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No1. 君たちはどう生きるか/吉野源三郎


 15歳・中学2年生の”コペル君”こと本田潤一少年と、卓越した哲学・人生論を持つ叔父さんとの、生きていくうえで出会う大切な事象について、2人の「交換ノート」による問答の変遷を綴った物語がこの作品の骨子となっている。

 本書のタイトル『君たちはどう生きるべきか』で扱っているテーマは、生きづらい困難な時代を自分らしく歩んでいくためにはどうしたら良いのか? というものである。

 それに対する一つの答えとして、世の中の本質を突く良い「問い」を持ち続けることが挙げられる。
 叔父さんの投げかけた「問い」のひとつ、ニュートンを例にとってみよう。ニュートンは万有引力の発見で知られているが、それは「単に」期から林檎が落ちるのを見たからではない。それはあくまで着火剤に過ぎず、落下する高さを増やし、何千メートル、何万メートルから落としても落ちてくるはずだ。

しかし、月は落ちてこない。なぜなのか? 真の仮説はここからスタートしていることを念頭に置かなくてはならない。

 この「問い」に対してコペル君は必死に必死に「交換ノート」に自分の見立てを書き連ね、叔父さんの返事を待つ。この一連の自問自答に良き示唆を与えてくれる叔父さんの構図は、現代が抱える社会問題・道徳問題・貧困問題に重なる点が多く、非常にマッチしている。

 友人の浦川君の貧しき生活は、「身体を壊したら一番困る人たちが、一番身体を壊しやすい環境に生きている」ことをよく言い当てている。皇帝ナポレオンの偉業も、結局、大きな流れの中に漂っている「一つの水玉」に過ぎないことにしっかりと気づかなければならない。そして、冬のコペル君に起こった、窮地に立たされた友だちを見捨てた事件も、「人間は誤りをおかすこともあるが、自分で自分を決定し、立ち直ることもできる」と叔父さんは優しく諫めている姿に共感せずにはいられない。

 では、現代に生きる我々はどうすればいいのか?

 まず、生活の中に「問い」を持つクセをつける。合点がいかないことがあったら自力でとことん考える。最終的には、自分なりの世の中を見る良い「レンズ」を自作するのだ。

 そしてこの「問い」に答える。

 「君たちはどう生きるべきか」


『君たちはどう生きるか』レビュー

本書が約85年前に出版されたことが驚きです。
当時で言えば「修身」(道徳)を主題としていますが、現代社会の抱える
人間関係や貧困問題などは、少しも色褪せていません。

そこが正直、目からウロコでした。

コペル君が

①粉ミルクが日本にくるまで
②粉ミルクが日本にきてから

のサプライチェーンを”自力”で発見していく様は
まさに、今の子どもたちが必要としている
想像力・具体化力をフルに発揮している点に注目です。

このような社会構造を考えることは
決して早すぎもせず、
むしろ、こんな多感な中学生の頃から考えるべき問題だと
改めて思い知らされました。

宮崎駿監督がアニメ映画化するのも納得です^^
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