【地方創生×レシピ開発】企画から保健所申請・当日運営まで。イベント制作の裏側

【地方創生×レシピ開発】企画から保健所申請・当日運営まで。イベント制作の裏側

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ビジネス・マーケティング
2026年の8月上旬から9月下旬までの約2ヶ月間、北海道・上川町で地方創生プロジェクトに携わる機会がありました。

今回のプロジェクトのテーマのひとつは、町の商店街にある旧店舗を活用し、町民の新たな交流の場としての可能性を探ること。その一環として複数回のイベントを企画・運営することになり、町からは「食をテーマにしたイベントも実施してほしい」というリクエストがありました。

プロジェクトメンバーの中で飲食を本業としているのは私ひとり。

そこでフードイベントについては、コンセプトづくりからレシピ開発、保健所への確認・申請、仕込み、当日の調理・提供まで、一連の業務をメインで担当することになりました。

今回は、そのイベントが形になるまでの裏側をご紹介します。

「何をつくるか」より先に、「誰のためにつくるか」を考える

レシピ開発のご相談では、「この食材を使った料理を考えてほしい」「この商品をPRできるメニューをつくってほしい」といったところからスタートすることも多くあります。

ですが、今回のクライアントである町役場の方が口にしたのは、「まずは地元の人たちに楽しんでもらいたい」という言葉でした。

観光客を呼び込むことや地域外へのPRではなく、町に暮らす方たちにこの場所へ足を運んでもらい、楽しんでもらうことがゴール。

それならば、飲食店で提供するような特別感のある一皿ではなく、イベント後にもそれぞれのご家庭で楽しんでもらえる料理を提案したいと考えました。

そこで自ら設けた条件が、

「上川町の中で買い揃えられる材料でつくること」

オンラインで特別な食材を取り寄せたり、町外まで買い物に行かなければ再現できないレシピでは、地元の方の普段の食卓にはなかなか入り込めません。

誰に届けるのか。その方たちに、どう受け取ってもらいたいのか。そこから逆算してレシピの条件を決めていきました。

現地で話を聞く中から見つかった「もち米」というテーマ

滞在中、町内の農家さんをはじめ、さまざまな方に地域の食についてお話を伺いました。その中で知ったのが、上川町ともち米との深い関わりです。

北海道には、冷涼な気候の中で育てやすいもち米の栽培が根付いてきた歴史があり、上川町でももち米の生産が盛んです。

ところが農家さんのお話から知ったのは、町で収穫されたもち米の多くは町外へ出荷され、生産地でありながら、地元の家庭で日常的にもち米を食べる機会は意外と少ないという事実。

このもち米を使って、新しい食べ方を提案できれば、地元の特産品を改めて身近に感じてもらえるかもしれない――。

こうして、レシピのテーマをもち米に決めたのでした。

「この土地だからこそ」の理由を、レシピに落とし込む

もち米料理の代表格といえば、おこわです。

ただ、中華風おこわなどの定番レシピはすでにたくさんありますし、市販の素を使えば炊飯器で簡単につくることもできます。料理人である私が新しいレシピを提案する意味はどこにあるのだろう。

そう考えて着目したのが、上川町のラーメン文化。町内にはラーメン店が点在し、観光資源というよりも、地元の方たちが日常生活の中で親しんでいる姿が印象的でした。

こうしてラーメンの町で生まれた新しいもち米料理が、『味噌ラーメン風おこわ』です。

町内で手に入る食材や商品を取り入れながら試作を重ね、味噌のコクをベースに、豚肉、舞茸、とうもろこしを合わせた具だくさんのおこわに仕上げました。

ただ「地域食材を使う」ことを目的にするのではなく、この土地で、この料理を提案する意味があること。そして、ちゃんとおいしいこと。

この2つを大切にしながら、レシピが完成しました。

レシピがおいしいだけでは、イベントは成立しない

家庭用としておいしいレシピが完成しても、それをそのままイベントで提供できるとは限りません。

限られた設備で調理できるか。必要な量を無理なく仕込めるか。おいしい状態で提供できるか。当日のオペレーションや衛生管理に無理がないか。

こうした条件まで含めて、実際の提供方法を設計していきました。

今回は保健所にも事前に相談し、提供方法や必要な手続きを確認。その内容を踏まえて調理工程や当日のオペレーションを調整し、営業の申請から仕込み、現場での調理・提供まで担当しました。

私自身の強みは、レシピをつくるだけでなく、プロの調理現場を知っていること。

店舗での料理提供に加え、出張料理やケータリング、デモンストレーション、ポップアップイベントなど、さまざまな現場を経験してきました。また、業務用オーブンメーカーのコーポレートシェフとして、スチコンやブラストチラーといった厨房設備の活用にも知見があり、食品の安全性まで含め、「実際に現場で無理なく回せるレシピとオペレーション」を考えることができます。

レシピ開発はもちろん、食をテーマにしたイベント企画や地域食材を活用したコンテンツ制作なども、目的やご予算、実施環境に合わせてご提案が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

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