皆さんこんにちは。
9月10日木曜日の相場について、昨日のマーケットを振り返りながら、今日の注目ポイントを整理していきます。
昨日の米国株は下落。
S&P500は37ポイント安、NASDAQは168ポイント安となりました。
為替市場では円高が進みましたが、ドル円は153円台を中心に方向感の定まりにくい展開。
ユーロドルについても1.16ドル台前半での推移が続いています。
ここ2日ほど、予定されていた大きな経済材料が少ない中で、中東情勢の悪化を背景に原油価格と米金利が上昇しています。
しかし、ここで少し気になる変化が出てきました。
原油高・米金利上昇なのにドルが強くない
これまでの相場では、
中東情勢悪化
↓
原油価格上昇
↓
インフレ懸念上昇
↓
米金利上昇
↓
ドル高
という流れが比較的わかりやすく機能していました。
ところが直近では、WTI原油が97ドル台まで上昇し、米10年債利回りも4.85%付近まで上がっているにもかかわらず、ドルの上昇は限定的です。
ドルインデックスも98ポイント台後半で推移しており、
「金利が上がればドルも上がる」
というこれまでの単純な相関が、少しずつ変化してきている可能性があります。
ここはかなり重要だと考えています。
市場がインフレ以外のリスクを見始めている
原油価格が上昇すれば、当然インフレ圧力は強まります。
輸送費や製造コストが上昇し、物価上昇につながりやすくなるため、本来であれば米金利上昇、そしてドル高につながりやすい材料です。
しかし原油価格が高騰し続けると、別の問題が出てきます。
それが、
**景気減速です。**
原油価格が高すぎれば企業や消費者の負担が増え、経済活動を冷やしてしまいます。
さらに米国では高金利が長期化するほど、財政負担も大きくなります。
つまり今後の相場は、
「インフレリスク」
だけではなく、
「景気減速リスク」
「財政リスク」
も意識される可能性があります。
もし市場の関心がこちらへ移れば、米金利が高くてもドルが買われないという展開が増えてくるかもしれません。
大切なのは「材料」より「反応」
相場を見るうえで非常に重要なのが、
**何が起きたかではなく、それに対して価格がどう反応したか**
を見ることです。
たとえば、
「米金利が上昇した」
という事実だけを見ればドル買い材料です。
しかし実際に米金利が上がったにもかかわらずドルが上がらないのであれば、
それはドルの買い圧力が以前より弱くなっている可能性があります。
相場の大きな転換点では、こうした現象がよく起こります。
以前まで上昇材料だったものに反応しなくなる。
以前まで下落材料だったものでも下がらなくなる。
こうした小さな違和感が、トレンド転換の初期サインになることがあります。
ドル円は一度155円方向へ戻る可能性も
ドル円については、7月末からすでに大きく下落しています。
そのため、ここから一直線に下落していくとは考えていません。
短期的には、
154円台
↓
155円付近
まで反発する可能性も十分にあると思います。
特に下落が続いた後は、売りポジションの利益確定による買い戻しも入りやすくなります。
ただし重要なのは、
**155円という数字だけにこだわらないこと。**
仮に155円を一時的に突破したとしても、それだけでドル高トレンドへ戻ったとは判断しません。
むしろ大きく戻ったところで再び売られるのであれば、戻り売りの流れが継続している可能性があります。
年内は「高値を追う」より「戻りを待つ」
現在のドル円では、
ドルが上がったから買う
というよりも、
**ドルがどこまで戻れば再び売られるのか**
を見ていきたいと考えています。
短期的なドル上昇は今後も何度も起こるでしょう。
しかし大きな流れとしてドル安方向への変化が始まっているのであれば、むしろその反発は売り場になる可能性があります。
相場は一直線には動きません。
上昇トレンドの中にも下落があり、
下落トレンドの中にも大きな上昇があります。
だからこそ、
「上がったから強い」
「下がったから弱い」
と単純に考えるのではなく、
どこで買われ、どこで売られているのかを見ることが重要です。
本日はECBと米PPIに注目
本日は重要イベントが予定されています。
まずECB金融政策決定会合。
そしてラガルドECB総裁の会見です。
利上げそのものだけではなく、
「今後も追加利上げを続けるのか」
「いったん様子を見るのか」
ここに注目したいところです。
ユーロドルは現在1.16ドル台前半で推移していますので、ECB後の反応次第では大きな動きにつながる可能性があります。
さらに米国では8月PPIが発表されます。
現在は原油価格が上昇しているため、インフレ指標への注目度も高くなっています。
ただし今日も重要なのは数字そのものではありません。
今日確認したいポイント
たとえばPPIが強かった場合、
米金利が上がる
↓
ドルも上がる
のであれば、これまでの相関はまだ機能しています。
しかし、
PPIが強い
↓
米金利も上昇
↓
それでもドルが上がらない
という展開になれば、かなり興味深い状況です。
市場がインフレよりも景気や財政リスクを意識し始めている可能性が高まります。
相場では、
**材料そのものより、その材料に反応できるかどうか**
が重要です。
強い材料が出ても上がらない。
悪い材料が出ても下がらない。
こうした動きには、相場の次の方向を考えるヒントが隠れています。
まとめ
直近では中東情勢悪化によって原油価格が上昇し、米金利も上昇しています。
それでもドルは以前ほど強くありません。
この変化が一時的なものなのか。
それともドル相場の構造そのものが変化し始めているのか。
今後数日の値動きは非常に重要になりそうです。
ドル円については一度155円方向へ戻す可能性もありますが、大きく戻ったところでは引き続き戻り売りを意識しています。
本日は、
・ECB金融政策決定会合
・ラガルドECB総裁会見
・米PPI
・米金利
・原油価格
・そして、それに対するドルの反応
このあたりを中心に見ていきたいと思います。
相場では「何が起きたか」だけでなく、
**それでも上がらなかったのか。
それでも下がらなかったのか。**
この視点を持つだけで、相場の見え方は大きく変わります。
それでは本日も頑張っていきましょう。