「向いていない」と気づくことも、成功のひとつ
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何かを始めてみた。
でも、続かなかった。
あなたにも、
そういう経験があるかもしれません。
そういうとき、
「続けられなかった自分はダメだ」と思う人は、
意外と多い。
「やりたいことがわからない」
という人の話を聴いていると、
あることに気づく。
実は、「やりたいことがない」のではなく、
「やる前から、正解を探している」のだ。
・失敗したくない
・お金や時間を無駄にしたくない
・向いていなかったら、どうしよう
その不安から、
最初の一歩を踏み出せずにいる。
そうして、
考えることだけが続いていく。
「いつか始めよう」と思いながら、
気づけば季節が変わっている。
「もう少し準備ができたら」と思いながら、
最初の日は、なかなか来ない。
頭の中だけで考えていても、
自分のことは、見えてこない。
なぜなら、
自分のことがわかるのは、
いつも「動いた後」だからだ。
私の「続かなかったこと」は、
色々ある。
書道、弓道、柔道などの「道」がつくもの。
あるいは、野球やサッカーなどのチームスポーツ。
全部、続かなかった。
当時は「自分は飽きっぽいのかな」と思っていた。
でも、後になってみると、
そういうことではなかった。
やめたことで、
「気づいたこと」があったからだ。
自分は「道を極める」より「自由に動ける」方が、
ずっと楽しいのだ、と。
「チームに合わせる」より「一人で判断できる」方が、
面白いのだ、と。
釣りやスキーやDIYを続けられているのは、
そういう理由なのかもしれない。
そして、その理由は、
「やめなければ、気づかなかったこと」だ。
たとえば、何かを始めて3日でやめたとする。
でも、その3日間に、
何かを知ることができる。
たとえば、次のようなこと。
「これは、自分には合わない」
「こういうことが苦手だな」
「もっと〇〇なら面白いのに」
これは、始める前に頭で考えているだけでは、
わからない。
動いた人だけが、
手に入れられる答えだ。
「成功か、大成功か」
向いていると気づいたなら、大成功。
向いていないと気づいたなら、成功。
何かを始めるとき、
これくらいの気持ちでも
いいかもしれない。
どちらに転んでも、
「試した」という事実は残る。
そしてその事実が、
少しずつ、自分の輪郭をつくっていく。
彫刻家は、石に何かを
「足す」ことで形をつくらない。
削ることで、
もともとそこにあった形を、
外に出す。
自分を知ることは、
彫刻に似ているかもしれない。
「向いていない」を一つ削るたびに、
少しずつ、自分の形が現れてくる。
続けることも大切だが、
気づくことの方が、
ずっと大事なときがある。
「向いていない」とわかった経験は、
損失でも失敗でもない。
その経験を通じて、あなたの形が、
一削り、浮かび上がってくるのだから。
やめた経験は、
ちゃんと、どこかへ続いている。