修繕積立金、今の金額のまま将来も続くと思っていませんか。
先日、中古マンションを検討していた方が、住宅ローンの返済額、つまり金利の上昇だけを心配していました。
最近の金利情勢は不安定ですから、非常によくわかります。
私も若干ビビりながらニュースをみています。。。
でも実際に管理計画書を確認すると、工事費高騰によって修繕積立金がかなり少なくなっていて、値上げはほぼ避けられない状態でした。
しかも収支を見ると、滞納している住戸もあり、それが解決されないまま続いていたんです。
これだと、金利より修繕費の上昇の方が、家計に重くのしかかってくる可能性があるんですね。
今回は修繕積立費について軽くですが私の意見を書こうと思います。
最近の新築マンションは、修繕積立金が軒並み安く設定されています。
数年に一度まとまった一時金を集める形にしたり、直近で大規模修繕がないことを理由に、月々の金額を甘くしているんです。そうすることでマンション購入者に月の負担を安く見せるようにして購買意欲を掻き立ててるんですね。
タワーマンションでも月数千円、という例をよく見ます。
なので買う側も「まだ先のことだから」と、つい判断を甘くしてしまいがちになってしまうんですね。
でも、築年数が経ったマンションを見ると、修繕費が足りているマンションの方がむしろ少数派です。
外壁補修、設備更新、共用部備品更新・・・物価上昇の中、多くの管理組合が難しい判断を迫られているのではないかと予想しますね。
「いずれ下がるのでは」という意見もありますが、物価上昇や労働人口の減少を踏まえると、正直あり得ないと思っているというのが個人的な見解です。
だから、平均を下回っている物件は、必ず徐々に値上げしていく前提で見ておくべきだ、というのが私の考え方です。
■ 修繕積立金はどのくらい上がるのか
「修繕積立金は将来上がります」という話自体は、他の記事でもよく見かけます。
ただ、そのほとんどが「気をつけましょう」で終わっていて、実際どのくらい上がるのか、何を根拠にそう言えるのかまで書いているものは、あまり見かけません。
ここでは、その「どのくらい」の部分を、実際の考え方に沿ってお話しします。
修繕積立金を考える上で重要な指標があります。
「建築工事費」です。
いや、新築マンション建てるのもめちゃくちゃ高いんですよ、最近。
建築工事費の実績を見ると2013年から2025年で約1.6倍、年率にすると約4%も上がっているんですね。
そして工事費がここまで上がり続けている以上、修繕積立金だけがずっと据え置きというのは非常に考えにくいです。
基本的には工事費に比例して毎年約4%ずつ上がっていくものだと考えています。
ただし、際限なく上がり続けるわけでもありません。
多くのマンションで採用されている「段階増額積立方式」(最初は安く、後から段階的に値上げしていく一般的な積み立て方式)の実績を見ると、計画のスタートから最終的な金額までの増え幅は、平均で3.6倍、多いケースでも5.3倍程度に収まっています。
いや、5.3倍って・・・
このペースを超えてまで増え続けるとは考えにくいので、5.3倍を上限として頭打ちがくるだろうなと考えています。
もう一つ、国が示しているガイドラインの中で一番高い水準(430円/㎡・月)に、少し余裕を持たせた金額も、別の上限として置くのがいいと考えます。
この2つの上限のうち、低い方を採用する形です。
さらに、もう一つ大事な補正があります。
今の修繕積立金がガイドラインの目安より低い物件は、先述の通り、最初から意図的に安く設定された計画の途中である可能性が高いです。
こうした物件については、いつも通りのペースではなく、15年かけてガイドラインの平均的な水準まで段階的に追いつくよう、計算の仕方を切り替える必要があります。
最初の設定が甘い物件ほど、将来の値上げ幅は大きくなる、という考え方です。
■ 実際に計算してみた
例えば、70㎡・修繕積立金15,000円のマンションで計算してみます。
この考え方に沿って計算すると、15年後には約27,000円。30年後には上限に達して、約36,000円程度になります。今の1.8倍、2.4倍という水準です。
結構高くなりますよね?
これを楽観視せずに、しっかりと将来の生活費に盛り込んでおく、考慮しておくことも非常に大切なんです。
■ まとめ
修繕積立金は「今の金額」ではなく「将来の金額」で見るべきものだと思っています。
このシミュレーションは、すでにIRODORIマンション相談室に実装済みです。気になる物件があれば、ぜひ一度試してみてください。