なぜ「父親との関係」を見直すと、他人との関係まで楽になるのでしょうか?
「父親との関係を整理する」と聞くと、父親だけに関わる話だと思われるかもしれません。でも実は、これは父親との関係だけにとどまらない、もっと大きなテーマにつながっています。
父親は赤ちゃんが最初に出会う「他人」
赤ちゃんにとって、母親は自分と一体化した存在に近いと考えられています。
それに対して父親は、多くの場合、赤ちゃんが人生で最初に出会う「自分とは違う他人」「第三者」です。
つまり、父親との関係は、私たちが人生で最初に経験する「人間関係」そのものなのです。
父親とどんな関係を結んだかが、その後のあらゆる人間関係——友人、恋人、上司、同僚——の土台、いわば「型」になっていく可能性があります。
そう考えると、父親との関係を見直すことは、単に過去を振り返るだけでなく、今の人間関係のクセを理解することにもつながっていきます。
父を「多面的」に見れるようになると 何が変わる?
僕自身、父との関係をあらためて文章にしていく中で、父という人をひとつの決まったイメージ——たとえば「怖い父親」だけで見るのではなく、色々な角度から見れるようになってきました。
厳しかった父。でも家族を守ろうと必死だった父。不器用だけど、確かに愛情を持っていた父。
同じ人物なのに、光の当て方を変えるだけで、まったく違う表情が見えてきます。そのことに気づいてから、僕の中で少しずつ変化が起きました。
例えば、こんな出来事がありました。
子供の頃、親父がセロリの上にチーズを載せた寿司を握ってくれたことがあります。
子供心には「どうしてこんなまずいものを作るのだろう」と思いながら食べていました。
今思えば、親父なりに子供の健康を願って作ってくれたのだろうと想像はつきますが、当時の僕には、自分の視点か父親を見ることしかできませんでした。
他の人と接するときにも、僕たちは「この人はこういう人だ」と一方的な見方をしがちです。
でも、父親との関係を見つめ直し、父親の視点が理解できるようになるにつてて、「もしかしたら、この人には自分が見えていない別の面があるのかもしれない」と、自然に考えられるようになってきたように思います。
決めつけが減ると、心の安定につながる
人間関係で疲れてしまう原因のひとつは、相手をひとつだけの型に当てはめて、その型通りの反応を予想し、予想外のことが起きたときに、その理由が分からずフラストレーションがたまってしまうことだろうと思います。
でも、相手を多面的に見られるようになると、「こう決めつけていたけれど、違う可能性もあるかもしれない」という余白が生まれます。
この余白が、心の安定につながっていきます。身構える必要が減り、相手との関係そのものが、少し軽くなるような感覚です。
そして、この「多面的に見る力」は、父親という、人生で出会った「最初の他人」との関係を、文章を通して何度も見つめ直す中で育てていける力だと、僕自身、父親との関係について文章を書きながら感じています。
父親との関係は、すべての人間関係の入口
父親との関係を整理することは、決して過去だけの作業ではありません。それは、今この瞬間の人間関係をどう築いていくかという、未来につながる作業にもなります。
もし今、誰かとの関係で「なぜかいつも同じパターンで疲れてしまう」と感じることがあるなら、その根っこは、案外、父親との関係の中にあるかもしれません。18の質問を通して、まずは父親という、人生における「最初の他人」との関係を、一行からでも見つめ直すのも良いと思います。
追伸
ここまで書いてきた「父親=最初の他人」という捉え方は、64歳になる僕自身の世代の実感に基づくものです。僕が育った時代は、父親と母親の役割が、今よりもはっきりと分かれていることが多かったように思います。
ただ、今は家族の形も、父親・母親それぞれの役割のあり方も、当時とは大きく変わってきています。ですから、「父親は必ずこういう存在だ」と一概には言えないというのが正直なところです。このブログも、絶対的な正解としてではなく、一つの世代の実感、一つの視点として、参考にしていただけたらと思います。
サービス内容に18の質問を載せています。
質問に答えることで、安心・リラックスした自分と出会えるかもしれません。