「『雑談力』を養うためにすべきことを」順天堂大学薬学部2024年総合型

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(1)問題




次の課題文を読み、以下の問いに答えなさい。課題文で述べられている「雑談力」とはどのようなものかを150字程度で述べ、次にあなたが「雑談力」を養うためにすべきことを論じなさい。ただし、全体で800字以内とする。



【課題文】



①  人生で1度だけ、五月病になりそうだったときがある。入社した年のことだ。初任地は、縁もゆかりもない広島支局だった。新人記者は警察署を回り、口の堅い警察官から「ネタ」を取るという修業を通じて、記者としての基礎体力を養う。



②  私は毎朝、「おはようございます。とくに変わりはありませんか。」の後が続かなかった。先輩に相談すると「カープの話とか何でもいいんだよ。」と言われたが、選手の名前も知らない。ちょうどJリーグが開幕した年で'これだ。」とサンフレッチェ広島のことを話題にしてみたが、スルーされた。



③  もともと人見知りだったのだが、以来、以前にも増して「雑談力」に苦手イシキ(ア)を持つようになった。



④  そんな私が、雑談をあれほど恋しく思う日がくるとは。3年前の春、コロナの感染拡大で子どもの小学校が休校となり、在宅勤務を選択せざるを得なくなったときだ。同僚の出張土産を「おいしい」と言いながらほおばる、ドラマの話で盛り上がる――。何げないやりとりに、実は自分が癒やされていたことに正直、驚いた。



⑤  だから再び出社の機会が増えたときは、できるだけ周囲との雑談を心がけようとした。しかしそこで再び、壁にぶっかった。



⑥  突然、自席に来て話しかけられることを「デスク爆弾」と呼ぶと、何かで読んだのだ。コロナ禍を機に、顔を合わせてのやりとりに不快感を抱く人が増えたことが背景にはあるらしい。ふたたび雑談ヘの抵抗感が生まれた。



⑦  雑談力はどうやったら磨けるのか。試しに対話型人工知能のChat GPT(チャットGPT)に「雑談しよう。」と言ってみると「はい、何についてお話ししましようか。」と言われ、雑談する気持ちがなえた。



⑧  人工知能との会話について研究しているF大学のN教授も、学生のころは雑談が苦手だったという。「色んな意味で勉強ばかりしていたので、世間のことを知らないわけです。あまり知らない野球の話題を持ち出して、途中で話が通じなくなるなど、何度も痛い目にあって。」



⑨  人類が培ってきたボウ(イ)ダイな情報が詰め込まれている人工知能は、どんな話題をふっても答えてくれる。では、チャットGPTは雑談の名手なのか。「とにかく何でも知っている大博士です。わからないことをしつこく聞いて、人間だったら怒り出すようなときでもとことんつきあってくれる。文脈はよくわかっていますよ。でもそれは、単なるインタラクション(情報のやりとり)であって、雑談ではないと思います。」



⑩  人とチャットGPTの一番の違いは、「個」があるかどうか、だとN教授は指摘する。人にはそれぞれ歴史があり、相手との関係を深めるということは、互いに共有の歴史を積み上げていくことだ。



⑪  雑談をしている間、私たちは無イシキ(ア)的に相手の人間性を感じ取っている。雑談の目的の一つが相手を知ることだとしたら、「個」がない相手のことを掘り下げることはできないし、そもそも関係性を発展させることもできない。「僕はチャットGPTがどんなAI(人工知能)か知りたいのでやりとりすことは好きですが、そこに個はないので関係を深めたいとは思いません。」



⑫  ああ、そういうことだったのか。N教授と話をしていて、私が警察官と雑談できなかった理由がわかった。共通の話題がないからだと思っていたが、そもそも相手のことを知りたいとは思っていなかった。だからにわか仕込みのサンフレッチェの話題を出しても、駄目だったのだ。


 (朝日新聞デジタル多事奏論2023年5月2日岡崎明子著 一部改変)

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(2)解答例




 雑談力とは、人生遍歴によって醸成された相手の「個」や人間性を感じ取り、相手との関係性を掘り下げて相手のことをもっと知りたいと思う目的のもとに培われるものである。人工知能の一種であるチャットGPTは文脈がわかり会話もできるが、「個性」がないので、その会話は単なる情報のやりとりであって、雑談ではない。



 雑談力を養うためには、相手の人間性を尊重すること、傾聴力、社会についての広くて豊富な知識の3点が必要である。

相手の人間性の尊重については、雑談はとりとめのない話を通して散見される相手の人生遍歴や価値観を知ることができる。相手の悩みや喜びの背景には、その人固有の考え方や理想と現実の断絶などが潜んでいる。このような相手の人生に共感し、人間性を尊重することで、相手はまた自分と話したいと思うようになる。



 次に傾聴力nいついて考察する。雑談は基本的には双方向のものであるが、まずは相手の話をよく聴くことが求められる。聴く際には、相手の話を遮らずに聴く、時々相槌を打つ。相手を否定するような応答は慎むなどの注意が必要である。

 最後に、社会についての広くて豊富な知識があれば、どのような話題にも対応できる。そのためには普段から新聞などをよく読み情報を収集することが大切である。社会的なトピックスについて、的確なコメントが言えるようになれば、相手から一目置かれる存在となる。大学での学び、特に教養は物事の本質を深く知り、洞察力を養うために必須となる。



 臨床での患者との雑談は、さまざまな情報を得る機会である。現在患者が置かれた状況を知り、悩みや課題の一端を垣間見させてくれる。私は貴学でコミュニケーション学を学び。一般教養を身に着けることで雑談力を養いたい。専門的な対話に加えて患者と雑談ができる薬剤師になることが私の目標である。(800字)



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