コラム66 星の王子様

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 先日、名著『星の王子さま』を読む機会がありました。ウィキペディアでは日本で3回『星の王子さま』のブームがあったみたいですが、私はこの歳になって2024年の今、初めて読みました。 
アンリ・ド・サン=テグジュペリのこの作品は、砂漠に不時着した飛行士が、小さな星から来た王子さまと出会うところから始まります。王子さまは、さまざまな星を旅しながら、奇妙な大人たちと出会い、彼らの生き方や価値観を考えさせられます。
『星の王子さま』は、現代社会にも十分通用するような深いメッセージを含んでいました。特に印象的だったのは、王子さまが地球に来る前に訪れた星々で出会った人々のエピソードです。王様、うぬぼれ屋、酔っ払い、ビジネスマン、地理学者、点灯夫。このエピソード群は、各々が抱える問題を通して、現代の私たちにも共通するテーマを浮き彫りにしています。
特に地理学者の星のエピソードは、現代の大人たちの問題点を浮き彫りにしています。地理学者は、地図を描くために探検家から情報を集め、それを慎重に吟味します。彼の姿勢は、一見すると非常に理にかなっています。しかし、彼自身は一度も星を訪れたことがなく、全ての情報を他者から得ています。この状況は、私たちが日常的に直面する情報過多の現代社会を象徴しています。私たちは他者の情報やメディアの報道に頼りすぎ、自分自身の経験や観察を怠りがちです。また、地理学者の姿勢には矛盾があります。彼は情報の正確さを重視し、探検家の報告を疑いながらも、それに依存しています。これは、現代社会における私たちの情報の扱い方にも通じます。情報を吟味し、批判的に考えることは重要ですが、自らの経験を通じて学ぶことも同様に大切です。情報社会に生きる私たちは、知識と経験のバランスを取ることが求められます。
一つのことを成功させるためには、他の業種との協力は不可欠です。地理学者が探検家の報告に頼ること自体は悪いことではなく、むしろそれが効率的であり、正確な地図を作成するためには必要なプロセスです。しかし、地理学者が一度も自分自身でフィールドワークを行わないというのは、現代社会における情報の受け取り方と非常に似ているように感じます。現代社会において、情報は瞬時に手に入ります。インターネットを通じて、世界中の出来事や知識を簡単に知ることができます。しかし、その情報が本当に正しいのか、自分自身で確かめることは少なくなっています。地理学者のエピソードは、私たちに情報の重要性とともに、実際に自ら経験することの大切さを教えてくれているように思います。
 アンリ・ド・サン=テグジュペリが『星の王子さま』を書いたのは1943年、第二次世界大戦の最中でした。彼自身も生まれ育ったフランスで戦争の混乱と不安の中に飛行士として戦争に参加しており、その経験が作品に大きな影響を与えているのでしょうか。
『星の王子さま』は、そんな背景の中で生まれた作品です。人間の弱さを見つめつつも、純粋な心と希望を忘れないメッセージも込められているような気がしました。彼の作品が現代にも通ずるのは、困難な状況下で見つめ直された人間の本質が、時代を超えて共通のテーマだからでしょうか。この物語を読み終えて、私は自分の生活や考え方を見直す良い機会を得ました。情報を集めることも大切ですが、それだけではなく、自分自身の経験を通じて世界を理解することが重要だと感じました。

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