第三者にアカウントを乗っ取られ、ようやく取り戻したと思った矢先に「コミュニティ規定に違反している」として永久停止されてしまう——。実際にこのような経緯をたどったInstagramアカウントについて、当事務所のサポートにより、停止されていた2つのアカウントがいずれも復活した事例をご紹介します。
■ ご相談の概要
今回ご相談いただいたのは、第三者による不正アクセス(いわゆる乗っ取り・ハッキング)の被害を受けた2つのInstagramアカウントに関するケースです。1つは愛犬の成長記録、もう1つは飲食店を紹介するアカウントで、いずれもごく日常的で健全な内容を発信していました。
ある日、第三者の不正アクセスによってログインできなくなり、アカウントの登録情報まで勝手に書き換えられてしまいました。その後、本人確認などを経て一度はログインを取り戻したものの、今度はMeta社(Instagram)側から「コミュニティ規定に違反している」として停止措置を受け、最終的に永久停止と通知される事態に至りました。
そこで当事務所にご相談いただき、米国のMeta社宛に異議申立書(アカウント停止解除申請書)を作成し、米国内から配達記録の残る書留郵便で発送したところ、発送から数週間で2つのアカウントがいずれも復活しました。
乗っ取り被害でアカウント停止のイラスト(画像を入れたらこの行は削除してください)
■ なぜ「被害者」のアカウントが停止されてしまうのか
乗っ取り被害を受けたアカウントでは、不正アクセスの期間中に、第三者によって本人が意図しない操作(ログイン場所の変化、登録情報の書き換え、不審な投稿やアクセスなど)が行われています。Meta社はこうした不審なアクティビティを自動検出する仕組みを持っていますが、その記録がアカウントの信用評価に悪影響として残ってしまうことがあります。
問題は、自動検出システムが「不審な操作をしたのは乗っ取り犯であって、本来の所有者ではない」という区別を必ずしも正確に行えない点にあります。その結果、被害者本人が正規にログインを取り戻した後も、過去の不正操作が「本人による違反」と誤認識され続け、通常の利用をきっかけに繰り返し停止判定が下されてしまうケースが想定されます。
■ 自動判定の「不整合」を示す3つの事実
1. 同じ身分証明書で、一方は認証・他方は拒絶
本人確認の際、2つのアカウントに同一の運転免許証を提出したにもかかわらず、一方は認証されて回復し、もう一方は認証されませんでした。追加でパスポートを提出しても認証されませんでした。
2. Meta社自身が「誤りだった」と2度謝罪している
停止に対して異議を申し立てた際、「審査の結果、規定に沿っていることが確認できました」「弊社の誤りによりご利用いただけなかったことをお詫びします」という謝罪文付きの復旧通知が、短期間に2度届いていました。
3. 通常の「いいね」操作だけで再停止
誤りを認めて復旧されたアカウントが、その後ごく当たり前の操作である「いいね」を数回行っただけで、わずか1週間ほどでまた停止されました。同じ利用実態に対して、停止のたびに異なる規定違反が適用されている点も、自動検出の不安定さを示しています。
■ 乗っ取り被害の「証拠」は必ず保全を
今回は、乗っ取り犯によってユーザーネームが書き換えられた際にInstagramから自動送信された「Username changed on Instagram(ユーザーネームが変更されました)」という通知メールが残っていました。これは本人の意思によらない改ざんがあったことを示す客観的な物証になります。停止・復旧の通知画面とあわせて、こうした記録のスクリーンショットは必ず保存しておきましょう。
■ 米国内からの書留郵便による異議申立書の送付
当事務所では、事実関係と規定上の論点を整理した「アカウント停止解除申請書」を作成し、米国のMeta社宛に、米国内から配達記録の残る書留郵便で送付しました。現地(米国内)の郵便として発送することで、海外の名宛先にもより確実に届く形をとっています。あわせて、相手方への到達を記録する配達記録も取得しています。書面では、主に次の点を整理してお伝えしました。
・乗っ取り被害の事実と、その客観的な証拠
・本人にはコミュニティ規定違反がないこと
・自動判定の不整合を示す具体的な事実
・自動判定のみに依拠しない人的な再審査の要請
米国内から書留郵便でMeta社へ送付のイラスト(画像を入れたらこの行は削除してください)
なお、当事務所が行うのは、お客様ご本人の主張を整理した書類(異議申立書・書留郵便物など)の作成・発送の代行です。行政書士はMeta社との交渉や代理は行えません。また、書面の送付により必ず復活することをお約束するものではなく、解除を保証するものではありません。
■ 今回の結果:発送から数週間で2アカウントが復活
書面を発送してから数週間後、停止されていた2つのアカウントがいずれも復活しました。今回は一般的な目安よりも早い段階での復活となりました。半ば諦めかけていた大切なアカウントだったため、ご本人にも大変お喜びいただけたケースです。なお、解除までの期間や結果はケースによって大きく異なり、必ず同じ結果・同じ期間になるとは限りません。
■ 乗っ取り被害で停止された際の注意点
・被害の証拠(変更通知・停止/復旧画面など)を消さずに保全する
・同じ内容の異議申立てを闇雲に繰り返さない
・本人確認書類は鮮明に。同じ書類でも結果が分かれることがある
・諦めて長期間放置しない
■ ご相談について
InstagramをはじめとするSNSの凍結・停止でお困りの方は、ココナラの出品サービスよりお気軽にご相談ください。停止通知や乗っ取り被害の記録のスクリーンショットをもとに、対応の可否や進め方を確認のうえでご案内いたします。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言を構成するものではありません。掲載した事例は実際のご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して再構成したものです。結果は個々の状況により異なります。