7月21日のマーケットは、米国株が小幅安となる一方で、為替市場ではドル高基調が継続しました。イラン情勢を巡る報道によって原油価格が一時急落する場面もありましたが、地政学リスクそのものは依然として高く、市場全体のリスク回避姿勢に大きな変化は見られていません。
今回はドル円相場を中心に、今後の見通しについて詳しく解説します。
米国市場は小幅安
前日の米国市場は利益確定売りが優勢となりました。
S&P500:▲14ポイント
NASDAQ:▲12ポイント
指数の下落幅は限定的で、市場全体としては方向感に欠ける展開でした。
一方、為替市場ではドル買いが優勢となり、ドル円は162円台を維持しています。
イラン情勢で原油価格は乱高下
市場が最も注目しているのは中東情勢です。
イランが中国から「10日間の停戦案」を受け取ったとの報道を受け、一時的に原油価格は急落しました。
しかし、
アメリカによる攻撃は10日連続
イラン側はホルムズ海峡封鎖を示唆
と、軍事的緊張そのものはほとんど緩和されていません。
そのため、安全資産への資金移動やドル需要は依然として強い状態が続いています。
ドル円162円台が完全に定着
現在の最大のテーマはドル円です。
以前は150円付近を中心としたレンジ相場が続いていましたが、市場構造そのものが変化し始めています。
これまでのレンジ
140〜160円
今後想定されるレンジ
150〜170円
さらに中心価格(コアレンジ)は
155〜165円
へ移行しつつある可能性があります。
162円台で推移すること自体が「高すぎる」という認識ではなく、市場参加者にとって新たな基準になり始めています。
なぜ円安が止まらないのか
本来であれば歴史的な円安局面では政府や日銀が強く円安を是正しようとするはずです。
しかし実際には
大規模介入はゴールデンウィークのみ
その後はほぼ静観
補助金政策は円安要因
利上げにも慎重姿勢
と、一貫性のない政策が続いています。
市場参加者から見ると
「本気で円安を止めたい」
というメッセージはほとんど伝わってきません。
結果として、市場では
日本政府はある程度の円安を容認している
という見方が広がりつつあります。
ゴールデンウィーク介入は政治的パフォーマンスだったのか
今回、多くの投資家が疑問に感じている点があります。
160円台から行われた大規模介入以降、
ドル円は再び162円台まで上昇しています。
もし本気で円安を止めるのであれば、
追加介入やより強い金融政策が必要になるはずですが、その動きは見られません。
このため市場では、
「あの介入は一時的な政治的対応だったのではないか」
という見方も徐々に増えています。
日足チャート分析
ドル円日足を見ると、
25日移動平均線が162円台まで上昇してきました。
現在は
上値:162.83円付近
下値:25日移動平均線
という非常に狭いレンジで推移しています。
エネルギーをため込んでいる状態であり、
近いうちにどちらかへ大きく放れる可能性があります。
163円を超えたら介入か?
163円を超えたからといって、すぐ介入が入るとは限りません。
現在政府が最も警戒しているのは
価格そのものではなく、スピード
です。
例えば
1日で2〜3円急騰
数日で5円以上の急落
このような急激な円安になれば介入の可能性は高まります。
逆に、
ゆっくりと163円、164円へ上昇する展開であれば、
介入せずに様子を見る可能性も十分考えられます。
今後の注目ポイント
現在のドル円は、
地政学リスク
ドル高基調
日本政府の円安容認姿勢
この3つが重なり、非常に底堅い相場となっています。
短期的には163円突破が焦点ですが、
さらに重要なのは政府・日銀がどのタイミングで本格的な円安是正へ動くかです。
今週から来週にかけては介入警戒感が残るものの、8月以降は「介入ありき」で相場を考えるのではなく、市場のトレンドを重視した戦略が求められそうです。
相場は狭いレンジでエネルギーを蓄積しています。ブレイクアウトが近づいている可能性もあるため、今後の値動きには十分注意していきましょう。