先日、娘と一緒に、娘が小学生の頃からずっと大切にしてきた漫画の展示を見に行きました。
小学生の頃、その漫画の主人公に自分を重ね、励まされていた娘。
高校生になった今、いろいろなことを経験してから改めてその作品の世界に触れ、帰りにこんなことを言いました。
「私もまた、主人公みたいな素敵な女子になる!」
私は、その言葉がとても嬉しかったのです。
そして同時に、美容師としてこれまで出会ってきた女性たちのことを思い出しました。
## 髪が気になり始めてから、自分まで嫌いになっていませんか?
美容師として30年以上。
その中で18年、頭皮や薄毛に悩む女性のお話を聞いてきました。
相談に来られる方が悩んでいるのは、髪の毛だけではありません。
「分け目を見られている気がする」
「後ろから見られるのが怖い」
「写真を撮りたくない」
「美容院へ行くのも恥ずかしい」
「以前は好きだった服が似合わない気がする」
「鏡を見るたびに落ち込む」
髪の悩みから始まったはずなのに、少しずつ自信までなくしてしまう。
そんな女性を、私はたくさん見てきました。
だから私は、薄毛相談をしていて時々思うのです。
その方が本当に取り戻したいのは、
「髪」だけなのだろうか、と。
## 「髪が戻ったら、また○○したい」
相談の中で、
「髪が戻ったら……」
という言葉を聞くことがあります。
髪が戻ったら、おしゃれしたい。
髪が戻ったら、人に会いたい。
髪が戻ったら、写真を撮りたい。
髪が戻ったら、美容院へ行きたい。
髪が戻ったら、自信を持ちたい。
もちろん、髪の状態を改善したいという気持ちは大切です。
そのために、頭皮の状態を確認したり、必要なケアを考えたり、場合によっては医療機関への相談を検討したりすることも必要です。
でも私は、
**「髪が変わるまで、自分の人生まで待たなくてもいい」**
とも思っています。
## 「絶対に生えます」とは言えません
私は相談を受けるとき、
「これを使えば必ず生えます」
とは言いません。
薄毛や抜け毛の原因は一つではありません。
年齢による変化、ホルモン、体調、病気、薬剤、栄養状態、頭皮の状態など、さまざまな要因が関係することがあります。
医療機関での診察が必要になる場合もあります。
だから、無責任に、
「大丈夫、絶対生えますよ」
とは言いたくありません。
そして、不安を大きくして商品を購入してもらうような相談もしたくありません。
必要なものは必要。
必要ではないものは、無理に増やさなくてもいい。
それが、長く女性の髪と頭皮に向き合ってきた私が大切にしていることです。
## でも「素敵になりたい」は諦めなくていい
髪について約束できないことはあります。
でも、一つだけ伝えたいことがあります。
**薄毛が気になるからといって、「素敵になりたい」という気持ちまで諦めなくていい。**
髪が以前と違っても、
好きな服を着ていい。
メイクを楽しんでいい。
美容院へ行っていい。
写真に写っていい。
誰かに会っていい。
恋をしてもいい。
そして、
「私ももう一度、自分を好きになりたい」
と思っていい。
髪の悩みを抱えた瞬間から、その人の魅力までなくなってしまうわけではありません。
## 髪だけを見る相談にしたくない理由
頭皮の相談なのだから、
頭皮だけを見ればいい。
育毛剤の相談なのだから、
商品だけ説明すればいい。
そういう考え方もあると思います。
でも私は、それだけでは足りないと思っています。
「いつ頃から気になりましたか?」
「どんなときに一番辛いですか?」
「今までどんなケアをしてきましたか?」
「何が一番不安ですか?」
そんなことも聞かせていただきたい。
なぜなら、
同じように「分け目が気になる」という女性でも、その悩みの中身は全く違うからです。
鏡を見ることが辛い人。
家族に言えず、一人で検索を続けている人。
何種類もの商品を買ってしまった人。
外出すると、人の視線ばかり気になってしまう人。
「このまま全部なくなったらどうしよう」と、まだ起きていない未来まで怖くなっている人。
髪の状態だけでは、その方の悩み全部は分かりません。
だから私は、
**髪を見る前に、その髪と毎日を過ごしている「その人」を見たい。**
そう思っています。
## 「何を使えばいいですか?」だけじゃなくていい
薄毛相談というと、
「おすすめの育毛剤を教えてもらう場所」
と思われるかもしれません。
もちろん必要であれば、ケアについて一緒に考えます。
でも、
「何をしたらいいか分からない」
でもいいのです。
「誰にも話せなかった」
でもいい。
「毎日鏡を見るのが辛い」
でもいい。
「検索しすぎて疲れました」
でもいい。
最初から答えが決まっていなくても大丈夫です。
お話を聞きながら、
何に一番困っているのか。
今しているケアで続けた方がいいことは何か。
やめてもいいことはあるか。
これからできることは何か。
一つずつ整理していけばいいと思っています。
## 髪が生えるまで、幸せを待たなくていい
娘が、
「私もまた素敵な女子になる!」
と言ったとき、私はとてもいい言葉だと思いました。
誰かが自分を変えてくれるのを待つのではなく、
自分から、
「こんな自分になりたい」
と思うこと。
これは髪に悩んでいる女性にも、同じように大切なことなのではないでしょうか。
「髪が戻ったら」
ではなく、
今日できることもあります。
好きな服を着る。
少し髪型を変えてみる。
久しぶりにメイクをしてみる。
好きなものを食べる。
外へ出てみる。
誰かに悩みを話してみる。
もちろん、そんな気持ちになれない日だってあります。
そんな日は、無理に前向きになる必要もありません。
でも、
**「また素敵になりたい」**
と思えた日には、その気持ちを大切にしてほしいと思います。
## 私が目指している薄毛相談
私は、髪を増やすことだけをゴールにした相談ではなく、
髪の悩みによって自信をなくしてしまった女性が、
「これならできそう」
「少し安心した」
「もう一度、自分を大切にしてみようかな」
と思える相談をしたいと思っています。
美容師として30年以上。
頭皮や薄毛のお悩みに向き合って18年。
その経験を使って、
不安を煽らず、
必要のない商品をすすめず、
その方に必要なことを一緒に整理する。
そして、
髪だけではなく、その方の気持ちにも寄り添う。
それが私の相談です。
もし今、
髪のことで自信をなくしているなら、
一人で答えを探し続けなくても大丈夫です。
今までどんなことで悩んできたのか。
何を試してきたのか。
そして本当は、
これからどんな自分でいたいのか。
そこから一緒にお話ししましょう。
髪がどうなるかだけではなく、
**もう一度、鏡を見たくなるきっかけを。**
「私もまた素敵になりたい」
そう思ったその気持ちを、大切にできる相談でありたいと思っています。