白か黒 ■離婚編_29■

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コラム
店を辞めたことは家族に言わなかった。
が、ショッピングモール内に入っていたその店は
その後、売り上げが激減し
手数料という名の上納金を収めることが困難になって
あれよあれよという間に
私が辞めた3か月後に閉店となってしまった。

その間、私とGは常に連絡を取り合い
週に1.2回は会うようになっていた。
Gには店を辞めたことを話したが
理由はもちろん言っていない。
そんな私に、また元居た店に戻れるよう
働きかけてくれたのだが
そこにはCがいる。
今はもうお互いに
別々の楽しい時間を過ごしているとはいえ
やはり気が乗らず断ると
別の店舗の店長さんに声をかけてくれた。
Gはその店舗にもヘルプでよく入っていたらしい。
「同じところで働ければもっと一緒にいられるから」
まっすぐに目を見つめて
そう言ってくれるG。
でも、その店は結構距離があり
子供の送迎を考えると時間的に厳しい。

実はクソ夫には義理の父が残したアパートがあり
家賃収入もある。
生活には困っていない。
自分の自由になるお金が欲しかっただけで働いていた。
今思えば、本当に贅沢だった。
そういうこともGには言いたくない。
致し方なく
Gのいる元居た店の道路を挟んだ向かい側にある
ファミリーレストランで働くことにした。
今度は夜の時間帯で。

用事のない昼間、Gは私の買い物に付き合ってくれた。
基本的には毎日大学で、終わるとバイト。
冬場に山籠もりするための資金を稼いでいるG。
シフトを教えてくれていたから
私もそれに合わせて数時間働き
夜、合流した。

それでもまだディズニーランド以来
夜、二人きりで会うという事はなかったのだが
「今日はドライブしない?」
そう誘われ、彼は私を自分の通う大学の近くに連れて行った。
「この辺、田舎だから色んな動物出てくるんだよ」
確かに街灯の少ない田舎道
タヌキ?ハクビシン?のような
生き物がすぐに道路に飛び出てくる。
ちょっとしたアトラクションだった。

「違う意味でディズニーランドっぽいでしょ?」
といって、途中で寄ったコンビニに入った。
Gはここで、私の手を繋いできた。
「やっと繋げた」

愛おしすぎる・・
こんな時間が永遠に続いたらいいのに。
そう、この時間を失いたくない。
この子とはこのまま
たまに二人で手を繋いで出かけられたら
それだけでいい。
本当にそう思っていた。
久しぶりに感じた美しい時間。
その先に行けば汚い時間がやってくることは
私が一番知っていた。

どうしてこのままを
維持できなかったんだろう。
相当時間が経った今ですら
たまに思う。
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