社会福祉でお金を稼ぐのは「悪」ではない

社会福祉でお金を稼ぐのは「悪」ではない

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コラム



1.ボランティア団体も組織の一つ


組織というものは、決して資本主義社会の中で競争し続ける「利益追求型」の存在だけを指すものではありません。

たとえ法人格を有していなくとも、共通の目標・目的のもとに人が集まり、一人ひとりが明確な役割を持っているのであれば、それがボランティアであっても、十分に「組織」と呼ぶことができるでしょう。


私が思い浮かべるのは、NPO法人や社会福祉法人です。


これらは一般的に「非営利型組織」として認識されていますが、「売上を求めてはならない」という規定があるわけではありません。


むしろ、この資本主義社会において、どのような組織形態であっても、目的に向かって進み続けるためには、一定の資金が不可欠です。




2.お金を稼ぐことは「悪いこと」である認識



医療・介護・福祉業界で働く専門職人材は、「人助け」という価値観を根底に持っているため、非営利的な組織観に親和性を持ちやすい傾向があります。

しかし、だからといって「お金を稼ぐこと」を軽視してしまえば、それは単なるボランティアとなり、活動する人々は結果として自己犠牲を強いられることになります。


もちろん、実際には自己犠牲ではなく、自己投資として社会貢献に取り組んでいる人も多く存在します。

だからこそ、彼らは「有志」として活動し続けているのだと思います。


ところが、こうした組織や仕事に関わる人の中には、「お金を稼ぐこと」をどこかで“悪”と捉えてしまう傾向が見受けられます。


その状態のまま、利益追求型である株式会社や合同会社に身を置いたとき、「売上重視・先行型」という資本主義の本質的な在り方に直面し、大きなギャップや違和感を覚え、内面的な葛藤を抱えながら働くことになりかねません。




3.社会福祉協議会の役割や性質


かつて私が、地方の社会福祉協議会で経営支援を行っていたときの話です。

社会福祉協議会という組織は、一般的にはなじみが薄く、その役割や実態を十分に理解している人は多くありません。


私自身も、支援に入るまでは、その具体的な業務内容を把握していませんでした。


2023年に卒業した日本社会事業大学専門職大学院では、定員50名のほとんどが医療・介護・福祉分野の専門職でしたが、その中でも社会福祉協議会の役割を正確に理解している人は、ほとんどいなかったのが実情です。


社会福祉協議会を簡潔に説明するならば、都道府県からの補助金、地域住民や団体からの寄付、そして自ら運営する事業収益によって成り立つ組織です。

その存在意義は、地域福祉の発展と向上にあります。しかし現実には、限られた認知の中で、多くの組織が赤字構造を抱えながら運営されています。


運営方法は組織ごとに異なりますが、私たちが支援したケースでは、訪問介護や訪問看護といった収益事業を柱としながら、もう一方で、直接的な利益を生まない地域福祉事業を担っていました。

この地域福祉事業は、行政からの予算を受けながら、貧困、虐待、災害といった社会課題に対し、地域のボランティアと連携して対応していく、極めて重要な役割を担っています。




4.給与や賞与を上げてくれ!でも「お金」儲けは悪!という矛盾


しかしながら、社会福祉法人やNPO法人といった非営利組織では、理事長や理事、監事といった経営層を含め、「お金を稼ぐこと」に対して強い抵抗感を持つケースも少なくありません。


一方で現場からは、「給与を上げてほしい」「賞与が少ない」といった不満が噴出し、さらには経営層だけが利益を得ているのではないかという疑念が生じるなど、さまざまな矛盾が発生しています。


私は、こうした社会福祉・医療の分野こそ、明確な意思をもって収益を生み出す仕組みを構築し、その資源を人材や設備へ適切に投資していくことが重要だと考えています。

それは、結果として働く人も、地域福祉そのものも、持続的な発展を遂げることはできないからです。


お金を稼ぐことに対して抵抗感を持ちながら、一方で自身の生活の質を高めたいと願う。


この矛盾を解消するためには、「稼ぐことは、経済と個人の双方を豊かにする行為である」という事実を受け入れ、時代に応じて自らを変化させていく必要があります。

FukushiVisionGroup株式会社
塚本洋介(社会福祉士/福祉マネジメント修士)


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