赤本の解答を批判するパフォーマンスについて

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予備校の先生の中には、赤本の解答を批判する先生がおられます。

訳に無理があったり、英作文の動詞の使い方を批判したり、いろんなパタ
ーンがあるでしょう。

そして、ご自身が作成された素晴らしい模範解答を提示することで、生徒の信頼を集め、尊敬されるかもしれません。

これ自体は素晴らしいと思いますが、少しだけ赤本作成者の立場を擁護しておきます。

赤本作成者は模範解答を作成する際に、何も参照するものがありません。
誰かが作った模範解答を批判的な目で見るのは容易です。

『ここは不要』

『ここは入れておかないと減点になるかも』

といった考えが出てきます。

参照するものがない状態で解答を作成するのと、誰かが作った解答を批判的に見るのでは、労力が全然違います。

叩き台を基によりよい解答を提示すること自体はよいことだと思います。

しかし、赤本作成者の苦労も思いやるべきでしょう。

大学受験の世界から離れても事は同じです。

文学作品の翻訳について考えてみましょう。

サン=テグジュペリというフランス作家の『星の王子さま』の翻訳について。

最初の翻訳は1953年に出版されました。内藤訳です。

その後、翻訳著作権が切れたことで2005年に次々と翻訳が出ました。

私はフランス語検定準1級までは持っています。ある程度はフランス語も読めます。

その上で申し上げますと、新訳の方が文法的に正しいです。

しかし、最初の訳が出版された1953年は電子辞書もありません。今では様々な辞書がありますが、この時代は辞書も文法書も限られていたでしょう。

その状況下で、最初に翻訳を出したのです。

このことは加味されてしかるべきだと私は思うのです。

赤本の解答も、最初に叩き台を作るという点で、敬意は払うべきだと思います。また、赤本の解答でほとんど点がもらえないということは、ないと思います。

上位大学の入試問題を勉強する場合、満点の模範解答と8割の模範解答を参照するのと、それほど大差はありません。

大学の採点基準というのは、基本的に非公開です。

予備校講師の作った解答で満点かどうかわかりません。また、赤本の解答で本当に減点されるかもわかりません。

そうしたことを踏まえると安易な批判をするよりも、尊重した上で意見を添えるというスタンスがよいと思います。
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