やっぱり怒られるのが怖かった

やっぱり怒られるのが怖かった

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前回、父ちゃんの医者嫌いについて書きました。「父ちゃんの医者嫌いを受け継いだ」せいで、子供の頃の僕自身の皮膚のトラブルで病院に行かなかったことについて書きました。最初「父ちゃんの医者嫌いを受け継いだから」だと思っていましたが、あらためて考えてみると、それよりも大きな理由があったように思います。それは、父ちゃんに怒られるのが怖くて、「病院に行きたい」と、そもそも言い出せなかった、ように思います。

回っている洗濯機の中に指を入れてしまった

小学5年生の頃のことです。自分でもバカだったと思うのですが、脱水中の洗濯機の蓋を開けて、ぐるぐる回っている洗濯物を見ていたら、なぜか人差し指を中に入れたくなり、実際に入れてしまいました。
勢いよく回っていた洗濯物が、僕の人差し指に巻きついてきて、「ボキボキ」というすごい音がすると同時に、激痛が走りました。すぐに指を引き戻し、絡まった洗濯物をほどいて指を見ると、少し腫れている程度で、見た目は大丈夫そうでした。でも、動かすと、激痛が走ります。
本当は、すぐに病院へ行くべきだったと思います。でも、「洗濯機の中に指を入れてケガをした」なんて言ったら、「馬鹿野郎!」と怒鳴られるに決まっている。そう思った僕は、怒られるくらいなら、この痛みを我慢する方がましだと考えて、指にサロンパスを巻いて、そのままにしてしまいました。
2週間くらいは、指がまともに動かせなかったと思います。おそらく、かなり重い突き指だったのでしょう。そのせいで、今でも、僕の右手の人差し指は、少し曲がったままです。

本当は怒らずに病院に連れて行ってくれたと思う

今、あらためて考えると、たとえ理由が「ぐるぐる回っている洗濯機に指を入れた」というバカな行為だったとしても、父ちゃんが僕のケガを知ったら、「お前はバカか?何をやっているんだ」と、あきれながらも、きっと車に乗せて、すぐに病院に連れて行ってくれたと思います。
「怒られる」という結果は、僕が想像していただけであって、実際に起きたことではありません。あくまで子供だった僕の頭の中にあった、勝手な思い込みでした。それでも、当時は本当に怖くて、言い出すことができませんでした。

皮膚のトラブルのときも同じこと

前回書いた皮膚のトラブルのときも、父ちゃんと似たようなことをしていました。病院に行って、ある程度回復すると、完治する前に通院をやめてしまい、そこから先は、父ちゃんのように「効果がありそうな方法」を自分で試すようになりました。
太陽の光には、悪い菌を殺す効果があるだろうと考えて、長時間、日光浴をしたり、皮膚を鍛える目的で、皮膚をタワシでゴシゴシこすったりもしました。今考えると、長時間の日光浴は目にも良くなかったでしょうし、タワシでこすったのは、皮膚を鍛えるどころか、ただ傷つけていた可能性があります。

痛みより怖さが優先した

洗濯機の指のケガも、皮膚のトラブルも、根っこにあったのは、同じ気持ちだったように思います。それは、「痛みやトラブルそのもの」よりも「父ちゃんに怒られること」の方が、僕にとってはずっと怖かった、ということです。
子供にとって、親に怒られることへの恐怖は、時に、自分の体の痛みや不調を我慢してしまうほど、大きなものになることがあります。しかも、その恐怖の多くは、実際に起きるかどうか分からない、頭の中だけの想像だったりします。僕の右手の人差し指は、今もその名残として、少し曲がったままです。

もし今、お子さんのいる方がこれを読んでいたら、子供が痛みや不調を隠しているサインに、少し気を配ってみてもいいかもしれません。そして、もしあなた自身にも、子供の頃、痛みや悩みを、誰かに怒られるのが怖くて言い出せなかった経験があれば、それも、あなたと親との関係を映す、ひとつの大切な記憶だろうと思います。
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