前回、父ちゃんが弁護士のアドバイスを鵜呑みにせず、自分で六法全書を調べたエピソードを紹介しました。実は、専門家を全面的には信用しない、というのは、弁護士に限った話ではありませんでした。今回は、なぜ父ちゃんがそうなったのか、僕なりに考えてみたことを書いてみたいと思います。
医者も嫌いだった父ちゃん
父ちゃんは、少々具合が悪いくらいでは、病院に行きませんでした。自分なりに体をケアして、なんとかしようとするタイプでした。
これは、あくまで僕の想像ですが、父ちゃんの中には「弁護士は裏でつながっている」という考えと同じように、「医者の多くは、金を儲けたくて病院を開いている」というような不信感があったのではないかと思います。
父ちゃんから「病院に行くな」と口で言われたことはありませんでしたが、父ちゃんの医者嫌いは、なんとなく僕たち子供全員が感じ取っていました。
僕自身、子供の頃に皮膚のトラブルがあったとき、かなり悪化するまで病院に行かずに我慢してしまい、その後、長期間その症状に悩まされることになります。今思えば、あのとき我慢したのは、病院に行きたいと言ったら、父ちゃんから怒られそうで、怖くて言い出せなかったと同時に、我慢して自分でなんとかしようとする父ちゃんのやり方を、無意識に真似していた部分もあったのだろうと思います。
医者嫌いになった理由
父ちゃんの医者嫌いには、それなりの理由があったのだろうと思います。
一番大きな理由は、おそらく、父ちゃん自身の病気が治らなかったことだと思います。軟便が長く止まらず、十二指腸潰瘍だったのではないかと想像していますが、通院して薬を処方されても、結局良くなりませんでした。治療を続けても一向に改善しない現実が、医者への不信感を強めていったのではないかと想像しています。
僕たちの親戚に女医さんがいます。その方がうちに遊びに来たときには、父ちゃんはいろいろと質問をしていました。その説明に耳を傾けている、父ちゃんの姿を覚えています。ただ、その話を、父ちゃんがどこまで本気で信用して聞いていたのかは、今となっては分かりません。
良い面と悪い面
自分の体を、自分の判断でケアしようとする姿勢には、良い面もあると思います。何でもすぐに医者任せにせず、自分の生活習慣を見直す力にもなります。
ただ、その一方で、悪い面もあったと思います。病状がかなり悪化しないと病院に行かないので、かえって治療に時間がかかってしまうこともあります。僕自身の皮膚トラブルも、まさにその例でした。父ちゃんの生き方から、良いところだけでなく、あまり良くないところも、無意識に受け継いでしまっているのだと思います。
自力で治そうとしていた父ちゃん
とはいえ、父ちゃんが何もしていなかったわけではありません。父ちゃんなりに、食事を工夫して、体を治そうと努力していました。
よく食べていたのが、そうめんでした。たぶん消化に良かったのでしょう。シイタケで出汁を取り、自分独自のめんつゆを作って、よく食べていました。今、僕も、シイタケで出汁を取ることがあります。父ちゃんの真似をしているのですが、これが結構美味しいのです。
今あらためて思うこと
専門家を信じきれなかった背景には、父ちゃん自身の、治らなかった病気という、辛い経験があったのだと思います。信じたいのに信じきれない。そういう複雑な気持ちが、あの態度の裏にあったのかもしれません。
僕自身も、無意識のうちに、父ちゃんの「医者嫌い」という部分を受け継いでいたことに、今回あらためて気づかされました。良い部分は活かしつつ、悪い部分は、意識して見直していきたいと思います。
あなたにも、親から知らず知らずのうちに受け継いだ、健康に対する考え方や習慣があるかもしれません。それが今の自分にとって役立っているのか、それとも見直した方がいいものなのか、一度振り返ってみるのも良いかもしれません。
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