弱い米雇用統計でドル円急落。それでも上昇トレンドは終わっていない?【7月3日相場解説】

弱い米雇用統計でドル円急落。それでも上昇トレンドは終わっていない?【7月3日相場解説】

記事
マネー・副業


7月3日の為替相場では、米雇用統計をきっかけにドル売りが強まり、ドル円は一時160円64銭付近まで下落しました。

大きく下げたことで、

「ドル円の上昇トレンドは終わったのか」

「ここから本格的な円高になるのか」

と感じた方も多かったかもしれません。

しかし、チャート全体を見ると、現時点ではまだ上昇トレンドが完全に崩れたとは言い切れません。

今回は、米雇用統計の内容、ドル円が下落した理由、今後の重要ポイントについて解説します。

米雇用統計は弱い内容


注目された米国の6月雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比5万7,000人増となり、市場予想を大きく下回りました。

さらに、前月分の数字も下方修正されています。

失業率は4.2%となり、市場予想より低い結果でした。

一見すると、失業率の低下は労働市場の強さを示しているようにも見えます。

ただし今回は、労働参加率の低下が失業率を押し下げた面があり、手放しで良い結果とは評価できません。

平均時給は前年同月比3.5%上昇となり、市場予想どおりでした。

今回の雇用統計を総合的に見ると、米国の労働市場は少しずつ減速していると考えられます。

そのため、為替市場では米国の追加利上げ観測が後退し、ドル売りが進みました。

ドル円は160円台まで急落


雇用統計発表後、ドル円は一時160円64銭付近まで下落しました。

ただし、今回の下落は雇用統計だけが原因ではありません。

直近の為替市場では、ドル円だけでなくドル全体に買いポジションが積み上がっていました。

そこへ弱い雇用統計が発表されたことで、投資家がドル買いポジションを一斉に手仕舞う動きが強まりました。

いわゆる、ドルロングの巻き戻しです。

さらに、米国の独立記念日に伴う3連休を控えていたため、週末前のポジション調整も起きやすい状況でした。

材料が重なったことで、ドル円の下落幅が大きくなったと考えられます。

25日移動平均線が重要なサポートに


ドル円の日足チャートを見ると、大きく下落したものの、25日移動平均線付近で下げ止まっています。

移動平均線とは、一定期間の価格の平均を線で表したものです。

25日移動平均線は、多くの市場参加者が意識している代表的なテクニカル指標のひとつです。

この25日移動平均線を明確に下抜けずに反発している間は、まだ上昇トレンドが継続していると見ることができます。

逆に、25日移動平均線を明確に割り込み、その後も戻せない場合には、上昇トレンドが変化する可能性があります。

つまり、今回の急落だけを見て、すぐに円高トレンドへ転換したと判断するのは早いでしょう。

162円は今後の大きな分岐点


今後のドル円相場では、162円が非常に重要な価格帯になります。

162円を明確に上抜けて定着した場合、ドル円はさらに上値を試しやすくなります。

一方で、162円を超えてもすぐに押し戻される場合には、上値の重さが意識されます。

重要なのは、一時的に162円を超えるかどうかではありません。

162円より上の水準を維持できるかどうかです。

仮に162円が新たなサポートラインになった場合、相場の景色は大きく変わります。

反対に、何度挑戦しても162円を超えられない場合には、ダブルトップのような天井形成につながる可能性もあります。

日本政府・日銀は介入するのか


円安が進む中で、多くの投資家が注目しているのが、日本政府・日銀による為替介入です。

過去には、ドル円が急上昇した局面で円買い介入が実施されました。

しかし最近は、介入を行えば相場の上昇トレンドを崩せそうな場面でも、追加介入は確認されていません。

このため、市場では、

「日本当局は本当に円安を止めるつもりがあるのか」

という疑問も出ています。

為替介入は、単独で行っても効果が長続きしないことがあります。

特に、日米の金利差が大きい状態では、介入によって一時的に円高になっても、再び円安方向へ戻りやすくなります。

そのため、日本当局としても、介入のタイミングを慎重に見極めている可能性があります。

米国の利上げ観測は今後後退する可能性


今後のドル相場を考えるうえでは、米国の金融政策が重要です。

今回の雇用統計が弱かったことで、米国の追加利上げ観測は後退しました。

また、原油価格が下落していることも、インフレ圧力を弱める要因になります。

仮に一時的にインフレが上昇したとしても、FRBがすぐに何度も利上げを行うとは限りません。

個人的には、年内の利上げは多くても1回程度、場合によっては0回になる可能性もあると考えています。

利上げ観測が後退すれば、米国金利も上昇しにくくなり、ドル買いの勢いも弱まりやすくなります。

そのため、中期的にはドル円の上値も徐々に重くなる可能性があります。

本日の相場で注意したいこと


米国市場が休場となる日は、通常よりも取引量が少なくなります。

取引量が少ない相場では、普段なら動かないような小さな注文でも、価格が大きく動くことがあります。

そのため、値動きが穏やかに見えても油断はできません。

特に週末は、ポジション調整や突発的なニュースによって、一方向に急に動くことがあります。

本日は、無理に利益を狙うよりも、重要な価格帯を確認しながら慎重に取引することが大切です。

まとめ


今回のドル円下落は、弱い米雇用統計に加え、積み上がったドル買いポジションの巻き戻しや、米国3連休前のポジション調整が重なったものです。

大きく下落しましたが、日足の25日移動平均線は維持されています。

そのため、現時点ではまだ上昇トレンドの範囲内と考えられます。

今後の注目ポイントは、次の3つです。

・25日移動平均線を維持できるか
・162円を明確に上抜けて定着できるか
・日本政府・日銀が追加介入を行うか

さらに、米国の利上げ観測が今後も後退する場合、ドル円の上値は徐々に重くなる可能性があります。

目先の値動きだけで判断せず、チャートの節目、金融政策、ポジション動向を総合的に確認していくことが重要です。

相場が大きく動いた直後ほど、焦ってエントリーしないことが大切です。

値動きを追いかけるのではなく、どこが重要な分岐点なのかを整理してから取引していきましょう。

関連サービスカテゴリ

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す