【重説専門店】田中エスクロー事務所の調査について

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法律・税務・士業全般
― 書類を渡すだけでは「調査」にはならない
不動産実務において「調査します」「うちで役所調査やります」という言葉はよく使われます。
しかし現場にいると、この「調査」という言葉の意味は、業者や担当者によって大きく異なっていることを強く感じます。
ここでは、当事務所における「調査」の定義と、実務上よくある誤解について整理します。
■ 「調査します」の実態
他社さまから「調査はうちでやります」と言われることがあります。
ただ実際には、その内容が
登記簿
公図
建築概要書
台帳記載事項証明
といった既存資料の取得と提出にとどまるケースも少なくありません。
これらは重要な資料ではありますが、「調査」の全体像ではありません。
■ 書類を集めることは「調査」ではない
当事務所の考え方では、資料の取得はあくまで「調査の一部」であり、「調査そのもの」ではありません。
なぜなら、不動産実務におけるリスクは資料の有無ではなく、情報同士の関係性にあるためです。
具体的には、次のような点です。
地番の整合性
面積の整合性
建物の時系列
増築・既存不適格の可能性
旧地番との関係
現地状況との齟齬
これらは単なる資料収集では見えてこない論点です。
■ 調査とは「存在確認」ではなく「整合性の検証」
不動産調査で重要なのは、「資料があるかどうか」ではありません。
本質は次の一点です。
集めた情報同士および現地が、矛盾なく成立しているかどうか
例えば、次のようなズレです。
登記上の地番と台帳の地番が一致しない
土地面積と建物の敷地条件が整合しない
分筆・合筆の履歴と建築時期が噛み合わない
道路台帳と現況の幅員が一致しない
こうした矛盾を発見し、説明可能な形に整理することが調査の本質です。
■ 「該当なし」という表現の誤解
もう一つ実務で多いのが、「該当なし」という結論です。
しかしこれが成立するためには、本来以下が明確である必要があります。
どの範囲を確認したのか
どの履歴まで遡ったのか
どの資料体系を確認したのか
現地確認まで行われているのか
これらが不明確なままの「該当なし」は、実務上は単なる未発見にとどまります。
つまり、
「ないこと」は状態ではなく、調査手順を尽くした結果としてのみ成立する結論
です。
しかし実務では、「調査過程ごと不存在を示す書類」が提出されることは基本的にありません。
そのため結果として、「不存在の再確認」が必要になるケースが発生します。
■ 当事務所における調査の定義
田中エスクロー事務所では、調査を次のプロセスとして定義しています。
① 資料の収集(基礎)
登記簿・公図・台帳等の取得
② 整合性の検証(中核)
地番・面積・建物・時系列の突合
③ 不明点の抽出(重要)
矛盾・欠落・説明不能部分の特定
④ 説明可能性への整理(最終)
重要事項説明書へ落とし込める形への構造化
■ 「書類を渡すだけの調査」との違い
整理すると違いは明確です。
書類提供型:情報の収集で完結
当事務所の調査:情報の構造化まで実施
つまり調査とは、
「情報を集めること」ではなく「説明可能な状態にすること」
と定義しています。
■ 最後に
不動産取引において最もリスクとなるのは、「資料が揃っていること」ではありません。
むしろ、
資料は揃っているにもかかわらず、整合性が検証されていない状態
です。
調査とは単なる書類収集ではなく、取引全体の成立可能性を担保するための「矛盾検知と構造整理」の作業です。
田中エスクロー事務所では、この前提に基づき、重要事項説明書にしっかり落とし込める役所調査を行います。

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