新人看護師・看護学生が悩む「患者さんと何を話せばいい?」に、25年の経験の記憶から思うこと

新人看護師・看護学生が悩む「患者さんと何を話せばいい?」に、25年の経験の記憶から思うこと

記事
コラム
 看護の現場でよく聞く悩みがあります。
「患者さんと、何を話せばいいんでしょうか」って。

看護学生さんや新人看護師さんほど、この問いに真剣です。
沈黙が怖い。
変なことを言ったらどうしよう。
会話が続かなかったらどうしよう。

今日たまたま見かけた看護雑誌でも特集が組まれていて、
みんな「正解を探しがちになる。」
そう思います。

 でも、25年現場にいたからこそ思うんです。
会話の正解って、たぶん最初から用意されていない。
それでもコミュニケーションがうまくいく時があるのは、話題が当たったからじゃなくて――
「向き合い方」が伝わった時なんじゃないかって。

 今日は、雑誌の表紙を見て思い出したことを、少し書いてみます。
看護の話なんだけど、最後はなぜかビジネスにもつながった、そんな気づきです。

 看護の雑誌をパラっと見ていたら、表紙に「患者さんと何を話す?」って書いてあって。
 あぁ、これ、看護学生さんとか新人看護師さんがめちゃくちゃ気にするやつだな…って、急に昔を思い出しました。
「患者さんとの会話が苦手で…」
「声かけって何が正解なんですか?」
そんな相談って、今も昔もずっとありますよね。

 でも、現場で私が何をしてたかというと、
「これを聞けば会話がうまくいく」みたいな正解を持っていたわけじゃなくて…

 一応、情報は頭に入れて行ってたんです。覚えれるだけと、看護要約みたいなものまで持って。
 年齢とか、家族構成とか、病気とか、どういう経過で今の状態なのかとか。(特に新人の頃って、とにかく準備しないと不安ですからね)

 ただ、ここが現場の面白いところで。
想定した質問が全部ばっちりハマったことなんて、ほぼほぼないんですよね。
 だって、患者さんって「情報」じゃなくて「人」なんですよ。
表情とか、視線とか、痛みの具合とか、出してる空気感とか。
 紙に書いてない情報の方が、目の前には山ほどある。

 それに、こっちが聞くつもりで行ったのに、
患者さんの方がこちらに興味を持って話しかけてくれることもある。
…もう、ある意味、行き当たりばったり。
でも、その時の流れに上手に乗れた時って、不思議とコミュニケーションがうまくいく。

だから私は、現場で思うようになりました。

100点なんて、そもそも取れない。
患者さんとのコミュニケーションに、答えなんてない。

正解を探しすぎると、苦しくなる。
自分が「うまく話せなかった」って責めたくなる。
でもそれって、裏を返すと
ちゃんと相手のことを考えてるってことなんですよね。

 じゃあ、何が大事なの?って言われたら、
私の答えはこれです。
「どういうスタンスで向き合うか」だけ。
 変に盛り上げようとしなくていい。
上手に返そうとしなくていい。
 まず、目の前の人をそのまま受容し、認める。
そして出てきた言葉をわかりやすく聞きやすく伝える。
それだけで、空気が変わることがある。

 そしてもう一つ。
これは綺麗事じゃなく、現実の話なんですけど
新人の子として向き合うのと、

「終末期・高齢者看護を25年やってきました」って伝えて向き合うのでは、
相手が安心するポイントも、会話の深さも変わります。

 つまり、会話って、
相手がこちらをどう見ているか、でも変わる。

 だからこそ、自分の特徴だったり、
自分がどういう人間かっていうのを、相手に伝えられる人は強い。

…で、ここまで考えて、ふと思ったんです。
これ、ビジネスも一緒だなって。

 相手にちゃんと情報を渡せれば、相手は「何を頼めばいいか」が見えてくる。
 逆に、情報が少ないと、頼みたくても頼めない。

 看護の現場で、私はずっと
「安心して話してもらう土台」を作ってたんだと思います。
 それは、患者さん相手でも、仕事の相手でも、同じ。
 だから私は、看護師をやってた時に、ビジネスに大事なことが全部入ってたんではないかなって、改めて気づきました。

正解を探さなくていい。

100点を目指さなくていい。

目の前の人に向き合う。

それを言葉にする。

それだけで、コミュニケーションはちゃんと前に進むので。
進めば止まらないように進めて行くだけなので、
改めて実践して行こうと思います。

最後に、
もし「患者さんと何を話せばいいかわからない」って悩んでる人がこの記事を読んでくれていたら、
それはセンスがないんじゃなくて、真面目に向き合ってる証拠です。

そして本当に優しい人なんだと思います。

その上で、正解探しを少しだけ手放してみて、広い目線でその場や相手を見るといいと思います。

あなたが居ると助かる人が居る。
その事実も忘れないでくださいね。
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