皆さんこんにちは。
9月11日(金)の相場分析です。
昨日の米国市場では株式市場が下落しました。
S&P500は約44ポイント安、NASDAQは約171ポイント安となり、為替市場ではドル高が進みました。米国株は金利上昇とインフレへの警戒感から売りが優勢となっています。
現在、金融市場で非常に重要になってきているのが、
**「原油価格上昇+長期金利上昇」**
という組み合わせです。
これがこの先の株式市場、為替市場を考えるうえで最大のポイントになると考えています。
ECBは今年2回目の利上げ
ECB(欧州中央銀行)は9月10日の金融政策決定会合で、主要政策金利を0.25%引き上げました。
主要政策金利は2.25%から2.50%となります。
今回の利上げは今年2回目となり、中東情勢悪化によるエネルギー価格上昇などを背景に、ECBはインフレへの警戒姿勢を強めています。
ECBの最新予測では、ユーロ圏のインフレ率は2026年平均3.0%、2027年2.5%、2028年2.1%とされています。
つまり、
**インフレが簡単には2%へ戻らない**
とECB自身が見ているわけです。
ここが非常に重要です。
通常であれば景気が悪くなれば中央銀行は金利を下げることができます。
しかし、エネルギー価格上昇によってインフレが再加速してしまえば、景気が悪化しているにもかかわらず金利を下げられない可能性があります。
それどころか、さらに利上げが必要になる可能性すらあります。
米PPIは前年比5.4%
米国では8月の生産者物価指数(PPI)が発表されました。
前年比では**5.4%上昇**。
食品・エネルギー・貿易サービスを除いた指数も前年比**4.7%上昇**となっています。
特に注目したいのがエネルギーです。
8月は最終需要エネルギー価格が前月比4.2%上昇しており、ディーゼル燃料価格は24.1%も上昇しています。
つまり現在のインフレは単純な需要増だけではありません。
**中東情勢→原油高→企業コスト上昇→物価上昇**
という流れが再び強くなっています。
FRBにとっても非常に厄介な状況です。
市場では次回FOMCで0.25%以上の利上げが行われる確率が約70%まで上昇しています。
原油価格が再び100ドル突破
そして現在、最も警戒したいのが原油です。
中東情勢の悪化を受け、WTI原油は102.48ドル、ブレント原油は107.63ドルまで上昇しました。
ホルムズ海峡周辺では米国とイランの対立が激化し、船舶への攻撃などによって重要なエネルギー輸送ルートへの不安が急速に高まっています。
原油価格の100ドル突破は心理的にも非常に大きいです。
100ドルが一時的な上昇で終わればまだいいのですが、この水準が長期化すると世界経済への影響が一気に大きくなります。
ガソリン価格、物流コスト、航空運賃、製造コストなど、非常に多くの商品やサービスに波及していくからです。
米10年債利回りも5%目前
同時に米国債も売られています。
米10年債利回りは4.9%台へ上昇し、5%が目前となっています。
これは株式市場にとって非常に厳しい環境です。
企業にとっては資金調達コストが上昇し、消費者にとっても住宅ローンや自動車ローンなどの負担が増えます。
さらに投資家から見れば、国債で5%近い利回りを得られるのであれば、高いリスクを取って株を保有する必要性も低下します。
実際、米国株は4営業日で約2%下落しています。
今後、
**原油高**
↓
**インフレ上昇**
↓
**利下げできない**
↓
**長期金利上昇**
↓
**株価下落**
という流れが強まる可能性があります。
再び「スタグフレーション」が市場テーマになる可能性
ここから重要になってくる言葉が、
**スタグフレーション**
です。
スタグフレーションとは、
「景気が悪いのに物価が高い」
という非常に厄介な経済状態です。
普通の景気後退であれば中央銀行は利下げできます。
しかしスタグフレーションでは、景気を支えるために利下げするとインフレがさらに悪化する可能性があります。
反対に、インフレを抑えるために利上げすると景気をさらに悪化させます。
つまり、
**中央銀行が身動きを取りにくくなる。**
現在の市場は少しずつ、この状態へ近づいているように見えます。
ECBは実際に利上げへ動きました。
FRBについても利上げ観測が急速に高まっています。
日銀についても追加利上げへの期待が強く残っています。
これまで市場を支えてきた「いずれ金利は下がる」という前提そのものが崩れてくる可能性には注意が必要でしょう。
ドル円は154円台へ上昇
ドル円は昨日ドル高となり、154円台まで上昇しました。
ニューヨーク市場では154.32円付近まで円安・ドル高が進んでいます。
米金利が急上昇しているため、短期的にはドル買いが入りやすい環境です。
しかし私は引き続き、
**155円付近を非常に重要な価格帯**
として見ています。
仮に155円を一時的に上回ったとしても、そこから大きく上昇したところについては売り場を探していきたいと考えています。
もちろん、米金利が5%を明確に突破してさらに上昇していけばドル高圧力は強くなるため、値動きを確認しながら判断する必要があります。
今後は「原油・金利・株」をセットで見る
今の相場でドル円だけを見るのは危険だと考えています。
私が特に見ているのは、
**原油価格**
**米10年債利回り**
**米国株**
この3つです。
原油と金利が上昇しているにもかかわらず株価が耐えているうちは、市場にはまだ余裕があります。
しかし、
「原油上昇」
「金利上昇」
「株価下落」
が同時に進み始めた場合、市場のリスク許容度が一段階低下した可能性があります。
ここからは単純な「ドル高・円安」という相場ではなく、
**インフレ・金融引き締め・景気減速・地政学リスク**
という4つの材料が複雑に絡み合う相場になりそうです。
特に中東情勢が長期化し、原油価格が100ドル台に定着するのか。
そして米10年債利回りが5%を突破するのか。
この2点にはかなり注目しています。
ドル円については引き続き155円を大きな節目として見ながら、大きく戻った場面では売りを検討していきたいと思います。
それでは本日も頑張りましょう。