こんにちは。
9月3日の相場解説です。
昨日の米国株は上昇しました。
S&P500は35ポイント高、NASDAQも118ポイント高となり、株式市場は比較的しっかりとした動きとなりました。
一方、為替市場で最も目立ったのは「円高」です。
ドル円は大きく下落する場面があり、158円台後半まで円高が進みました。
今回の円高には、単なる短期的なポジション調整だけではなく、今後の日銀金融政策を意識した動きが強く影響していると考えています。
日銀の9月利上げ観測が一気に高まる
現在、市場では日銀の追加利上げ観測がかなり強まっています。
米財務当局と日本側の財務・金融当局による協議などを受け、日銀が今後さらに金融正常化を進めるのではないかという見方が広がっています。
個人的には、9月の日銀利上げの可能性はかなり高いと見ています。
前回の利上げから一定期間が経過していることを考えると、市場では今後、
「3〜4か月に1回程度の利上げ」
というペースも意識され始める可能性があります。
仮に9月に0.25%の追加利上げを実施し、その後も年末から来年1月にかけて追加利上げを行うのであれば、日本の政策金利は1.5%程度まで上昇するシナリオも考えられます。
これまで長く続いてきた「日本だけが超低金利」という構図が、少しずつ変わり始めています。
日銀とFRBの利上げ回数が逆転する可能性
ここから重要になるのがアメリカとの比較です。
FRBも依然としてインフレへの警戒を続けています。
そのため金融引き締めそのものを終了するわけではありません。
ただし、今後は政策金利を何度も引き上げるというより、
「必要最低限の利上げにとどめながら、その他の手段も含めてインフレを抑える」
という方向に進む可能性があると考えています。
つまり、2026年後半については、
日銀:2回程度の利上げ
FRB:1回程度の利上げ
という展開も十分考えられます。
これは為替市場にとって非常に重要です。
これまでドル円を押し上げてきた最大の要因の一つは「日米金利差」でした。
しかし、日本の金利が上昇し、アメリカの利上げペースが鈍化すれば、その金利差は少しずつ縮小していきます。
その結果、これまで続いてきた強烈な円安圧力も徐々に弱まってくる可能性があります。
ドル円は中長期的に155円方向へ
現在のドル円は158円台後半で推移しています。
もちろん、日銀が利上げしたからといって、すぐにドル円が150円まで下落するわけではありません。
アメリカの金利水準自体は依然として高く、ドルを買う理由も残っています。
そのため短期的には158円、159円、160円付近を行き来する展開も十分考えられます。
ただし、中長期で見た場合は少し景色が変わってきます。
日本の利上げ回数が増え、アメリカの利上げ回数が限定されるのであれば、
ドル円は徐々に155円方向へ下落していく可能性があります。
特に2027年まで視野を広げれば、日銀の政策金利がさらに上昇し、円安圧力そのものが弱まっていく展開も想定しておく必要があります。
これまでのように、
「ドル円は下がったら買えばいい」
という相場から、
「上昇したところでは売りも検討する」
相場へ少しずつ変わっていく可能性があります。
今後は雇用統計・CPI・FOMCに注目
ここからの相場では、アメリカの経済指標も非常に重要です。
特に注目したいのが、
・米ISM非製造業景況指数
・米雇用統計
・米CPI
・FOMC
です。
FRBの利上げ確率は、雇用統計とCPIの結果によって大きく変化する可能性があります。
例えば、雇用が強く、さらにインフレも高止まりするのであれば、FRBの追加利上げ観測はさらに強まります。
反対に、雇用が弱く、インフレも落ち着けば、利上げ観測は一気に後退する可能性があります。
つまり、今後のドル円は、
「日銀がどこまで利上げするのか」
だけではなく、
「FRBがどこまで利上げするのか」
という2つの金融政策を同時に見る必要があります。
これからのドル円は「金利差の縮小」がテーマになる
今までのドル円相場では、日米金利差の拡大が強力なドル高・円安材料となってきました。
しかし、今後はその逆です。
日銀が利上げを続け、FRBの利上げが限定的になれば、
日米金利差は徐々に縮小します。
この変化は、数日で相場を大きく変えるものではありません。
しかし半年、1年という時間軸で見ると、非常に大きなテーマになる可能性があります。
現在の158〜160円という水準だけを見るのではなく、
「半年後の日米金利差はどうなっているのか」
「1年後の日銀政策金利はいくらなのか」
という視点を持って相場を見ることが重要になってきます。
まとめ
今回の円高は、単なる一時的な値動きではなく、日銀の追加利上げを意識した動きが背景にあると考えています。
今後、日銀が9月に利上げし、さらに年末から来年初めに追加利上げを行うのであれば、日本の金利環境は大きく変わってきます。
一方で、FRBの利上げ回数が限定されれば、日米金利差は徐々に縮小します。
その場合、ドル円は短期的には高値圏を維持したとしても、中長期では155円方向への調整が起こりやすくなると見ています。
2026年後半のドル円は、
「ドルが強いか、円が弱いか」
だけを見る相場ではありません。
これからは、
「日銀とFRB、どちらがより速く金融政策を動かすのか」
この差を見る相場になっていきそうです。
今後の雇用統計、CPI、FOMC、そして日銀会合にはこれまで以上に注目していきたいところです。
それでは本日も、焦らず相場を見ていきましょう。