10月2日のドル円相場は、かなり重要な局面に差しかかっています。
昨日の金融市場では米国株が上昇する一方、為替市場ではドル高・ユーロ安が進みました。
そして円相場では、日銀が公表した9月17日・18日開催分の「主な意見」をきっかけに円売りが強まりました。
今回特に注目したいのは、
「日銀の利上げ姿勢」
だけではありません。
政府、財務省、日銀。
この3者が必ずしも同じ方向を向いていないことです。
この微妙な関係が、今後のドル円相場を考えるうえで非常に重要になってくると見ています。
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日銀の「主な意見」で円売りが加速
昨日公表された日銀の「主な意見」では、利上げを急がない姿勢が意識されました。
さらに政府側からも利上げをけん制するような姿勢があると市場に受け止められ、円が売られる展開となりました。
日銀関連イベントでは、内容そのものだけでなく、
「日銀イベント=円売り」
という動きが出ることがあります。
金融政策決定会合の結果発表。
総裁記者会見。
主な意見。
こうしたイベントのたびに円売りが入りやすい状況が続いているのであれば、内容だけを見て売買を判断するのは危険です。
市場参加者がどのようなポジションを作ろうとしているのかまで考える必要があります。
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ドル円は200日線付近が大きな壁
現在のドル円で非常に重要なのが、日足の200日移動平均線です。
158円50銭前後に位置しており、ここが上値抵抗として意識されています。
先週木曜日には一時的にこの水準を上回る場面もありました。
しかし、その翌日には急落。
つまり、
「200日線を完全に突破した」
とはまだ言い切れない状態です。
ここからドル円がもう一段上昇するためには、158円台を一時的に超えるだけでは足りません。
日足あるいは週足ベースで、しっかりと200日線より上で推移できるか。
ここが重要になってきます。
逆に200日線を超えることができず再び押し戻されるようであれば、158円前後が中期的な天井として意識される可能性もあります。
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今夜最大の材料は米雇用統計
本日の最大イベントは、21時30分に発表される米雇用統計です。
ドル円が200日線付近にいるタイミングでの雇用統計ということもあり、普段以上に値動きが大きくなる可能性があります。
強い雇用統計になれば、
米金利上昇
↓
ドル買い
↓
ドル円上昇
という流れになり、一時的に200日線を突破する展開も考えられます。
一方で数字が弱ければ、現在積み上がっているドル買いポジションが巻き戻される可能性があります。
重要なのは、
「雇用統計直後にどこまで動くか」
だけではありません。
むしろ注目したいのは、
**その後、週末をどの価格で終えるのか。**
ここです。
瞬間的に159円をつけたとしても、最終的に157円台まで戻ってしまえば意味合いは大きく変わります。
反対に158円台後半から159円台を維持したまま週末を迎えるのであれば、チャートの形はかなり変わってきます。
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米長期金利上昇もドルを支える材料
米国では長期金利が高い水準まで上昇しています。
長期金利が上昇すると、一般的にはドルが買われやすくなります。
そのため現在のドル円は、
「円が弱い」
だけではなく、
「ドルそのものが強い」
という両方の要因によって押し上げられている側面があります。
さらに原油価格も上昇しています。
中東情勢を巡る報道を背景にWTI原油価格が93ドル台まで上昇しており、これも日本にとっては無視できません。
日本はエネルギー輸入国です。
原油価格上昇は輸入コスト上昇につながりやすく、貿易面から円売り要因として意識されることがあります。
ドル高。
米金利上昇。
原油高。
現在は円にとって厳しい材料が重なっている状態とも言えます。
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しかし円安が進みすぎれば「介入」が出てくる
ここからが現在のドル円を見るうえで最も難しい部分です。
円安方向の材料が多いからといって、
「そのまま160円、165円へ一直線」
とは考えにくい状況があります。
それが為替介入です。
財務省は過度な為替変動に対して警戒姿勢を示しています。
つまり市場から見ると、
円安方向へ行けば行くほど介入リスクが高まる
という構造になっています。
特に158円から160円付近まで上昇してくると、市場参加者も介入を強く意識し始めるでしょう。
そのため上値ではドルを積極的に買いにくくなります。
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政府、財務省、日銀の思惑は同じではない
今後の相場を考えるうえで、個人的に非常に注目しているのがここです。
日本の金融・為替政策を一枚岩として考えないことです。
政府側からすれば、景気への影響を考えると急激な金利上昇は避けたい。
低い金利を維持したいという考えが出てきても不思議ではありません。
一方で財務省は、急激な円安が進めば為替介入を行う可能性があります。
そして日銀は、その両者の間に存在します。
つまり、
政府
「利上げは急がないでほしい」
財務省
「円安が進みすぎるなら介入する」
日銀
「経済・物価を確認しながら政策を判断する」
という、非常に複雑な構図です。
この3者の方向性が完全には一致していないため、
「円安政策だからドル円は上がり続ける」
とも、
「介入があるからドル円は下がり続ける」
とも単純には考えられません。
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10月30日の日銀会合は大きなポイント
次の大きな注目日は10月30日の日銀金融政策決定会合です。
ここでも、まず金融政策発表直後に円売りが出る可能性があります。
さらにその後の総裁会見でも円売りが強まれば、ドル円が大きく上昇する展開も考えられます。
問題はその後です。
仮に160円方向へ一気に円安が進めば、欧米時間に為替介入への警戒が急速に高まる可能性があります。
つまり今後の日銀会合では、
政策発表
↓
円売り
↓
総裁会見
↓
さらに円売り
↓
介入警戒
という値動きになる可能性も考えておく必要があります。
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158円から160円では売りを意識
中長期的には、158円から160円付近は非常に興味深い価格帯だと考えています。
個人的には、このゾーンではドル円の売りポジションを少しずつ増やし、その後の値動きを確認していく戦略を考えています。
理由は単純です。
現在の水準から、
165円へ7~8円上昇する可能性
と、
150円へ7~8円下落する可能性
を比較した場合、後者のほうが若干高いのではないかと見ているからです。
もちろん165円へ上昇する可能性がないわけではありません。
しかし160円を超えてくれば介入警戒が一段と強まります。
ドルを買う側からすると、
「いつ介入が来るか分からない」
という大きなリスクを抱えながらポジションを持つことになります。
これが上値を抑える要因になる可能性があります。
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実は155円から160円のレンジが長く続く可能性もある
そしてもう一つ考えておきたいシナリオがあります。
それが、
**155円~160円前後のレンジ相場です。**
政府は利上げを急ぎたくない。
日銀も慎重。
しかし160円を大きく超えると財務省の介入リスクが高まる。
これを考えると、
円高にも行ききれない。
円安にも行ききれない。
結果として155円~160円付近を何度も往復するという相場も十分考えられます。
実は現在の日本の政策環境を考えれば、このシナリオはかなり自然です。
方向を当てるより、
「どこまで上がれば売られやすいのか」
「どこまで下がれば買われやすいのか」
というレンジ発想のほうが機能する局面になる可能性があります。
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今後のドル円で見るポイント
今後は特に次のポイントを確認していきたいところです。
・158円50銭前後の200日線を明確に突破できるか
・米雇用統計後にドル円がどの価格で週末を終えるか
・米長期金利がさらに上昇するのか
・原油価格の上昇が続くのか
・160円接近時に財務省のけん制発言が増えるのか
・10月30日の日銀金融政策決定会合
・日銀総裁会見後の円の反応
・為替介入への警戒感
特に重要なのは、
**「円安材料」と「介入リスク」が同時に存在している**
ということです。
現在のドル円は、上にも下にも大きく動く材料を抱えています。
そのため一方向へ決めつけるのではなく、価格帯によって戦略を変えることが重要になりそうです。
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まとめ
ドル円は現在、158円台という非常に重要な価格帯にいます。
米金利上昇、日銀の慎重姿勢、原油高などを考えれば円安方向への圧力は依然として強いでしょう。
しかし一方で160円付近まで上昇すれば、為替介入への警戒感が急速に高まります。
そのため今後は、
**158円~160円では上値の重さを確認しながら売り場を探す。**
そして、
**150円方向への調整が起きる可能性も想定しておく。**
こうした見方をしています。
もちろん相場に絶対はありません。
160円を完全に突破し、さらに円安が加速するシナリオも想定しておく必要があります。
だからこそ重要なのは予想を当てることではなく、
「上がった場合」
「下がった場合」
「レンジになった場合」
それぞれのシナリオをあらかじめ準備しておくことです。
今夜は米雇用統計。
そして今月末には日銀金融政策決定会合。
10月のドル円は、大きな転換点を迎える可能性があります。
引き続き値動きを慎重に確認していきたいと思います。