管理職を避ける文化をカッツモデルで打開する!

管理職を避ける文化をカッツモデルで打開する!

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コラム

1.役割を明確にできるカッツモデル


組織というものは、それぞれが役割を果たし続けるために、必要な能力を備えていなければなりません。


それを分かりやすく示している理論と図が「カッツモデル(カッツ理論)」です。


これは1955年に、アメリカの経営学者ロバート・L・カッツが提唱した理論で、職位に応じて必要な能力を・・

「テクニカルスキル(専門技能)」
「ヒューマンスキル(対人関係力)」
「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」の三つに分類しています。


現場に近いほど専門技能が、上位職にいくほど全体を捉える概念化能力が重要となり、対人関係力はすべての階層において不可欠とされています。

つまり、役職に応じて求められる能力の“比重”が変化することを示したモデルです。


私はこのモデルを、日本社会事業大学専門職大学院の講義で初めて知りました。

ちょうど経営コンサルタントとして役割理論に言及していた時期でもあり、
大きな衝撃を受けたことを覚えています。




2.名選手は名監督になれない


カッツモデルが重要である理由は、昇進や役割の変化に伴い、「求められる能力の質」が変わることを明確に示している点にあります。


多くの組織では、現場で優秀な人材をそのまま管理職に登用しますが、実際に求められるのは専門技能だけではありません。


対人関係力や全体を捉える思考力が不可欠になります。


名プレイヤーが名監督になれないのと同じように、優秀な現場人材が必ずしも管理職として機能するとは限りません。


下位から上位へと役割が移行する過程においては、論理的思考力や言語化能力、状況把握力などが求められます。

これらが備わっていなければ、チームや部署をまとめ、組織として成果を出すことは難しくなります。



3.管理職を避ける文化


医療・介護・福祉業界においては、人員基準を満たすために国家資格者等の配置が求められるため、テクニカルスキルを重視した現場志向の人材が、そのままの思考で上位職に昇格するケースが多く見られます。


しかし、カッツモデルの考え方に基づけば、問題の本質や全体構造を捉えるコンセプチュアルスキルの量を高める必要があります。


それにもかかわらず、実際の現場では、職位が上がるタイミングで十分な教育機会が提供されないまま、立場と責任だけを負わされるケースが少なくありません。


その結果として、近年見られる「管理職を避ける文化」が若い世代に広がっているのだと考えられます。


カッツモデルの優れている点は、どの職位においてもヒューマンスキル(対人関係能力)の重要度が一貫して高いことを示している点です。


これは、AIが発達した現代においても、人と人が社会を形成しているという本質を踏まえれば、極めて自然な示唆だと思います。

私は、半世紀以上前に、この普遍性を理論として提示していたことに、提唱者の偉大さを感じずにはいられません。


とりわけ、人の手と対話を中心に価値を生み出す地域福祉・地域医療の現場において、カッツモデルは組織力を高めるための実践的理論となります。


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