入院 一期一会

記事
コラム
2025年 11月25日 火曜日

手術執刀医は毎日のように
自分が担当した患者さんの病室を廻り
顔を見ながら 一言 二言発して
颯爽と去って行かれます。
多くは朝一番のタイミングで
朝食時前後が多いかな?
恐らくは
ベッドに必ず患者さんが居る見込みで
廻られていると思うのですが・・。


私の隣 ②ベッドの橋詰さん
10月2・3日(木・金)に
大阪市内でコンサートが有って
チケットも買っているから
「何としても行くんだ!」と
私が入室した時から
何度となく話されていました。

③ベッドの広島さんと仲が良いみたいで
カーテンを開け放しての井戸端会議を
毎日のように されていました。 
新参者の私は
そんな会話の中へは入れず
(内気だから)
お話だけを毎日 聞いていました。
あ でも、
誰のコンサートなのかは
その時には解明出来ませんでした。
皆さんも想像してみて下さいな。

橋詰さんは自治会の役員的な立場?
でも何故か
入院中だと知られたく無いみたいで
病室内で電話を掛けていました。
(病室内 ホントはNGよ。)

隣で盗み聞きしていると
家庭内状況も垣間見えて
かなり広めの畑を持っておられて
でも家族が畑を放置状態で
誰も面倒を見ないんだとか。
だから今、
畑は荒れ放題なのではないかと
心配されていました。

橋詰さんは
背骨だか
腰の骨だかを折っていて
移動の際には
腰(背中)にコルセットを巻いています。
サークルと呼ばれている歩行器で
病棟内を歩き廻っているのを
何度か見ました。

ある朝 執刀医が来られた時
「今月いっぱいで退院出来れば・・。」と
私にも聞こえましたが、
退院決定と言う意味では無い含みを
強く感じ取りました。

でぇ 後日、
「旦那さんと打ち合わせしたけれど、
10月5日(日)頃に退院やなぁ・・。」と
執刀医が発言したので橋詰さん
即座に反応されました。
「今月で退院って 言いはりましたやん。」
「いやでも、旦那さんと打ち合わせて・・。」
そんなコントみたいな やり取りが展開されて
私は一人で大笑いしていました。

「杖で歩いている姿 見てないしなぁ・・。」
「杖で歩きます! 杖、使います!」
橋詰さん
確かにサークル姿しか見ないわなぁ・・。
退院後の生活で
サークルは使わないから
執刀医から見ても
退院を急ぐ必要は無いものだと判断された?
そうなると
チケットを買って
行く気満々のコンサートに
行けなくなってしまう・・!
橋詰さん ピンチぃ!
だから橋詰さん
執刀医に対して必死のアピールを。
でも、
陰に旦那さんの意向が見え隠れしていて
日頃の「うっ憤」を晴らそうと
意地悪されているのかな?

そんな橋詰さん
9月20日 土曜日が
お誕生日だと 会話の中で聞こえました。
私 思い切って
土曜日の朝一番
「橋詰さん!」と声を掛けてみました。
「え? はい。」
「お誕生日、おめでとう ございます!」と。
お互いにカーテン越しだけれども
なんか それから急に
広島さんらと会話が弾み
お昼間の暇な時間を
井戸端会議で過ごせるようになりました。

私がタレント事務所に所属している事を
会話の中で明かし、
名刺を渡す事にも なりました。
「ブログ 書いてんの?」と聞かれ
「今は入院中だから、書いていないの。」
その代わり写真を撮って、
インスタへ投稿しています。

そうこうしている内に
広島さんの退院日が決定しました。
10月4日 土曜日
「橋詰さん、置いて行かれるねぇ。」
「嫌やん。コンサート・・。」
橋詰さんは まだ飽きられめてはおらず
9月中の退院を希望していました。

でも遂に!
「10月5日(日) 退院決定ね。」と
執刀医からの最後通告。
可哀そうな橋詰さん
私は腹を抱えて笑いながら
「残念やったけれど、退院おめでとう。」と
お伝えしました。
人様の不幸って 楽しぃ。
「趣味悪いよ、志織さん。」    はい。


ここで問題発生!
私 27日 土曜日に
4階西棟へ転棟・転室が決定しました。

4階西棟は
リハビリ専門の病棟で
車椅子から脱却したら
本格的にリハビリ するんでしょうね。

あぁ・・、
じゃぁ、
コンサートを逃した橋詰さんの退院を
見送れないんだぁ・・。
ちょこっと 残念な・・。

そしたら ね、
「ちょっと いい?」と
橋詰さんが
私のスペースへ入って来ました。
「仲良う してくれたから。」と
袋入りのポテチを
私に手渡して下さいました。
ん~~な事されたのなんて 初めてよ。

で、
土曜日 
10時だったかな?
リハビリに行く直前の広島さんが
「志織さぁ~ん。」って。
私もカーテン越しに
「広島さぁ~~ん、お達者でぇ。」と
惜別を惜しみました。

11時
車椅子に乗って お引越しです。
橋詰さんが
エレベーター前まで見送りに来てくれて
涙を誘って下さいました。
その時に私は決めたんです。
そして そてを後日 決行しました。

10月4日 土曜日
リハビリ終わりに
売店に連れて行ってもらい
(この時 私はサークル見守り)
チョコレートを二つ 買いました。
赤い方に
お別れの言葉を書いて貼り付けました。

退院当日は無理なので 午後、
ナースステーション スタッフに無理を言って
5階西棟へ行かせて貰いました。
本来は規則で
他の病棟への
患者の移動は禁じられているそうです。
でも ね、
橋詰さんと同室だったし
明日には退院されるので
特別に許可を頂けて
会いに行けたんですよ。

聞くと 今朝、
広島さんの退院を
一階正面玄関で見送ったらしく
「胸に グッと来たわ。」
「涙が出そうになったわ。」
仲 よかったもんね。
でも、
連絡先とか 交換はしていないとか。
私も連絡先の交換を断られました。
そこまでの仲では無かったのね。

別れ際、
「私も同じチョコ 買ったし。」と伝え
「私は 白いのん。」
すると、
「え? 紅白で?」と聞かれたので
「そうだよ。」って答えました。

泣いてくれるかな?
チョコの箱 捨てられないんじゃないの?
「お別れのメモ」も添えてあるから・・。
んな事を
付き添ってくれた看護婦さんに漏らすと
「趣味 悪いよ。」と。
だってぇ、
そういう計画だから。

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