【エッセイ】つらつらと、子育ての責任ってどこにあるのかを自分に問う

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子どもの進路、心配が募ります。奇しくも六年前、我が子は公立中高一貫校を受験しました。「もう、落ちてるよね、どのゲーム欲しい?」なんて軽口を叩きながら、合格発表を見に行ったのを覚えています。

小さな掲示板に貼りだされた番号。順番に並ぶ番号に、我が子の受験番号を探す、あの時間は心がちぎれそうでした。サッと見て、サッサと帰る、そんなつもりだったけれど、そこには彼の受験番号があったのです。

喜びの声もある一方、じっと悔しくうつむいて声にならない声も聞こえてきました。受験とは大人の社会に踏み出すための縮図のようなものだと思い込んでいました。

そこには、瞬時にして合格者の親としての奢りが産まれたのだと今更ながらに思います。受験の意味は僕自身がよくわかっていたつもりなのに。一浪しても受からない学部があった。同志社大学法学部に行きたかったけれど、浪人しても受からなかった。商学部にギリギリ引っかかり、転部すればいいと思って入学。あとは、崩れ落ちるようにバイトとサークルの日々。

資格取得が割と叶いやすい学部であったのに、大学ではごくわずかの部員しかいない映画サークルに顔を出し、タバコを吸い、酒をかっくらい、映画談義をしたものでした。サークルの先輩や後輩たちはそのなかでも、目標を持っていて、何人かはテレビ局に勤め、何人かは公認会計士や税理士や司法書士といった資格取得をし、何人かは大手上場企業に就職しました。

一方僕はというと、目標もなく大学生活を送ったツケがまわり、就活も振るわずどうしたものかと、悶々とした大学四回生を過ごしていました。

受験では浪人したものの、それなりに結果をだしたのに、そのあとの頑張りを忘れてしまったのです。目標や夢がいかに大事かを、それから三十年もかかって、子どもの行く末を見守るなかで気づいたのです。

もう、五十一歳になってしまいました。今から始めて遅いことはないとわかっていつつも、もう夢や目標を掲げる年齢ではないかもしれません。

受験は目的です。プロセスです。途中です。人生を決定づけることは、さほどありませんが、決定づけることができるとしたら、受験が終わってからも頑張れるかだと思うのです。

じゃぁ、何を頑張るのか?頑張るって何?となるのですが、一心不乱に没入できることを見つける、ってことを頑張るのだと思うのです。

僕は三年前に会社員を辞めました。家族は賛成していたとはいえません。ドロップアウトといってもいいでしょう。フリーランスのコピーライターといえばなんだか見通しのありそうな仕事みたいに思われますが、ただの自営業です。個人事業主といえば聞こえもいいですが、根無し草といえばその通りです。

振り返ると受験のあとに燃え尽きるようにして、燃えカスだけで生きてきたことのツケを今になってまとめて払っている人生なのです。

我が子が勉強以外にも、目標を持って頑張る姿は怖いものです。それは自分が気づくことすらできなかった「何か輝きそうなモノを見つけて、そこに一心不乱に向かう姿」を見るからです。

そういった経験や成功事例がない人生を過ごしてきた親としては、「危ないからやめておきなさい」といいたくなるものです。

だけども、それは子どもの人生の邪魔でしかないと、ようやく気付きました。遅いです。でも、気づいたのです。「危ないよ」といって、子どもを立ち止まらせることは悪いことではないと思いますが、特段いいことでもないように思います。

子どもより早く親は死にます。子どもの人生は親が死んだあとも続きます。親が死んで、初めて子どもの人生が子どものもとに還るってのは、不健全だと思うのです。子どもの人生は子どものもの、そういう点では自分が味わった成功体験も失敗体験も、どちらも子どもの前では大した役にも立たないものです。

受験はプロセスです、目的でもゴールでもありません。途中にある関所のようなもので、そこを通らなくても大人にはなれるし、お金持ちにもなれます。受験という関所を通って、失敗しても成功しても、そのあとの人生が輝くとは誰にもわかりません。もちろん本人にも。

なりたいものや、やりたいことがある人は、そこに向かうために進んだり立ち止まったり、戻ったりすればいいだけです。戻っても、それは目的地に向かうために戻るだけだから怖くもなんともないのです。

子どもが怖がらずに進んでいるときは、親が無理から怖がらせない方がいいと最近よく思います。我が子は大学受験を控えていますが、「大学に行かなくてもいいと」すら思っています。やりたいことが見つかっているなら、それを極めればいいと。

無責任と思われるかもですが、そもそも子どもの人生は子どもの責任で生きるべきだし、親が責任を持つのは「食べる・寝る・学ぶ・遊ぶ・着る」といった彼らのホームベースを提供するということなのではと改めて思うのです。



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