これから社会人になる皆さんへ
私は心理カウンセラーであり、法務のアドバイザーでもある心理法務カウンセラーです。
総合的な目線で様々な悩み相談を行っていますが、中小企業でこれから働く新社会人の皆さんへの企業研修も行っています。
最近の若い世代の皆さんの心理面での傾向を踏まえ、これは重要だと思うポイントを解説します。
研修のとき、私は参加者である新社会人の皆さんを、自分の子だと思って伝えます。
新社会人の皆さんが抱える不安のこと
・周囲の期待に応えられないことへの不安
・仕事でミスをすることへの不安
・上司や同僚とうまくやっていけるのか
・今の仕事を続けて自分の人生は大丈夫なのか
などなど、不安でいっぱいなのは自然なことです。
皆さんは「これから」の人ですから。
この社会のことをまだ知らない。
自分にはまだ何もうまくできない。
それは当たり前のことですし、悪いことではありません。
あなたは自分が不完全であることを自覚している。
それは素晴らしいことです。
思い通りにならないことは、これからもたくさん起きます。
きっと、いろいろな失敗をして、誰かがあなたにがっかりしたり、イヤな態度を取ったりされて、あなたの心は傷つくでしょう。
完璧を求めないで
「こんなことを言われた!ひどい!!」
それは、あなたが他人に対して「こんなことを言ってほしくない」という期待を持っているということです。
でも、人は皆、不完全なので、たとえあなたの心に配慮してくれたとしても、あなたが願うとおりの行動をしてはくれません。
どうせ、あなたの心の苦しみや辛い状況などを理解してくれる人なんで、ほとんどいません。
そもそもあなた自身が、他人に対してたいした配慮をできているわけでも、理解しているわけでもありません。
人は常に、他者の言動を誤解するし、不愉快に感じますが、それはお互い様なのです。
だから、人に理解してもらおうとか、人にこうして欲しいという願いはほどほどにしましょう。
そして、あなたが自身が自分が不完全であることを認め、それを許しましょう。
人もこの社会も、不完全で頼りないものであるという現実を受け入れてください。
私たちにとって大事なこと
いま、不安で仕方がない。
でも完璧に仕事しなきゃいけない。
そう思う新社会人の皆さんに私が伝えたいのは、命と健康のことです。
これはコンプライアンスの問題でもあります。
法律とか常識とか、仕事のこととか、マニュアルとか、これから理解するべきことはたくさんありますが、そのなかで、一番大事なことはなにか。
それは、命と健康を守ることです。
これを聞いて、「なあんだ、そんなの当たり前じゃん」と思いましたか。
でも、これは簡単なことではありません。
皆さんが思うほどには、常識も法律も、そして会社も先輩方も、たいして頼れる存在ではないのです。
法律に違反しても何も起きないことはたくさんあります。
しかし、この社会では、人の命や健康が失われたときには、とりあえず「深刻な何か」が起こります。
あなたの言動が合法であろうと、常識的な行動の結果であろうと、法律家の支援があろうと、何か重大なトラブルに発展し、あなたの人生に暗い影を落とします。
そして、周囲が適切なアドバイスをしてくれるわけでもありません。むしろ、あなたに悪魔のささやきをする存在がたくさん出てくるでしょう。
その多くはスマホの向こうからやってくる時代です。
命と健康をしっかり守っていれば、ほかのことはたいした事ではないのに、あなたの恐怖心や欲望を駆り立てる情報があちこちから脳内に入ってきますね。
でも、信用できる情報は、冷静なあなたが自ら選び、考えて納得できた情報です。
この社会で命と健康を守るのは難しい
命と健康を守ることがいかに難しいか。
このことを、あなたの上司や先輩たちの多くは理解していません。
だから、あなたがいつ、命や健康のトラブルに巻き込まれるかもしれません。
あなたの上司も先輩も私も、「人として愚かな部分」がたくさんあります。
矛盾もあるし、手前勝手なことも、一方的で都合のいいことも、よく考えずにポンポン言ってきます。そして、あなたもいずれ「そういう人たち」の一人になるでしょう。
そういう現実のなかで、命や健康を大切にすることは、実はとても難しいことであることを常に忘れないでいてください。
朝寝坊したらあなたはどうする
あなたが朝寝坊したとしましょう。
「どうしよう。会社に遅刻してしまう!」
そうなったとき、あなたは焦り、街を走ったり、危険な行動を取りたくなるでしょう。
遅刻してはならないというルールを守るのは、上司や先輩や同僚から否定的な評価をされるのが怖いから。
でも、その恐怖心から「無理をする」という選択をしてしまうと、あなたや誰かの命や健康が危険にさらされる可能性が高まります。
もしあなたが駅で転倒したら。もし誰かとぶつかってケガをさせたら。
それによってあなたはの人生は思いもよらぬ方向へ向かってゆきます。
朝寝坊はよいことではありません。
しかし、職場まで無理をして急いではいけません。
そういうとき、あなたは安全に職場に移動し、寝坊したことを上司に伝え、お説教をされればよいのです。
それが正解です。誤魔化しも無理もしてはいけません。
このことをしっかりできない人の人生が不幸になり、周囲を巻き込んでゆくのを私はたくさん見てきました。私自身もそうでした。愚かでした。
周囲からどういわれようとも、あなたを批判しようとも、自分や家族や誰かの命と健康をしっかり守ってさえいれば、とりあえず、あなたは正解です。
でも、命や健康を軽視している人たちはたくさんいます。
そういう人たちの影響で、あなたも命と健康を軽んじるようになるかもしれません。
健康であれば人生は正解
交通事故、路上での接触、危険な遊び、不健康な生活。
命に関わるリスクの種類はキリがありません。
だからこそ、命と健康を大事にする。
その心理状態さえ維持していれば、あなたは、あなたなりに生きてゆきやすくなります。
ほかの人はもっとうまくやっている。
そうあなたが思ったとしても、あなたは迷わず、命と健康をしっかり守って生きてください。
あなたらしく着実に成長していればよいのです。
「命と健康」には「あなたの心の安定」も含まれています。
あなたの心がポッキリ折れてしまいませんよう私は願っています。
生きてさえいれば、心が穏やかであれば、それだけで人生は正解です。
そのことを忘れ、他人と自分を比較し、欲張って無理をする。
見栄を張りたい。立派な人だと、仕事ができる人だと思われたい。
もっと稼ぎたい。妻や夫のためにも、子どものためにも。
そういう努力が、無理をすることが、無理をさせることが、素晴らしいことだと思い込む。
そうやって、たまたま周囲10メートルくらいにいる他人と自分を比較する。
スマホで見かけた誰かを恨ましく思う。
それが愚かなことであることに気が付いてください。
このあせりは私たちの生存本能のせいであって、私たちを幸せに導く感情ではありません。
あなたのペースで成長していけばいい
あなたはあなたの個性を生かして、日々、ちょっとずつで良いから、着実に進歩してゆく努力をすればいいのです。
その努力は、心地よく、継続的に行えたら、なおよいことです。
苦しまなくても人は成長できますし、よい習慣を身に着けることができると、人生はより豊かなものになります。
あなたが着実に成長してゆくためにも、命と健康をしっかり守れる人であってください。
そして、困ったときには、信頼できる人に相談してください。
相談できることは生きる力でもあります。
他者の心を理解しようとすることも大事
私たちは自分を信じすぎています。
他人の言動を見て、簡単に他人をわかったつもりになれます。
バカにされた。怒られた。嫌われた。
でも、私たちは相手の心や現実を正しく認識できない宿命にあることをご存じですか?
あなただってそう。
そのイヤな相手のことも、先輩や上司のことも、家族のことも、この世界のことも、どうせ誤解しているのです。
なのに、いまストレスを受けているのはなぜ?
それは、何かがわからないからですよね。
自分がどう判断したら、どう行動したらいいのかわからない。
うまくいかないかもしれない。失敗するかもしれない。
そういう時こそ、大事なものをしっかり守ることが重要です。
命を健康を守ることは重要ですが、その次に大事なことをお話しします。
他人の心を理解するための努力をしてください。
誰かに対し敵意を持つ前に、恐れる前に、軽蔑する前に、嫌いになる前に、その人のことを正しく理解するための対話を行ってください。
それができていないのに相手のことを分かったつもりになる。
これが私たちの人生をどれほど捻じ曲げてしまうか。
ときに誰かの命を奪うほどに愚かなことです。
だから、あなたは自分の考えや感覚を疑い、相手の心を理解しようする努力ができる人になってください。
理解できていなくても、理解する努力を続ける。
それができているなら、相手があなたをどう批判しようとも、嫌おうとも、正しいのはあなたです。
誰かとの人間関係に悩んだら、このことを思い出してください。
自分のプライドや正当性を守る前に、相手の心を理解しようとする人になってください。
それには長い時間がかかるでしょう。一生かかってもできないかもしれませんが、それでも努力を続けてください。
どうしてもそれができそうにないなら、誰かに相談してください。相談できる人がいないなら私にでも相談してください。
要点をまとめます。
①人も社会も不完全です
②命と健康を守るのは難しい
③他人と自分を比較して悩むのは意味がない
④相談は生きる力
⑤他者の心を理解しようとすることも大事
以上、親として皆さんに願うことをお伝えしました。