皆さんこんにちは。
8月17日(月)の相場について、まずは先週末の動きから振り返っていきます。
先週末の米国株はやや軟調な展開となりました。
* S&P500:13ポイント安
* NASDAQ:73ポイント安
一方、為替市場では**ドル安・円高方向**への動きが目立っています。
現在のドル円を見るうえで重要なのが、
**「米国の景気減速」**
と
**「日銀の利上げ観測」**
という2つの材料です。
米経済指標の弱さがドルの重しに
7月の米雇用統計以降、米国では市場予想を下回る経済指標が続いています。
米7月小売売上高は弱い結果となり、自動車を除いた数字についても市場予想を下回りました。
さらに、8月の米消費者マインドを示す指標も51ポイントと市場予想を下回っています。
こうした結果を受け、市場では米国の金融政策に対する見方が変化しています。
これまでドルを支えてきた「高金利が続く」という期待が少しずつ後退しており、これがドル売りにつながっています。
円売りポジションにも変化
8月11日時点のIMMポジションを見ると、円売りポジションは縮小しています。
7月末の日米協調介入後、投機筋がそれまで積み上げていた円売りポジションを徐々に閉じ始めている可能性があります。
つまり現在のドル円は、
**「新しく円を売る相場」から「これまで円を売っていた投資家がポジションを整理する相場」**
へ変わりつつある可能性があります。
ここは非常に重要な変化です。
日銀は9月か10月に利上げするのか
一方、日本では日銀の追加利上げ観測が高まっています。
市場では現在、
**9月または10月の日銀追加利上げ**
を予想する参加者が増えています。
仮に9月に利上げが行われれば、前回からの期間を考えても、これまでより利上げペースが速くなったと市場に受け取られる可能性があります。
そうなると、市場が想定する日銀の最終的な政策金利、いわゆる「ターミナルレート」についても上方修正されるでしょう。
現在より早いペースで正常化が進むのであれば、将来的に政策金利が2%程度まで上昇するシナリオを意識する投資家が増えても不思議ではありません。
到達時期についても、早ければ2027年末あたりまで前倒しされる可能性があります。
政策金利が2%近くまで上昇してくるのであれば、現在のような強烈な円安圧力はかなり弱くなると考えています。
なぜ日銀は利上げを迫られているのか
今回のポイントはここです。
日銀が積極的に利上げしたいから利上げするというよりも、
**「円安が止まらないため、利上げせざるを得なくなっている」**
という構図になりつつあります。
ゴールデンウィークには日本単独で為替介入を行いました。
しかし、それだけでは円安を十分に止めることができず、7月末には日米による協調介入に踏み切りました。
これは非常に大きな意味を持っています。
米国にも協力してもらって時間を稼いだにもかかわらず、その後に日本が何も金融政策を動かさないとなれば、市場から再び円売りを仕掛けられる可能性があります。
そのため日銀にとっても、
**「何もしない」という選択肢が取りにくくなっている**
と考えられます。
結局、日銀を動かしているのはドル円
本来であれば、日銀は国内景気や物価、賃金などを見ながら政策金利を決定します。
しかし現在は少し特殊です。
円安が進む
↓
物価上昇圧力が高まる
↓
政府・日銀への円安対策要求が強まる
↓
為替介入を実施
↓
それでも止まらなければ利上げ圧力が高まる
という流れになっています。
つまり極端に言えば、
**現在の日銀の利上げペースを決めているのは、日銀自身ではなくドル円相場**
とも言えます。
日銀としては、円安さえ落ち着けば、急いで政策金利を引き上げる必要性は小さくなります。
逆にドル円が再び大きく上昇するのであれば、追加利上げの可能性も高まってくるでしょう。
その意味でも、今後のドル円は単なる為替相場ではなく、日銀の金融政策そのものを左右する重要な指標になっています。
ドル円はしばらく様子見
先週末のドル円はドル安となり、小幅に下落しました。
米国では弱い経済指標が続く一方、日本では追加利上げ観測が高まっています。
これまでの
**「米金利上昇+日銀低金利=ドル高円安」**
という非常に分かりやすい構図が、少しずつ崩れ始めています。
そのため、今のドル円を無理に買い下がる必要はないと考えています。
上昇トレンドが完全に終了したと判断する段階ではありませんが、少なくとも以前よりも円高方向へのリスクが大きくなっています。
しばらくは方向性を確認したいところです。
今週は原油と地政学リスクにも注目
今週は欧米市場がまだ休暇シーズンということもあり、市場参加者が少なくなりやすい時期です。
その一方で、米国がイランに対する新たな経済制裁を打ち出す可能性もあり、地政学リスクには注意が必要です。
特に注目したいのが原油価格です。
イランを巡る材料によって原油価格が動けば、
* インフレ
* 米金利
* ドル
* 株式市場
まで連鎖的に反応する可能性があります。
材料が少ない相場だからこそ、一つのニュースで値動きが大きくなる可能性には注意しておきたいところです。
今週の投資戦略
現在の投資戦略としては、
**中長期ではユーロドルの押し目買い**
を少しずつ始めています。
米国の経済指標が弱くなり、ドル高を支えてきた環境が変化するのであれば、ユーロドルには上昇余地が出てきます。
一方、ドル円については日銀の金融政策と為替介入の影響が非常に大きくなっているため、現時点では無理にポジションを取らず、しばらく様子を見る方針です。
今の相場では、
**「ドル円だから買う」のではなく、ドルそのものが強いのか弱いのかを見ること**
が非常に重要になってきています。
米国と日本の金融政策が同時に変化し始めた場合、ドル円相場の大きな転換点になる可能性があります。
今週も経済指標だけでなく、中央銀行・為替介入・地政学ニュースまで幅広く確認しながら相場を見ていきたいと思います。
それでは本日も頑張っていきましょう。