ドル高はまだ終わっていない?米CPI・FRB議長発言・為替介入から考える今後のドル円【7月10日相場解説】

ドル高はまだ終わっていない?米CPI・FRB議長発言・為替介入から考える今後のドル円【7月10日相場解説】

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米国株は上昇した一方、為替市場ではドルが小幅に下落しました。

一見すると、ドル高の勢いが弱まり始めたようにも見えます。しかし、チャート全体を確認すると、現時点ではまだ本格的なドル安トレンドへ転換したとは言い切れません。

ドル円は25日移動平均線を上回り、ユーロドルは25日移動平均線を下回っています。

つまり、短期的な調整は入っているものの、ドル高の土台そのものはまだ崩れていない状況です。

今後の相場では、米国の消費者物価指数、FRB議長発言、日本政府・日銀による為替介入、そして月末の日米金融政策が重要な焦点になります。

今回は、これらの材料を整理しながら、今後のドル円相場で注目したいポイントを解説します。

米国株は上昇、ドルは小幅に下落


昨日の米国株式市場は上昇しました。

S&P500は60ポイント高、NASDAQは336ポイント高となり、株式市場では買いが優勢となりました。

一方、為替市場ではドルが小幅に下落しています。

ただし、ドルが1日下落したからといって、すぐにドル安トレンドへ転換したとは判断できません。

相場では、上昇トレンドの途中でも利益確定やポジション調整によって、一時的な下落が発生します。

重要なのは、単日の値動きではなく、移動平均線や直近安値といった重要な価格帯を割り込んでいるかどうかです。

現時点では、ドル円は25日移動平均線より上に位置しています。

そのため、現在の下落はトレンド転換ではなく、上昇の途中にある調整局面として見ることもできます。

来週の米CPIが大きな分岐点になる


今後のドル相場で特に重要なのが、米国の6月消費者物価指数、いわゆるCPIです。

CPIは、米国の物価上昇率を確認する代表的な経済指標です。

市場予想を上回る強い結果になれば、インフレ圧力が依然として強いと判断され、FRBによる利上げ観測が高まりやすくなります。

その場合、米国の金利上昇を背景にドルが買われ、ドル円が再び上昇する可能性があります。

反対に、CPIが市場予想を下回れば、インフレ鈍化への期待が高まり、利上げ観測が後退する可能性があります。

その場合はドルが売られ、ドル円が下落する展開も考えられます。

今回のCPIは、単なる経済指標のひとつではありません。

今後の金融政策とドル相場の方向を決める、非常に重要な分岐点になる可能性があります。

FRB議長発言にも注意が必要


CPIとあわせて注目したいのが、FRB議長の発言です。

経済指標の結果が同じでも、FRBがその数字をどのように評価するかによって、市場の反応は変わります。

たとえばCPIがやや弱い結果でも、FRB議長がインフレへの警戒を続ける姿勢を示せば、ドルが大きく売られない可能性があります。

反対に、CPIが強い結果でも、今後の景気減速や雇用悪化への懸念を強調すれば、利上げ観測が思ったほど高まらないこともあります。

つまり、数字だけを見て判断するのではなく、その後の要人発言まで確認する必要があります。

特に注目されるのは、9月の金融政策に対する市場の見方です。

現在、市場では利上げの可能性が意識されていますが、CPIとFRB議長発言を受けて、その確率がどのように変化するかが重要です。

利上げ確率がさらに上昇すればドル高要因となり、反対に50%を下回るような動きになれば、ドル安への転換が意識されやすくなります。

ドル円は25日移動平均線が重要


チャート上では、ドル円の25日移動平均線に注目したいところです。

現在、ドル円は25日移動平均線を上回っています。

一般的に、価格が移動平均線より上にある場合は上昇基調、下にある場合は下落基調と判断されやすくなります。

もちろん、移動平均線だけですべてを判断することはできません。

しかし、市場参加者の多くが意識する水準であるため、トレンド判断のひとつの目安になります。

今後、ドル円が25日移動平均線を明確に下回るようであれば、これまで続いてきたドル高・円安の流れに変化が起き始めた可能性があります。

さらに、本格的な下落へ進む場合は、直近の重要な安値を割り込む展開になることが考えられます。

一時的に移動平均線を下回っただけでは、すぐに下落トレンドと判断するのは危険です。

終値で定着するか、戻り局面で再び売られるかなど、値動きの継続性を確認することが重要です。

ユーロドルからドル全体の強さを確認する


ドル円だけでなく、ユーロドルの動きも確認しておきたいところです。

ユーロドルは現在、25日移動平均線を下回っています。

ユーロドルが下落しているということは、ユーロに対してドルが買われていることを意味します。

そのため、ドル円が多少下落していても、ユーロドルが弱いままであれば、ドル全体の強さはまだ残っている可能性があります。

一方、ユーロドルが25日移動平均線を上回り、1.15ドル方向へ上昇するようであれば、ドル安トレンドへの転換が意識されやすくなります。

ドル円だけを見ていると、その値動きがドル要因なのか、円要因なのか判断しにくいことがあります。

ユーロドルやドルインデックスもあわせて確認することで、ドルそのものの強さをより正確に把握できます。

日本の為替介入は再び行われるのか


ドル円相場では、日本政府・日銀による為替介入への警戒も続いています。

過去には、急激な円安が進行した際、日本の通貨当局が市場で円を買い、ドルを売る為替介入を実施しました。

今回も円安がさらに進めば、追加介入が行われる可能性はあります。

ただし、市場では、介入だけでドル高・円安の流れを長期間変えるのは難しいという見方もあります。

なぜなら、現在の円安には、日米金利差や金融政策の違いという大きな背景があるからです。

日本が低金利を続け、米国が高金利を維持するのであれば、ドルが買われやすく、円が売られやすい構造は簡単には変わりません。

為替介入によって一時的にドル円が大きく下落しても、根本的な環境が変わらなければ、再び円安方向へ戻る可能性があります。

介入にはサプライズが必要


仮に日本当局がドル円を大きく下落させ、150円方向まで押し戻したいのであれば、通常の為替介入だけでは不十分かもしれません。

市場が予想していないタイミングでの介入や、金融政策の変更、各国との協調など、何らかのサプライズが必要になる可能性があります。

一方で、当局が円安を完全に止めることではなく、上昇スピードを抑えることを目的としているのであれば、単発の介入でも一定の効果はあります。

介入警戒感を市場に残すことで、投機的なドル買いを抑え、円安の進行速度を鈍らせることができるからです。

介入は、トレンドを完全に反転させるものというより、相場の速度を調整する手段として見る必要があります。

月末の日米金融政策が本当の勝負


7月末には、日本とアメリカの金融政策発表が予定されています。

今後のドル円を中長期的に考えるうえでは、為替介入よりも金融政策の方向性の方が重要です。

米国が利上げや高金利維持を続け、日本が金融緩和的な姿勢を維持すれば、日米金利差は縮まりにくくなります。

その場合、ドル高・円安の流れが続く可能性があります。

一方、米国が利上げに慎重となり、日本銀行が金融正常化を進める姿勢を示せば、日米金利差の縮小が意識され、円高方向へ動く可能性があります。

相場の表面では為替介入が注目されやすいですが、本当に相場の方向を決めるのは金融政策です。

短期的には介入、長期的には金利差という視点を持つことが重要です。

8月前半はポジション解消に注意


7月末の金融政策イベントを通過すると、次に意識されるのが8月の夏季休暇シーズンです。

8月は海外の機関投資家や市場参加者が休暇に入るため、市場の流動性が低下しやすくなります。

また、休暇前に保有しているポジションを整理する動きも起こりやすくなります。

これまで積み上がってきたドル買い・円売りポジションが利益確定されれば、材料がなくてもドル安・円高へ動く可能性があります。

特に相場が一方向へ大きく傾いている場合、ポジション解消の動きによって、急激な反対方向への値動きが発生することがあります。

上昇トレンドだからといって、高値を追いかけ続けるのは危険です。

8月前半は、トレンドそのものよりも、ポジション調整による一時的な逆流に注意したい時期です。

今後考えられる3つのシナリオ


今後のドル円相場では、大きく3つのシナリオが考えられます。

シナリオ1 CPIが強く、ドル高が再加速する


CPIが市場予想を上回り、FRB議長もインフレ警戒を強調した場合、利上げ観測が高まりやすくなります。

この場合、ドル円は再び上昇し、直近高値を試す展開が考えられます。

同時に、日本当局による為替介入への警戒感も強まるでしょう。

シナリオ2 CPIが弱く、ドル安へ転換する


CPIが市場予想を下回り、FRB議長が慎重な姿勢を示した場合、利上げ観測が後退する可能性があります。

この場合、ドル円が25日移動平均線を下回り、ドル安・円高方向へ動くことが考えられます。

ユーロドルが25日移動平均線を上回れば、ドル安トレンドへの転換がより明確になります。

シナリオ3 材料不足で方向感が出ない


CPIとFRB議長発言が市場予想の範囲内だった場合、大きな方向感が出ない可能性があります。

その場合は、月末の日米金融政策や日本当局の為替介入を待ちながら、レンジ相場が続くことも考えられます。

トレードで意識したいこと


重要イベントの前後では、予想よりも値動きへの対応が大切です。

CPIが強いか弱いかを事前に当てることは簡単ではありません。

さらに、予想通りの結果が出ても、すでに相場へ織り込まれていれば、反対方向へ動くこともあります。

そのため、イベント前に大きなポジションを持つのではなく、結果が出た後の値動きを確認してから判断する方が安全です。

特に確認したいのは、次の3点です。

・ドル円が25日移動平均線を維持できるか
・ユーロドルが25日移動平均線を上回るか
・利上げ確率が上昇するか、低下するか

この3つを確認することで、ドル高が継続しているのか、トレンド転換が始まっているのかを判断しやすくなります。

まとめ

現在のドル円は、小幅な下落が見られるものの、まだドル高トレンドの中にあると考えられます。

ドル円は25日移動平均線を上回り、ユーロドルは25日移動平均線を下回っているため、ドル全体の強さは残っています。

今後の注目材料は、米国CPI、FRB議長発言、日本の為替介入、そして月末の日米金融政策です。

さらに、8月前半には夏季休暇前のポジション解消によって、ドル安・円高方向への調整が起きる可能性もあります。

相場では、予想を当てることよりも、変化が起きたことをチャートで確認することが重要です。

ドル円が25日移動平均線を割り込むのか。

ユーロドルが上昇へ転じるのか。

利上げ観測が後退するのか。

これらの変化を丁寧に確認しながら、決めつけずに対応していきたい局面です。

重要イベント前後は値動きが大きくなる可能性があるため、ポジションサイズを抑え、無理なエントリーを避けることも意識しておきましょう。

※本記事は相場情報の提供を目的としたものであり、特定の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。


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