英語の成績は良かった。
中学生の時、英語の先生が
「ホットコーヒーは温かいコーヒーだろ?じゃあアイスコーヒーは氷のコーヒーか?」
と授業の最後に疑問文を投げつけて終わったことがあった。
HOTはわかる。直訳で熱い、熱、などだ。
ICEもわかる。氷だ。
じゃあアイスコーヒーはなんだ?
その当時、私は外食というものをほとんどしたことがなかった。
世間に疎かったともいえる。
授業が終わってからクラスメートたちが、
「えー、わからない人いるの?いないでしょ」
「だよねぇ」
なんて話してたから、私は答えを知りたくて
「アイスコーヒーってなんですか」
と恥を忍んで……というか、恥とわからず質問してみた。
すると周りのクラスメートや先生までもが目をまんまるにして私を見る。
私は何か変なことを言っただろうか?
「アイスコーヒーって聞いたことない?」
「ありません」
すると周りのクラスメートは、寿々歌ちゃんにもわからないことってあるんだね。なんてびっくりされてしまった。
人は環境で育つ。と誰かが言っていた。
いま思うと、私も家の中でだけで凝り固まった脳内に固執して、世間を見れていなかったのだろう。
だからといって外食に行きたがるわがままには育たなかった。
喫茶店にあこがれはあったけれど、ガスト止まりだ。
いや、あれもファミリーレストランだから喫茶店ではない。
大人になってから東京の方へ行くにつれてそういうものがあちこちにあることに興味を惹かれた。
でも、いまだに日本語の難しさを思う。
なんでアイスコーヒーは、アイスコーヒーと言うのだろう。
この場に辞書があればひくのに。
高校の授業では単語一つ一つわからないものは必ずひいていた。
今度実家に行ったら、英和と和英の辞書を持って帰ろう。
……忘れそうな気もするけれど。
忘れたら、また次の時に持ち帰ろう。
なあなあでいいのだ。
疑問ができたらその場で解決するのが一番いいのだが、20年近く経ってから思い出したようにひくのもありだと思う。
辞書は好きだ。
一番好きなのは、日本語大辞典。
中学校の図書室にあって、毎回それをめくっては何か面白いものは載ってないかとワクワクしていた。
いつか私の本棚のコレクションに加えたい。