答えを教えてくれなかった人たち

答えを教えてくれなかった人たち

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学び
20年以上前、アパレル店長をしていた頃、私はよく周囲に相談をしていました。

店長として迷うことも、どうしたらいいかわからないことも、たくさんあったからです。

不思議だったのは、相談していた相手の多くが、アパレル店長を経験したことのない人たちだったこと。

だから当然、

「こうしたらいいよ」

という具体的な答えが返ってくるわけではありません。

代わりに渡されたのは、

「物の見方」

でした。

私とは違う角度から出来事を見る。

すると、それまで「問題」にしか見えなかったものが、少しずつ違って見えてきます。

当時の私は、

「なんでみんな、答えを教えてくれないんだろう」

ともどかしく思っていました。

でも今になってみると、答えをもらえなかったことこそが、私にとって大きな学びだったのだと思います。

手渡された「物の見方」が自分の中に残る。

やがてそれが、自分への問いになる。

そしてあるとき、自分自身で答えにたどり着く。

そんな体験を何度も重ねてきました。

「私は、なぜ褒められたいんだろう?」


店長時代、ずっと心に引っかかっていたことがありました。

私は私なりにかなり頑張っている。

それなのに、上司からあまり褒められない。

「こんなにやっているのに、どうして認めてもらえないんだろう」

そんなモヤモヤを抱えていたある日、突然ひとつの問いが浮かびました。

「私は、なんでそんなに上司に褒められたいんだろう?」

そこでハッとしました。

私は店長です。

だとしたら、

「褒めてもらう側」

ではなく、

「部下を認める側」

に立つ存在なのではないか。

その瞬間、見ている場所が変わりました。

「どうしたら上司に認めてもらえるか」

ではなく、

「部下を認められる店長として、私はどう在ればいいのか」

へ。

すると、それまで抱えていた悩みが、すっと消えていきました。

問題の答えを見つけたというより、

問題を見ていた自分の“位置”が変わった

のです。

相談されたとき、何を言えばいい?


最近、ある方と話していたときのことです。

その方は職場で、

「相談に乗ってほしい」

「一緒に食事に行きませんか」

と声をかけられることが増えたそうです。

でも本人は、

「何を言ってあげたらいいんでしょう?」

と悩んでいました。

私たちは、誰かに相談されるとつい、

「役に立つことを言わなければ」

「正しいアドバイスを返さなければ」

と思ってしまいます。

けれど、相談者が本当に求めているのは、必ずしも「答え」ではありません。

その人のまとっている安心感。

丁寧に話を聞いてくれそうな空気。

そして、

「この人に話したら、少し違う見方ができるかもしれない」

という感覚。

人は、そういうものを感じ取って相談相手を選んでいることがあります。

答えではなく、見方を渡す


私は、相談を受けるとき、

「こうすればいいですよ」

とすぐに答えを渡すことを、あまり大切にはしていません。

その代わりに、

「そもそも、それは本当に問題ですか?」

「今、立っている場所を変えたらどう見えますか?」

「別の前提から考えたら、何が変わりますか?」

そんなふうに、違う景色が見える問いを投げることがあります。

すると、その場ですぐ答えが出なくても、問いが相手の中に残ります。

少し時間が経ったあと、

「あれ?」

と見え方が変わる瞬間がやってくることがあります。

そして、自分自身で答えをつかむ。

私自身が、そうやって育てられてきました。

「何を言うか」より前にあるもの


相談される立場になると、

「何を言えばいいんだろう」

と考えがちです。

でも、その前にあるものの方が大切だと思っています。

私は何を見ているのか。

この出来事を、どんな解釈で捉えているのか。

相手には、まだどんな景色が見えていないのか。

答えをたくさん持っている「正しい人」になる必要はありません。

物の見方を増やす。

自分の問いを深める。

一つの出来事を、一つの角度からだけで見ない。

その積み重ねが、誰かに新しい景色を渡す力になるのだと思います。

考えてみれば、昔の私に答えを教えてくれなかった人たちも、そういう存在でした。

彼らは答えをくれなかった。

だから私は、自分で考える力を手に入れた。

教えてくれなかった人たちから、私はずいぶん多くのことを教わっていたのです。

私のセッションでも大切にしていること


仕事の相談でも、人生の相談でも、私はすぐに答えを決めることより、

「今、本当に考えるべきことは何か」

を一緒に見つけることを大切にしています。

問題そのものを解く前に、

問題の見え方を変える。

すると、ずっと重く感じていたことが、意外なほどシンプルになることがあります。

「誰かに話したいけれど、何を相談したいのかまだまとまっていない」

そんな状態でも大丈夫です。

話しながら一緒に整理していきます。

答えをもらうためではなく、自分で次を選べる場所まで戻るための対話。

ココナラでは、30分からご相談いただけるセッションをご用意しています。

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