「このまま髪がもっと薄くなったらどうしよう」
「この抜け毛、ずっと続くのかな」
「周りの人は、私の頭を見ているんじゃないか」
「何かしなきゃ。でも、何をしたらいいのか分からない」
髪や頭皮のことで悩み始めると、気がつけば一日中そのことを考えてしまうことがあります。
鏡を見る。
分け目を確認する。
抜けた髪の毛が気になる。
スマホで検索する。
育毛剤を調べる。
また鏡を見る。
そして、まだ起きてもいない未来まで想像して、
「このまま全部なくなってしまったら……」
と怖くなってしまう。
私は美容師として30年以上、そして頭皮や薄毛のお悩みに18年間携わってきました。
たくさんの女性のお話を聞いてきた中で感じていることがあります。
それは、
**不安が大きくなっているときほど、「今、本当に起きていること」と「これから起こるかもしれないと想像していること」が混ざってしまう**
ということです。
## 髪の悩みは、髪だけの悩みではありません
薄毛や抜け毛は、もちろん髪の悩みです。
でも長く女性の相談を受けていると、それだけではないことが分かります。
「人からどう見られているんだろう」
「老けて見えるんじゃないか」
「女性として見てもらえなくなるんじゃないか」
「以前の自分には戻れないんじゃないか」
髪の変化をきっかけに、自分自身への自信まで少しずつ失ってしまうことがあります。
だから私は、頭皮だけを見ればいいとは思っていません。
まず、
**「今、一番つらいことは何ですか?」**
そこから始めることを大切にしてきました。
## 不安になると、人は「何かしなきゃ」と思います
人は不安になると、じっとしていることが怖くなります。
とにかく何かしたい。
早く何とかしたい。
その気持ちは、とてもよく分かります。
ネットで「女性 薄毛 改善」と検索して、
育毛剤。
シャンプー。
サプリメント。
頭皮マッサージ。
美容機器。
次から次へと情報が出てくる。
口コミを読めば、
「これで髪が変わりました」
という言葉もあります。
すると、
「私もこれを使わなきゃ」
と思ってしまうことがあります。
一つ買って効果が分からなければ、次の商品へ。
それでも不安なら、また検索する。
でも、そんなときこそ一度止まってほしいと思っています。
**その商品は、本当に今のあなたに必要でしょうか?**
## まず「今」を一緒に見てみる
私は相談を受けるとき、いきなり商品をおすすめすることを大切にはしていません。
まず現在の状態を整理します。
いつ頃から気になり始めたのか。
抜け毛なのか。
分け目なのか。
生え際なのか。
髪が細くなったと感じるのか。
頭皮に違和感があるのか。
生活に何か変化があったのか。
そして、
「実際に起きていること」と、
「不安から想像していること」を、
一つずつ分けていきます。
例えば、
「このまま全部なくなる気がします」
という不安と、
「最近、分け目が以前より気になるようになりました」
という現在の状態は、同じではありません。
もちろん、髪の変化には医療機関で確認したほうがよいものもあります。
だからこそ、不安だけで判断せず、
**今の状態をきちんと見ること。**
そこから始めることが大切だと思っています。
## 答えを押しつけることが、相談ではないと思っています
私は30年以上、美容師としてお客様と向き合ってきました。
長くカウンセリングをしてきて、気づいたことがあります。
悩んでいる人が、必ずしも「正解を教えてほしい」と思っているとは限らないということです。
たくさん話しているうちに、
「私、本当はここが一番気になっていたんですね」
とご自身で気づく方もいます。
「薄毛が怖い」のではなく、
人の視線が怖かった。
以前の自分と比べてしまうことが苦しかった。
何を信じればいいのか分からないことが不安だった。
悩みの中身が整理されるだけで、表情が少し変わることがあります。
だから私は、
「これを使ってください」
「こうしなければいけません」
と、最初から答えを決めることより、
**その人自身が何に困っていて、どうなりたいのかを一緒に見つけること**
を大切にしています。
## まだ起きていない未来に、今日を奪われないでほしい
髪の悩みに限ったことではありません。
人は、
「こうなったらどうしよう」
という、まだ起きていない未来に不安を感じます。
もちろん、将来を考えて準備することは大切です。
でも、
「もっと薄くなるかもしれない」
「誰かに笑われるかもしれない」
「もう元には戻らないかもしれない」
という未来の想像で、今日一日まで苦しくなってしまったら、とてもつらいと思います。
だから一度、
**「今日、本当に起きていることは何だろう?」**
と考えてみてください。
それだけでも、不安と現実の間に少しだけ隙間ができることがあります。
## 鏡を見るたび、自分を責めなくていい
髪が以前と違う。
分け目が気になる。
抜け毛が増えた。
そんな変化があれば、落ち込むのは当然です。
「気にしないで」
なんて、簡単には言えません。
私自身、美容師だからこそ、髪が女性の気持ちにどれだけ影響するのかを長年見てきました。
だからこそ、
不安を煽りたくありません。
必要のない商品をすすめたくありません。
「絶対に大丈夫」と根拠なく言うこともしたくありません。
必要なら専門の医療機関へ相談することも大切です。
そのうえで、美容師としてできることがあるなら、一緒に考えたいと思っています。
## 「もう一度、鏡を見たくなる」ために
私は、髪が生えればすべて終わりだとは思っていません。
髪のことで頭がいっぱいだった女性が、
少し外へ出たくなった。
好きな洋服を着たくなった。
美容室へ行ってみようと思った。
久しぶりに鏡を見て、
「今日の私、ちょっといいかも」
と思えた。
私は、そこまで含めて「キレイになること」だと思っています。
髪の悩みを抱えているとき、
一人で検索を続けていると、どんどん不安が大きくなることがあります。
そんなときは、
「私は今、何に一番困っているんだろう?」
そこから一緒に整理してみませんか。
答えを押しつけるためではなく。
不安を煽って何かを売るためでもなく。
今のあなたに必要なことを、一緒に考えるために。
美容師として30年以上。
頭皮や薄毛に悩む女性と向き合って18年。
その経験を使って、
**自信をなくした女性が、もう一度鏡を見たくなるきっかけをつくる。**
そんな相談ができる場所でありたいと思っています。