誉め言葉)を、ちゃんと受け取ることができているんですよね。
一方、自分が頑張ってきている自覚がない人の場合は、
「いやあ…」
「(無表情か、ぼんやりとした感じの表情で)そうなんですかね…」
「そんなことないです」
「他にもっとがんばっている人いるし…」
「大した事はしてないんですけど…」
「ありがとうございます、でも、これぐらい出来て普通かな…」
こんな反応がかえってくることが多いと思います。
誉め言葉を素直に受け取れない、
受け取ったように見せているけどどこかで否定している感じ。
そして、周りと比較し、せっかく積み上げてきた努力も無に帰そうとしている印象を
受ける反応だと思いませんか?
「とにかく頑張れ」「そんなことでどうする」と叱咤されることが多かったり、
「Xちゃんはもっと出来るのに」と比較されたりしてきたら、
頑張っていることを素直に認められなくなるのも当然ですよね。
でも、それを続けると
「なんだか調子が悪い」
「最近何をしても楽しくない」
ということが増えてくるんです。
「謙遜は美徳」とする日本的精神も悪いものではないかもしれませんが、
自分の調子を崩してまで大事にするべき美徳でしょうか。
褒められたら、とりあえず「ありがとう」と受け取ってみるところから
始めるのはどうでしょう。