「管理費が急に1.5倍になると言われて、正直びっくりしました」。
マンション購入を検討中の方から、こうしたご相談をよくいただきます。
管理費は毎月払い続ける費用なのに、将来どれくらい上がるのか、そもそも今の値上げ幅が妥当なのか、判断材料がほとんどありません。
今回は、一級建築士・宅建士の立場から、管理費の値上がりの仕組みと、購入前でもできる見極め方をお伝えします。
【修繕積立金と管理費は、値上がりの起き方が違います】
修繕積立金は長期修繕計画という事前スケジュールに基づき、管理組合の判断で段階的に増額していきます。
一方、管理費の値上がりは管理組合ではなく管理会社の状況次第で決まり、事前スケジュールもありません。
数年据え置かれた後、契約更新のタイミングでまとまって跳ねる、という不規則な動き方をするのが特徴です。
実際、低層の小規模マンションでこのパターンが目立ちます。
戸数が少ない分、一戸あたりの負担が重くなりやすいためです。
以前ご相談いただいた方は、管理会社から1.5倍近い値上げ要望を受け、「正直、想定外でした」とおっしゃっていました。
物価上昇や人件費高騰を理由に交渉されますが、内訳を単価ベースで確認しても実態が見えにくく、値上げ根拠がブラックボックス化しているケースは少なくありません。
【管理費はどこまで上がりうるか】
管理費の主なコストは、清掃員や管理人といった人件費です。
最低賃金の実績(2013年764円→2024年1,004円、年率約2.5%)を目安にすると、70㎡・管理費12,000円のマンションで、15年後には約17,400円、30年後には約25,200円という水準が一つの基準になります。
ただし正直にお伝えすると、実際の値上げ幅はこの目安を上回るケースがほとんどです。
直接の人件費だけでなく間接的な人件費もありますし、値上げのタイミングで管理会社側が利益分もあわせて確保しようとする面もあります。
管理費が1.5倍になったからといって、作業員の給料が1.5倍になっているわけではありません。
「人件費の上昇分だから仕方ない」という説明を鵜呑みにせず、目安より上振れする前提で将来の負担を見ておくことをおすすめします。
【購入前でも便乗値上げの気配に気づく方法】
検討段階では、総会の議事録や見積書の内訳を見ることはできません。
それでも、外からできることはあります。
一つは、同じくらいの規模・築年数の物件と管理費を比較することです。
ただし、これを個人で一件一件調べるのはかなりの手間がかかります。
もう一つは、「何にそんなにお金がかかっているのか」を確認することです。
周辺の植栽管理なのか、フロント業務なのか、共用施設の維持管理なのか。コストがどこにかかっているマンションなのかによって、妥当な金額感は変わってきます。
このあたりの相場感は、専門家であれば一定の知見を持っています。
【まとめ】
管理費は「今の金額」ではなく「将来の金額」で見るべき費用です。
しかも値上がりは想定より上振れしやすい、という前提を持っておくことが大切です。「この物件の管理費、本当に妥当なんだろうか」と気になる方は、ここなら内で提供している「そのマンション10軸で評価します」(1,000円・AI即日評価)もあわせてご活用ください。
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